表示名称成分詳細
ハトムギ種子エキス
成分番号(JP number): 560670
- INCI
- COIX LACRYMA-JOBI MA-YUEN SEED EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、ハトムギ Coix lacryma-jobi Ma-yuen の種子のエキスである。[Coix lachryma-jobi Ma-yuen]Coix Lacryma-Jobi Ma-yuen Seed Extract is an extract of the seeds of Job's Tears, Coix lacryma-jobi L. var. ma-yuen, Poaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 川谷（COIX LACRYMA-JOBI MA-YUEN）籽提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 율무씨추출물
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ハトムギ種子エキス / COIX LACRYMA-JOBI MA-YUEN SEED EXTRACT
ハトムギ種子エキスとは
ハトムギ種子エキスはイネ科植物ハトムギ（学名：Coix lacryma-jobi var. ma-yuen 英名：Job’s tears）の種子から水、エタノール、BGで抽出して得ることができる植物エキスであり、化粧品成分としては保湿成分、抗アレルギー成分、細胞賦活成分に分類されています。
その活用形態はハトムギ種子エキスのみを原料として製品に配合するほか、他の植物エキスとの混合である複合植物エキスの原料として配合されることもあります。
原料となるハトムギは東南アジアが原産であることが知られ、過去の文献を参考にすると日本には江戸時代にハトムギ種の栽培が行われていたことが分かっています(1,2)。
ハトムギ種子エキスはコイキセノリドを主要成分とし、デンプン、コイキサンA,C、タンパク質、パルミチン酸、ステアリン酸、カンペステロール、スティグマステロールで構成されていることが報告されていますが、天然成分であることから、原料の産地、収穫時期、抽出方法によりその成分組成には差異があると推察されます(1,3,4)。
化粧品以外の用途として、医薬品分野においては尋常性疣贅（イボ）に対する改善効果が見られ、2019年の尋常性疣贅診療ガイドラインにおいて「推奨度B：行うよう薦められる」に分類されています(5,6)。
また、漢方分野においても利湿作用により関節痛や関節浮腫の解消、抗腫瘍作用により胃腸系の腫瘍やポリープの解消目的にも用いられています(1,5)。
化粧品としては保湿作用、抗アレルギー作用、細胞賦活作用、体臭・頭皮臭抑制作用があることからスキンケア化粧品、洗顔料、シャンプー製品、ボディーソープ製品など様々な製品に活用されています。
保湿作用
2006年に日本メナード化粧品社が行った検証によると、角質層の水分保持及び皮膚の健常性の維持において重要なフィラグリンの産生促進が見られ、肌の乾燥改善効果が確認されています(7)。
抗アレルギー作用
1998年にノエビア社が行った検証によると、アレルギー性の炎症の原因となるヒスタミンの遊離を60%以上抑制する効果が認められ、ヒスタミン遊離抑制による抗アレルギー作用をもつことが確認されています(8)。
細胞賦活作用
2004年に一丸ファルコス社が行った検証によると、皮膚角質層における表皮の新陳代謝の促進効果が確認され、ハトムギ種子エキスに表皮角化細胞増殖促進による細胞賦活作用が認められています(9)。
頭皮臭抑制作用
2017年に小川香料社が行った検証によると、汗臭や足臭の代表的な臭気成分であるイソ吉草酸を速やかに抑える効果が認められ、頭皮臭抑制作用が確認されています(10)。
安全性
ハトムギ種子エキスについては20年以上の使用実績があり、日本薬局方及び医薬部外品原料規格2021に収載されています。
また、皮膚一次刺激性や皮膚累積刺激性については殆どなく、皮膚感作性についてもアレルギー性は殆どないと考えられているため、化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると言われています。
参考文献
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(2)杉田 浩一, 他（2017）「はとむぎ」新版 日本食品大事典,628-629.
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(6)日本皮膚科学会尋常性疣贅診療ガイドライン策定委員会（2019）「尋常性疣贅診療ガイドライン2019（第1版）」日本皮膚科学会雑誌(129)(6),1265-1292.
(7)日本メナード化粧品株式会社（2006）「NMF産生促進剤」特開2006-124350.
(8)株式会社ノエビア（1998）「抗アレルギー剤及びこれを含有する抗アレルギー性化粧料並びに食品」特開平10-36276.
(9)一丸ファルコス株式会社（2004）「化粧料組成物及び美容・健康食品組成物」特開2004-107286.
(10)小川香料株式会社（2017）「ヨクイニンエキス」技術資料.
ハトムギ種子エキスの配合目的
- フィラグリン産生促進による保湿作用
- ヒスタミン遊離抑制による抗アレルギー作用
- 表皮角化細胞増殖促進による細胞賦活作用
- イソ吉草酸抑制による体臭・頭皮臭抑制作用
ハトムギ種子エキスの安全性情報
日本語論文
ハトムギ「あきしずく」種子の生産・供給について : 福岡県 (特集 ハトムギ種子の生産・供給)
樺島 拓也 特産種苗 (33), 40-42, 2021-09
島根県出雲市斐川町におけるハトムギ生産の動向と種子の生産・供給 (特集 ハトムギ種子の生産・供給)
JAしまね斐川地区本部営農第一課 特産種苗 (33), 37-39, 2021-09
富山県におけるハトムギ生産振興の概要 (特集 ハトムギ種子の生産・供給)
河西 隆喜 特産種苗 (33), 31-36, 2021-09
栃木県におけるハトムギ種子「あきしずく」の生産・供給の現状 (特集 ハトムギ種子の生産・供給)
髙田 光紹 特産種苗 (33), 26-30, 2021-09
ハトムギ薬用品種「北のはと」種子の生産・供給 : 北海道 (特集 ハトムギ種子の生産・供給)
林 茂樹 特産種苗 (33), 22-25, 2021-09
ハトムギ全粒熱水抽出エキス(Coix-seed Reactive Derivatives:CRD) (特集 ハトムギ種子の生産・供給)
鈴木 信孝 特産種苗 (33), 12-21, 2021-09
手塚 隆久 特産種苗 (33), 8-11, 2021-09
高田 明子 , 西澤 けいと 特産種苗 (33), 5-7, 2021-09
ハトムギの国内生産状況と輸入の動向 (特集 ハトムギ種子の生産・供給)
三奈木 英雄 特産種苗 (33), 2-4, 2021-09
季 彪俊 , 新田 洋司 , 浅木 直美 , 塩津 文隆 , 西澤 麻佑 , ノーリ ズバール 日本作物学会関東支部会報 31(0), 46-47, 2016
ハトムギ種子中に含まれる抗変異原活性に関する研究(第2報) : 食品
高塚 由美子 , 阿部 直樹 , 菊地 智子 , 忍頂寺 晃嗣 , 冨田 敏夫 , 神尾 好是 日本農藝化學會誌 70(臨時増刊), 195, 1996-03-05
高塚 由美子 , 阿部 直樹 , 菊池 智子 , 忍頂寺 晃嗣 , 神尾 好是 日本農藝化學會誌 69(臨時増刊), 171, 1995-07-05
イネおよびハトムギ種子の登熟・発芽時におけるプロテアーゼとそのインヒビター(酵素-蛋白質・ペプチド関連酵素, 分解酵素-)
大坪 研一 , 川崎 信二 , 原田 久也 , 柳 園江 日本農藝化學會誌 62(3), 357, 1988-03-15
(187) ハトムギ種子から分離された病原糸状菌 (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
本間 宏基 , 八重樫 博志 , 横山 竜夫 , 山田 昌雄 日本植物病理學會報 48(3), 386, 1982-07-25
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本間 宏基 , 八重樫 博志 , 横山 竜夫 , 山田 昌雄 関東東山病害虫研究会年報 1982(29), 42-43, 1982
英語論文
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