表示名称成分詳細
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa
成分番号(JP number): 561671
- INCI
- (NOTHING)
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される有機化合物である。X:Na又はH
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- -
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- -
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
- -
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa / (NOTHING)
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaとは
[化粧品成分表示名称]
・ジラウロイルグルタミン酸リシンNa
[医薬部外品表示名称]
・ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(Sodium Dilauramidoglutamide Lysine)は、炭素数12の高級脂肪酸であるラウリン酸の塩化物と酸性アミノ酸の一種であるグルタミン酸を縮合して得られるラウロイルグルタミン酸Na同士を、塩基性アミノ酸であるリジンで連結させて得られる縮合物です。複数の疎水基と親水基を双子型の構造に結合させた構造で、ジェミニ(双子)型界面活性剤に分類されます。
一般に、界面活性剤は1つの疎水鎖と1つの親水基(一鎖一親水基)で構成されています。複数の疎水鎖と複数の親水基(多鎖多親水基)で構成された界面活性剤であるジェミニ型界面活性剤は、分子量が大きく、親油性と親水性の両方をバランス良く高められる構造です。臨界ミセル濃度が低く、乳化安定性や耐水性、生分解性が高いなど、さまざまな特徴を有しています(1)。
界面活性剤としてのジラウロイルグルタミン酸リシンNa
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaのように、2 つの一鎖一親水基型化合物を連結した構造のジェミニ(双子)型界面活性剤は、「親水性の保持」と「疎水性相互作用の強化」という一鎖一親水基型では両立できない関係を克服することができるという特徴があります。そのため、従来の一鎖一親水基型と比較して、界面活性剤として高い機能を持たせることができます(1)。
また、ジェミニ型構造の界面活性剤は、比較的低濃度でも高い界面活性能を発揮するという特徴があります。乳化剤として使用した場合、ノニオン系界面活性剤と比較して少量(0.1%以下)で乳化することができることが知られており、化粧品として使用した場合、べたつき感などの使用感が格段に良くなることが考えられます。また、ジラウロイルグルタミン酸リシンNaの配合濃度に依存せずに安定な乳化物が得られることが分かっており、複雑な処方検討が不要で、簡便に乳化可能であるというメリットもあります(1)。
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaは低い濃度でも乳化するため、化粧品として使用した場合、水が付着しても再乳化されにくく、耐水性に優れたO/W型エマルションを形成することが知られています(1)。
上述の通り、ジラウロイルグルタミン酸リシンNaは一般的なノニオン系界面活性剤より少量で界面活性剤としての効果を発揮するため、ジェミニ型にすることにより使用量の削減が期待できます。ジラウロイルグルタミン酸リシンNa自体の生分解性は良好であることが分かっており、同時に使用量を削減できるため、環境に優しい界面活性剤としての活用が期待されています。
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaの化粧品への配合
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaは、少量で乳化作用を発揮し、使用感に優れた耐水性のO/W型エマルションを調製することができます。
また、ジラウロイルグルタミン酸リシンNaは、脂肪酸とアミノ酸などから構成されているため、皮膚や毛髪に馴染みやすいという性質があります。浸透性が高いため、荒れ肌に浸透して健康な状態に回復させたり、傷んだ毛髪にもスピーディーに浸透してダメージを修復させる機能などに優れています(2)。
以上のような特徴から、化粧水・美容液などのスキンケア製品や、シャンプー・コンディショナーなどのヘアケア製品、リキッドファンデーションなどのベースメイク化粧品など、幅広い製品に使用されています。
参考文献
- 関口範夫, 他 (2017)「ジェミニ型界面活性剤を用いた使用感に優れた耐水性O/Wエマルジョンの調製」日本化粧品技術者会誌 (51) (1), 18-26
- 鈴木一成 (2008)「テトラデセンスルホン酸ナトリウム」化粧品成分用語事典2008, 412
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaの配合目的
- 乳化作用
- 保湿作用
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaの安全性情報
(1)より、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
(1)より、1%濃度以下において眼刺激性はほとんどないと考えられます。
(1)旭化成ファインケムの安全データシート
日本語論文
ジェミニ型界面活性剤を用いた使用感に優れた耐水性O/Wエマルジョンの調製
関口 範夫 , 清水 克也 日本化粧品技術者会誌 51(1), 18-26, 2017 J-STAGE
英語論文
Hikima T, et al. Int J Pharm. 2013.PMID: 23291444
Alama T, et al. Pharmaceutics. 2019.PMID: 30959978 Free PMC article.
Alama T, et al. Int J Pharm. 2016.PMID: 26707414
Moriyama Y, et al. J Oleo Sci. 2009.PMID: 19844072 Free article.