表示名称成分詳細
オウゴン根エキス
成分番号(JP number): 563010
- INCI
- SCUTELLARIA BAICALENSIS ROOT EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、オウゴンScutellaria baicalensisの根のエキスである。Scutellaria Baicalensis Root Extract is an extract of the roots of the Scutellaria baicalensis, Lamiaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 黄芩(SCUTELLARIA BAICALENSIS)根提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 9.7277, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 9.4288
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 황금추출물
- CAS No.
- 94279-99-9
- EC No.
- 304-845-9
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
オウゴン根エキス / SCUTELLARIA BAICALENSIS ROOT EXTRACT
オウゴン根エキスとは
オウゴン根エキスは、シソ科植物コガネバナ(学名:Scutellaria baicalensis、英名:baikal skullcap)の周皮を除いた根から得られる黄色〜黒褐色の植物エキスです。
コガネバナは中国の東北部や朝鮮半島、シベリアの水はけの良い草地や荒地に生育しています。中国では薬用として従来野生品が採取されていましたが、薬としての需要が高いため、最近では栽培も行われています。
コガネバナの名前からは輝くような黄金の花が想像されますが、実際は紫色の花をつけます。花は草木染めの染料としても使用されています。コガネバナの根は真っ直ぐ地中に伸び、紡錘形で直径2センチメートルにも達します。木質で堅く、断面は鮮黄色です。和名のコガネバナの「コガネ(黄金)」は根の色に由来しています。
生薬としてのオウゴン
コガネバナの根は生薬として黄芩(おうごん)の名前で知られています。
黄芩の主要成分バイカリンには緩下(かんげ)、利尿、抗炎症、抗アレルギー作用などが知られています。また、オウゴンエキスの薬効として、解熱、胆汁分泌促進、胃液分泌抑制などが知られています(1)。
漢方では黄芩には体内の熱を冷ます作用があり、呼吸器感染症による咽頭炎、せき、黄色痰(たん)や、みぞおちの膨満感、下痢、口内炎、目の充血などに効果があるとされています(2)。そのため、各種の漢方処方に配合して用いられています。
黄芩は2000年以上にわたって中国医学で用いられてきました。現在市場に出回っているほとんどが中国の山西省と河北省で生産されています。生薬として使用する場合、3〜4年育てた根を春に収穫し、水分が半分になるまで乾かし、さらに周皮を剥いでから完全に乾燥させます(3)。
オウゴン根エキスの成分
オウゴン根エキスの成分には、
・フラボノイド:baicalin, baicalein, wogonin
などが含まれています(4)。
オウゴン根エキスの化粧品への配合
オウゴン根エキスにはフラボノイド類、ステロイド類、バイカリンなどが含まれており、抗炎症作用、抗アレルギー作用、チロシナーゼ阻害作用、抗菌作用、収れん作用、紫外線吸収作用、保湿作用など多くの働きがあります。そのため、スキンケア、ボディケア、ハンドケア製品、ヘアケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品などに幅広く使用されています(5),(6)。
Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから現在化粧品として用いられている使用方法や濃度内でのオウゴン根エキスの安全性が結論づけられています(7)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2020年時点で、オウゴン根エキスを配合している製品の登録数は合計514で、主にスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品などの幅広い製品に使用されています。そのうちリーブオン製品は419製品、リンスオフ製品は95製品でした(7)。
製品への含有量についてパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、オウゴン根エキスはリーブオン製品で0.0002%から0.5%、リンスオフ製品で0.00001%から0.002%の配合率で使用されていました(7)。
参考文献
(1) 伊藤美千穂, 他 (2017)「コガネバナ」生薬単, 268-269
(2) 田中耕一郎 (2020)「黄芩」生薬と漢方薬の事典, 35
(3) 日本メディカルハーブ協会 (2014)「スカルキャップ」 メディカルハーブ事典, 45-47
(4) 指田豊, 他 (2013)「コガネバナ」身近な薬用植物, 130-132
(5) 鈴木一成 (2008)「オウゴンエキス」化粧品成分用語事典2008, 197
(6) 宇山 光男, 他 (2015)「オウゴン」化粧品成分ガイド 第6版, 190
(7) Cosmetic Ingredient Review (2020)「Safety Assessment of Scutellaria baicalensis -Derived Ingredients as Used in Cosmetics」Final Report
オウゴン根エキスの配合目的
・抗炎症作用
・抗アレルギー作用
・チロシナーゼ阻害作用
・抗菌作用
・収れん作用
・紫外線吸収作用
・保湿作用
オウゴン根エキスの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR796.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Kim TW, Song IB, Lee HK, Kim MS, Ham SH, Cho JH, Lim JH, Yun HI.Planta Med. 2013 Jul;79(11):959-62. doi: 10.1055/s-0032-1328714. Epub 2013 Jul 1.PMID: 23818268
Scutellaria radix Extract as a Natural UV Protectant for Human Skin.
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