表示名称成分詳細
アストロカリウムムルムル種子脂
成分番号(JP number): 562627
- INCI
- ASTROCARYUM MURUMURU SEED BUTTER
- 定義(Description)
- 本品は、Astrocaryum murumuru の種子から得られる脂肪である。Astrocaryum Murumuru Seed Butter is the oily fat obtained from the seeds of Astrocaryum murumuru, Arecaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 木鲁星果棕（ASTROCARYUM MURUMURU）籽脂
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 10, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 10
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 야자씨버터
- CAS No.
- 356065-49-1;906350-19-4
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
アストロカリウムムルムル種子脂 / ASTROCARYUM MURUMURU SEED BUTTER
アストロカリウムムルムル種子脂とは
アストロカリウムムルムル種子脂は、植物油脂に分類され、化学構造にグリセリンと高級脂肪酸とのトリグリセリドを主成分とします。エモリエント作用を目的に使用され、ベース成分としても登録されています。
原材料は、ヤシ科植物ムルムル（学名：Astrocaryum Murumuru = Astrocaryum yauaperyense）の種子から生成されています（2）。
植物ムルムルのAstrocaryum属としては、ブラジル、ペルー、コロンビアに多く生成し、ムルムルとしてはブラジル、またアマゾンンの南西部、南部に多く生息していることが知られています(1)。
近年、他の植物油との混合により、製品自体の安定性を伸ばす、吸湿性、保水性を伸ばすエモリエント作用が注目されています。
化粧品成分表示名称ではアストロカリウムムルムル種子脂、慣用名がムルムルバターとして知られています。
植物油は植物の種類、産地、部位、圧搾方法等により変化すると言われています。
ですが、主要な脂肪酸成分と割合は分かってきています。
ラウリン酸：約45%、オレイン酸：約12%
ヨウ素価：32-36
ヨウ素価から「不乾性油」に分類されます。
アストロカリウムムルムル種子脂はそのヨウ素価の特徴から、飽和脂肪酸の割合が多く、酸化安定はとても高いといえます。
状態としては、種子「脂」と名前で表せる通り、固形の状態が多いということを表しています。これは、融点が高いため固形の状態が多いのが特徴といえます。
化粧製品としては、スキンケア化粧品、ボディ&ハンド&フットケア製品、リップ製品、メイクアップ化粧品、洗浄製品、ヘアケア製品、日焼け止めなどに使用されます。
エモリエント作用
アストロカリウムムルムル種子脂としてのエモリエント作用は、体温よりも融点が低いため、人肌では溶け、遅延性がよく、肌表面のコーティング、光沢を出すのが、特徴と言えます。
遅延性を活かして、皮膚表面へ広がることで角質層を閉塞させ、角質層からの水分蒸発作用を抑制し、角質層の潤いを維持することで肌の柔軟性、光沢、柔らかさを与えてくれるのです。
ベース成分
化粧品のベース成分としては水性成分、油性成分、界面活性剤、顔料・粉体成分のうち、油性成分として使用され、角質層からの水分蒸発抑制作用であるエモリエント作用を目的に使用されます。
安全性に関して10年以上の使用実績があります。
皮膚刺激、皮膚感作(アレルギー)に関して、4%濃度以下では安全性が高いといわれています(2)。
この4%濃度以下という限定的な見解は、4%濃度以下での実験だけになっているためです。
参考文献
(1)Kahn, Francis. (2008). The genus Astrocaryum (Arecaceae). Revista Peruana de Biologia. 15.
(2)Cosmetic Ingredient Review（2017）「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
アストロカリウムムルムル種子脂の配合目的
- 角質層からの水分蒸発抑制作用（エモリエント作用）
アストロカリウムムルムル種子脂の安全性情報
一般的に4%濃度以下において皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます(1)。
参考文献
(1)Cosmetic Ingredient Review（2017）「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
日本語論文
de Santana Lopes A, et al. Planta. 2019. PMID: 31222493
Gomes GVL, et al. J Microencapsul. 2019. PMID: 30836027
E Silva AGM, et al. Anim Sci J. 2021. PMID: 34173304
Américo ÁVLDS, et al. Front Vet Sci. 2020. PMID: 32656247 Free PMC article.
Population genetic structure of three species in the genus Astrocaryum G. Mey. (Arecaceae).
Oliveira NP, et al. Genet Mol Res. 2017. PMID: 28873204
Choo J, et al. Ann Bot. 2017. PMID: 28549080 Free PMC article.
Ricardo-Silva AH, et al. Acta Trop. 2012. PMID: 22664419
Wyatt JL, et al. Oecologia. 2004. PMID: 15085424
Scarcelli N, et al. PLoS One. 2011. PMID: 21637837 Free PMC article.なし
