表示名称成分詳細
サボンソウ葉エキス
成分番号(JP number): 561513
- INCI
- SAPONARIA OFFICINALIS LEAF EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、サボンソウ Saponaria officinalis の葉のエキスである。Saponaria Officinalis Leaf Extract is an extract of the leaves of the Soap Wort, Saponaria officinalis L., Caryophyllaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 肥皂草(SAPONARIA OFFICINALIS)叶提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 2.5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.6
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 비누풀잎추출물
- CAS No.
- 84775-97-3
- EC No.
- 283-921-2
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
サボンソウ葉エキス / SAPONARIA OFFICINALIS LEAF EXTRACT
サボンソウ葉エキスとは
サボンソウ葉エキスは、ナデシコ科の植物であるサボンソウ(学名: Saponaria Offinalis 英名: Common soapWort)の葉から、水やエタノール、BG(ブチレングリコール)を使って抽出された、淡緑褐色~褐色の透明なエキスのことです。
INCI名は、「Saponaria officinalis Leaf Extract」です。
なお、日本化粧品成分表示名称事典第1版においては表示名称が「サボンソウ葉エキス」となっていましたが、第2版から「サボンソウ葉/根エキス根」に変更されており、その定義も「葉のエキス」から「根及び葉のエキス」と改訂されています。
サボンソウの「サボン(またはシャボン)」、及び学名の「Saponaria」には石鹸という意味があり、また学名の「Offinalis」には薬用という意味があります。
その学名が示すとおり、サボンソウを水にひたして揉み込むと、サボンソウの汁と水が接触することによって、泡立ってきます。
その特性から、古くからヨーロッパでは水に浸して揉むことにより、天然の石鹸として利用されてきました。
また石鹸としての目的以外にも、生の葉及び乾燥した根茎には利尿作用、去痰作用、緩下作用、胆汁分泌促進作用などが見られることから、サボンソウは以前は薬として使われてきた歴史があります。
サボンソウの特徴である泡立ち(起泡性)について解説すると、サボンソウ葉エキスには「トリテルペンサポニン」という成分が含まれています。
サポニンとは界面活性作用をもつ配糖体であり、大豆をはじめ、様々な種類の植物に含まれている成分です(1)。
これまでに数多くの種類のサポニンが同定されていますが、その中の多くのサポニンは水と混ぜると泡を生じる性質があり、それによってサボンソウ葉エキスはまるで石鹸のように泡立ちます。
この起泡性があることから、サボンソウエキスは自然な洗浄力を期待して、シャンプーやコンディショナー、固形石鹸、クレンジングといった製品に配合されることが多いです。
ただ、サボンソウ抽出物の界面活性作用の強さを、現在一般的に利用されている合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、コカミドプロピルベタイン)と比較した研究があり、それによるとサボンソウの界面活性作用は合成界面活性剤よりも弱い、という結果が出ています(2)。
参考文献
(1)北川 勲 日本化粧品技術者会誌 1984 年 18 巻 2 号 p. 75-82
(2)IIona Jurek, Aleksandra Szuplewska, Michat Chudy, Kamil Wojciechowski Soapwort ( Saponaria officinalis L.) Extract vs. Synthetic Surfactants-Effect on Skin-Mimetic Models. 2021 Sep 16;26(18):5628. doi: 10.3390/molecules26185628.
サボンソウ葉エキスの配合目的
・界面活性作用による洗浄作用
サボンソウ葉エキスの安全性情報
・サボンソウ葉エキスは、外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載されています(1)。
・試験データ(2) より、乾燥固形分濃度1%サボンソウ葉エキス溶液を塗布は、皮膚刺激性がほとんどないものと考えられます。
・試験データ(2)より、乾燥固形分濃度1%サボンソウ葉エキス溶液0.5mLの1日1回週5回、2週にわたっての塗布は、皮膚累積刺激性はほとんどないものと考えられます。
参考文献
(1)医薬部外品原料規格2021(https://www.mhlw.go.jp/content/000843321.pdf)
(2)一丸ファルコス株式会社(2004)「起泡剤又は化粧料組成物」特開2004-115410
日本語論文
路傍の遺伝学-3-サボンソウの2型の花色と開花期(実験・観察のペ-ジ-80-)
中山 包
遺伝 36(3), p76-79, 1982-03
路傍の遺伝学-2-サボンソウの逆雑種における偏母性の消長(実験・観察のペ-ジ-79-)
中山 包
遺伝 36(2), p70-74, 1982-02
中山 包
科学 20(10), 42-43, 1950-10
英語論文
Jurek I, et al. Biochim Biophys Acta Biomembr. 2019. PMID: 30579962
Soapwort (Saponaria officinalis L.) Extract vs. Synthetic Surfactants-Effect on Skin-Mimetic Models.
Jurek I, et al. Molecules. 2021.PMID: 34577098
Silva MA, et al. J Photochem Photobiol B. 2014. PMID: 24681774
Wang Y, et al. Int J Mol Sci. 2016.PMID: 26950114
Ellison TJ, et al. Vaccine. 2020.PMID: 32741668
[OCCUPATIONAL SENSITIZATION TO POWDER FROM THE ROOT OF SAPONARIA ALBAE].
CEH M, et al. Allerg Asthma (Leipz). 1963.PMID: 14092332
Josic D, et al. Plant Dis. 2013.PMID: 30722375