表示名称成分詳細
オランダガラシ葉/茎エキス
成分番号(JP number): 560548
- INCI
- NASTURTIUM OFFICINALE LEAF/STEM EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、オランダガラシ Nasturtium officinale の葉及び茎のエキスである。Nasturtium Officinale Leaf/Stem Extract is the extract of the leaves and stems of the Watercress, Nasturtium officinale, Brassicaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 豆瓣菜(NASTURTIUM OFFICINALE)叶/茎提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 0.5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 물냉이잎/줄기추출물
- CAS No.
- 84775-70-2
- EC No.
- 283-899-4
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
オランダガラシ葉/茎エキス / NASTURTIUM OFFICINALE LEAF/STEM EXTRACT
オランダガラシ葉/茎エキスとは
オランダガラシ葉/茎エキスは、アブラナ科植物オランダガラシ(学名:Nasturtium officinale、英名:Watercress)の葉茎から得られる植物エキスです。黄色〜褐色の透明な液体で、わずかに特異臭があります。
オランダガラシ(和蘭芥子)は中部ヨーロッパ原産の多年草で、クレソンやウォータークレス、水芥子(みずがらし)などとも呼ばれます。日本には明治時代に渡来し、外国から渡来した辛みのある植物という意味でオランダガラシと名付けられました。当時は主に訪日外国人向けの料理に使用されていました。
オランダガラシは繁殖力が旺盛で、日本でも全国各地の湧水のある池や小川などの冷水に群生しています。茎を横に伸ばして節々より根を出し、水辺を埋めつくしてしまうこともあります。少量ではありますが、水田などで食用に栽培もされており、主に料理の付け合わせやサラダに使用されています(1)。
生薬としてのオランダガラシ
オランダガラシは古代ギリシャの時代から薬効豊かな植物として栽培されてきました。中国では「西洋菜干」という生薬名で、主に咳止めや解熱の漢方薬として用いられています。ブラジルではクレソンの成分を配合したせき止めシロップが大衆薬として販売されています。日本でも昔からクレソンにのどの痛みやせきをやわらげる効果があることが知られていました。
オランダガラシに含まれているイソチオシアン酸アリルには優れた抗酸化作用があります。のどや気管の炎症を抑える効果や、気管支の筋肉をやわらげて気道を広げる働きがあり、気管支炎やせきの改善に効果があります(2)。
また、オランダガラシには辛味成分のシニグリンが含まれています(3)。大根やワサビなどにも含まれているシニグリンには、血行促進、食欲促進、消化促進などの働きがあります。殺菌効果も強いので、食中毒の予防にも役立ちます。
オランダガラシ葉/茎エキスの成分
オランダガラシ葉/茎エキスの成分には、
・ビタミン類:β-カロテン、ビタミンC
・芥子油配糖体:gluconasturtiin, 2-phenylethyl isothiocyanate
・その他:sinigrin
などが含まれています(1),(3)。
オランダガラシ葉/茎エキスの化粧品への配合
オランダガラシ葉/茎エキスには血行促進作用、皮膚細胞の活性化作用、発毛促進作用などがあります。そのため、シャンプー、リンスやパックなど育毛用の頭皮用化粧品や、エイジングケア化粧品などに使用されています(3),(4)。
参考文献
(1) 杉田 浩一, 他 (2013)「クレソン」日本食品大事典 第3版, 133-134
(2) 主婦の友社 (2018) 「急性気管支炎」家庭の医学, 31
(3) 宇山 光男, 他 (2015)「オランダガラシ」化粧品成分ガイド 第6版, 192
(4) 鈴木一成 (2008)「オランダガラシエキス」化粧品成分用語事典2008, 201
オランダガラシ葉/茎エキスの配合目的
・血行促進作用
・皮膚細胞の活性化作用
・発毛促進作用
オランダガラシ葉/茎エキスの安全性情報
日本語論文
北海道美々川源頭部におけるオランダガラシ(Nasturtium officinale R. Br.)の生育環境について
山内 香澄 , 菊池 俊一 水草研究会会報 (74), 45-49, 2002-02
亀岡 弘 , 橋本 清二 日本農芸化学会誌 56(6), 441-443, 1982
アブラナ科小生野菜の研究-1-オランダガラシとその近縁種について
富野 耕治 名古屋女子大学紀要 (22), p51-55, 1976-03
除草剤による水田雑草「マツバイ」「スズメノテッポウ」「オランダガラシ」の同時防除法と残効について
菅原 義見 , 二瓶 信男 , 佐藤 久悦 , 及川 俊雄 日本作物学会東北支部会報 11(0), 53-54, 1969
滝口 きよ子 [他] , 大槻 喜恵子 ビタミン 38(4), 243-247, 1968
滝口 きよ子 [他] , 大槻 喜恵子 ビタミン 38(4), 239-242, 1968
英語論文
Camponogara C, Silva CR, Brusco I, Piana M, Faccin H, de Carvalho LM, Schuch A, Trevisan G, Oliveira SM.J Ethnopharmacol. 2019 Jan 30;229:190-204. doi: 10.1016/j.jep.2018.10.011. Epub 2018 Oct 17.PMID: 30339978 Free article.
Garden nasturtium (Tropaeolum majus L.) - a source of mineral elements and bioactive compounds.
Jakubczyk K, Janda K, Watychowicz K, Łukasiak J, Wolska J.Rocz Panstw Zakl Hig. 2018;69(2):119-126.PMID: 29766690 Free article. Review.