表示名称成分詳細
サクシノイルアテロコラーゲン
成分番号(JP number): 563274
- INCI
- SUCCINOYL ATELOCOLLAGEN
- 定義(Description)
- 本品は、無水コハク酸とアテロコラーゲン(*)の反応生成物である。Succinoyl Atelocollagen is the product formed by the reaction of succinic anhydride and atelocollagen (q.v.)
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 琥珀酰缺端胶原
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1.2
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 석시노일아텔로콜라겐
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
サクシノイルアテロコラーゲン / SUCCINOYL ATELOCOLLAGEN
サクシノイルアテロコラーゲンとは
サクシノイルアテロコラーゲンは水溶性コラーゲン(アテロコラーゲン)分子の側鎖に存在しているアミノ基(-NH₂)に親水性のサクシニル基(-COCH₂CH₂COOH)が結合したコラーゲン誘導体です(1,2)。
なお、化粧品表示名称では「サクシノイルアテロコラーゲン」ですが、医薬部外品表示名称としては「サクシノイルアテロコラーゲン液」となっています。
サクシニル化させることで通常のコラーゲンよりもpH安定性や溶解性が高くなっています(5)
物性としては、側鎖に存在するアミノ基(-NH₂)に親水性のスクシニル基(-COCH₂CH₂COOH)が結合していることにより中性領域で溶解性が高いという特徴があり、酸性領域で溶解しやすく、中性から塩基性領域では溶解しにくい水溶性コラーゲン(アテロコラーゲン)に比べて溶解性を向上させています(2,3)。
化粧品成分としては保湿作用や感触改良を目的に、スキンケア化粧品やメイクアップ化粧品、トリートメント製品など様々な製品に活用されています。
サクシノイルアテロコラーゲンの配合目的
- 皮表水分保持による保湿作用
- 潤滑性による感触改良
保湿作用
水溶性コラーゲンには皮表水分保持による保湿作用があることから、その溶解性を向上させたサクシノイルアテロコラーゲンにも同様の作用があります。しかし、その効果については水溶性コラーゲンよりも高いと報告されています(3)。
感触改良
高い保水性を有していることで知られ、水溶性コラーゲン以上の滑らかな感触を付与することから、潤滑性による感触改良作用が認められています(3)。
サクシノイルアテロコラーゲンの安全性情報
サクシノイルアテロコラーゲンは医薬部外品原料規格2021に収載されています。また、皮膚刺激性については殆どなく、皮膚感作性についてもアレルギー性は殆どありません。以上のことから化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると言われています。
参考文献
(1)日本化粧品工業連合会(2013)「サクシノイルアテロコラーゲン」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,436.
(2)宮田 暉夫(1989)「生体高分子コラーゲンの新しい利用」日本家政学会誌(40)(8),725-731. DOI:10.11428/jhej1987.40.725
(3)井原水産株式会社(2013)「化粧品用水溶性コラーゲンおよび該コラーゲンを含有する化粧品」特開2013-001664.
(5)株式会社高研 アテロコラーゲン原料資料よりhttps://koken-cosme.com/wp/wp-content/uploads/2017/09/atelocollagen.pdf
日本語論文
2J15-1 サクシノイルトレハロースリピッドの生合成経路の解明(有機化学・高分子化学・生合成・天然物化学,一般講演)
宮崎 勇介 , 中島 敏明 , 内山 裕夫 , 野村 暢彦
日本生物工学会大会講演要旨集 平成16年度, 238, 2004
429 サクシノイルトレハロース脂質の生合成遺伝子の解析(遺伝子工学,一般講演)
井上 直幸 , 野村 暢彦 , 間世田 英明 , 中島(神戸) 敏明 , 中原 忠篤 , 内山 裕夫 日本生物工学会大会講演要旨集 平成14年度, 58, 2002
石上 裕 日本油化学会誌 45(3), 229-242, 1996
P-サクシノイルアミノベンツアルデヒド-3-チオセミカルバゾンおよびベンザルアセトングアニルヒドラゾン塩酸塩を含む臭化銀ゾルの電気泳動
鈴木 伸 [他] 電気化学および工業物理化学 32(5), ????, 1964-05
p-サクシノイルアミノベンツアルデヒド-3-チオセミカルバゾンおよびベンザルアセトングアニルヒドラゾン塩酸塩を含む臭化銀ゾルの電気泳動
鈴木 伸 , 平田 明 電気化学および工業物理化学 32(5), 347-351, 1964
各種写真用添加剤の銀電位滴定:写真用添加剤の銀電位滴定に関する研究(第2報)
鈴木 伸 [他] , 古関 靖夫 分析化学 12(7), 623-630, 1963
鈴木 伸 , 石田 鉄正 工業化学雑誌 65(10), 1502-1505, 1962
長瀬 俊治 工業化学雑誌 64(8), 1400-1403, 1961
チオフェン系化合物に関する研究(第4~8報)(第8報)β-アシルアミノチオフェン類のフリーデル.クラフツ反応によるサクシノイル化について
本山 良三 日本化學雜誌 78(6), 794-798, 1957
英語論文
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Tsujigiwa H, Nagatsuka H, Lee YJ, Han PP, Gunduz M, Legeros RZ, Inoue M, Yamada M, Nagai N.J Biomed Mater Res A. 2006 Jun 1;77(3):507-11. doi: 10.1002/jbm.a.30661.PMID: 16482552
Yamachika E, Tsujigiwa H, Shirasu N, Ueno T, Sakata Y, Fukunaga J, Mizukawa N, Yamada M, Sugahara T.J Biomed Mater Res A. 2009 Mar 1;88(3):599-607. doi: 10.1002/jbm.a.31833.PMID: 18314893