表示名称成分詳細
ゲンノショウコ花/葉/茎エキス
成分番号(JP number): 560549
- INCI
- GERANIUM THUNBERGII FLOWER/LEAF/STEM EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、ゲンノショウコ Geranium thunbergii の花、葉及び茎のエキスである。Geranium Thunbergii Flower/Leaf/Stem Extract is the extract of the flowers, leaves and stems of Geranium thunbergii, Geraniaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 이질풀꽃/잎/줄기추출물
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
ゲンノショウコ花/葉/茎エキス / GERANIUM THUNBERGII FLOWER/LEAF/STEM EXTRACT
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスとは
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスは、フウロソウ科の植物であるゲンノショウコ(学名:Geranium thunbergii)の花や葉、茎から抽出された植物エキスです。抽出には、水やエタノール、1,3-ブチレングリコール(BG)またはこれらを混合した混合液が使用されています。
ゲンノショウコは、朝鮮半島、中国大陸などに分布しており、日本では北海道の草地や本州から九州の山間部に分布しています。日当たりの良い野原や道ばた、水田のあぜなどに自生している植物で、白い花を付ける白色系と、ピンク色を付ける紅色系が存在します。
ゲンノショウコは、ドクダミやセンブリなどの様に、日本では古くから民間薬の1つとして使用されてきました。ゲンノショウコの地上部には、健胃・整腸・止瀉作用などの効果があり、煎じた服用することで下痢止めに利用されています(1,2)。一方で、短く煎じた場合は、緩下薬として便秘薬としても活用されています(1,2)。
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスの成分は、天然成分であるため、国や地域、収穫する時期、抽出方法によって多少の差異は生じる可能性がありますが、タンニンやケルセチンなどのフラボノイド類が主に含まれています(1,2)。
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスに含まれるタンニンは、加水分解性タンニンの一種であるゲラニンをはじめ、多様な種類が含まれています。これらのタンニンにより、皮膚のタンパク質が収れんを起こすため、ゲンノショウコ花/葉/茎エキスには収れん作用があると報告されています(3)。また、この収れん作用により、制汗作用もあることが報告されています(3)。
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスは、上記のような作用を持っているため、肌の引き締めや化粧の崩れ防止を目的に、スキンケア化粧品、ボディケア製品、洗顔料や化粧下地などに使用されています。
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスの安全性に関して
皮膚への刺激性に関しては、安全性試験のデータからわずかな刺激が生じる場合があることが報告されています。よって、皮膚への刺激性に関しては、生じたとしてもわずかな刺激性であり、重大な刺激性が生じる可能性は低いと考えられます(3)。一方で、目への刺激性に関しては、安全性試験データが現時点で見当たらないため、詳細は不明です。
また、皮膚への感作性に関しては、医薬部外品原料規格2021に収載されていること、20年以上の使用実績の中で重大な皮膚への感作性に関しては報告がないため、一般的な使用を行っている条件では、皮膚への感作が生じる可能性は低いと考えられます。ただし、安全性試験データが現時点で見当たらないため、詳細は不明です。
参考文献
(1) 鈴木 洋(2011)「現之証拠(げんのしょうこ)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,132-133.
(2) 御影 雅幸(2013)「ゲンノショウコ」伝統医薬学・生薬学,171.
(3) ポーラ化成工業株式会社(1981)「皮膚化粧料」特開昭56-077215.
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスの配合目的
- 収れん作用
- 制汗作用
ゲンノショウコ花/葉/茎エキスの安全性情報
(1)より、皮膚刺激は非刺激-わずかな刺激が報告されているため、一般に皮膚刺激性は非刺激-わずかな刺激を引き起こす可能性があると考えられます。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
(2)より、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
(1)ポーラ化成工業の安全性試験データ
(2)医薬部外品原料規格2021
日本語論文
ゲンノショウコエキス配合止瀉剤の収斂作用および空腸粘膜の短絡電流に対する作用
大藤 和美 , 原 英彰 , 洲加本 孝幸 [他] , 山下 伸二 日本薬理学雑誌 111(4), 265-275, 1998-04-01 J-STAGE 医中誌Web 参考文献25件
ベルベリンおよびゲンノショウコの止しゃ作用に関する薬理学的研究
高瀬 英樹 [他] , 山本 和典 , 伊藤 敬三 , 弓岡 栄三郎 日本薬理学雑誌 102(2), 101-112, 1993 J-STAGE 医中誌Web 被引用文献1件
英語論文
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