表示名称成分詳細
イソステアリン酸デキストリン
成分番号(JP number): 562489
- INCI
- DEXTRIN ISOSTEARATE
- 定義(Description)
- 本品は、イソステアリン酸(*)とデキストリン(*)のエステルである。Dextrin Isostearate is the ester of Dextrin and Isostearic Acid.
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 糊精异硬脂酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 7.3145
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 덱스트린아이소스테아레이트
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
イソステアリン酸デキストリン / DEXTRIN ISOSTEARATE
イソステアリン酸デキストリンとは
イソステアリン酸デキストリンは付着性が高く速やかに被膜形成をする樹脂のことです。原料はタピオカから得られるデキストリンです。
従来の樹脂も肌への付着性アップや耐水の被膜形成などを形成する目的で化粧品に添加されていましたが、天然樹脂の多くは、不純物による着色や臭いの原因になってしまう可能性がありました。
また、合成樹脂のシリコーン系樹脂には、皮膜形成性はあるものの付着性はあまりよくないものもありました。
従来の樹脂は化粧品の原料として満足のいくものはあまりありませんでした。
そこで、イソステアリン酸デキストリンは「付着」・「皮膜形成」・「保護」という3つの機能をバランス良くあわせもつ樹脂として開発されました。糖類は、ケラチンと呼ばれるタンパク質である皮膚や毛髪、まつ毛への付着性に富み、保湿作用と安全性に優れています。また、多数の糖分子がつながった多糖類である「デキストリン」には被膜を形成する性質があります。加えて「デキストリン」は水に可溶性であり汗や雨によって流されてしまうため、油溶性で長鎖の分岐脂肪酸であるイソステアリン酸で部分的に修飾することでイソステアリン酸デキストリンは水に流されにくくされています(1,2)。
特徴
イソステアリン酸デキストリンの特徴で最も期待されているのは速やかに皮膜形成をする点です。
イソステアリン酸デキストリンを開発をした株式会社コーセー(千葉製粉株式会社との共同開発)は以下のように記しています。
新しい素材「イソステアリン酸デキストリン」の特徴的な性質は、素早い皮膜形成性です。皮膜形成の 速さを検証するため、
新規樹脂と従来のロジン(天然)系樹脂をそれぞれ揮発性の油に溶解したサンプ ル溶液を調製し、ガラス板上に塗布したサンプルの
皮膜形成にかかる時間を測定しました。
その結果、 新規樹脂「イソステアリン酸デキストリン」は、従来樹脂に比べ皮膜を形成しはじめる時間が著しく早いこと がわかりました(図 1)。
そこで、当社では、この「イソステアリン酸デキストリン」の素 早い皮膜形成性とケラチンへの吸着力といった特長を活かし、
まず初めにマスカラへ応用することとしました。
従来、マスカラをまつ毛に塗布した際、皮膜形成に時間が かかると、ビューラーを使って上向きにしたまつ毛が、
マスカラ 液の重さで落ちてきてしまうといった問題がありました。「イソス テアリン酸デキストリン」を配合したマスカラは、
マスカラ塗布前 のまつ毛と比較して、まつ毛への付着力が強い上に、しなや かな膜が素早く形成することから、
美しい上向きカールのまつ 毛に仕上げられることがわかりました(図 2)。
また実使用試験の結果により、時間が経っても、上向きカー ルが持続することが確認されました。
引用元:株式会社コーセー『植物由来の原料を使用した化粧品素材 、 油溶性樹脂「イソステアリン イソステアリン酸デキストリン」を開発
~ まつ毛のカールを素早く固定するマスカラを実現 ~』
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配合されている化粧品
形成される被膜は柔軟性があり、肌や唇が引っ張られるような負担感・つっぱり感がなく、付着性が高く、速乾性があります(1)。
そのため、以下の製品にイソステアリン酸デキストリンは使用されています。
- 唇や肌への密着感に優れた口紅製品
- アイライナーなど動きの多いポイントメイク
- コンシーラー
参考文献
- 株式会社コーセー『植物由来の原料を使用した化粧品素材 、 油溶性樹脂「イソステアリン イソステアリン酸デキストリン」を開発 ~ まつ毛のカールを素早く固定するマスカラを実現 ~』
- 小西さやか『日本化粧品検定 1級対策テキスト コスメの教科書』(主婦の友社)
イソステアリン酸デキストリンの配合目的
- 耐水性の皮膜形成
- 付着
- 表面処理
イソステアリン酸デキストリンの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR680r.pdf
日本語論文
イソステアリン酸デキストリンのメイクアップ製品への応用 (特集 ポイントメイクとパーツケア製品の開発)
今井 裕美 Fragrance journal : Research & development for cosmetics, toiletries & allied industries = フレグランスジャーナル : 香粧品科学研究開発専門誌 44(9), 28-32, 2016-09
英語論文
なし