表示名称成分詳細
ステアロイルラクチレートNa
成分番号(JP number): 559390
- INCI
- SODIUM STEAROYL LACTYLATE
- 定義(Description)
- 本品は、ステアリン酸(*)と乳酸(*)とのエステルのナトリウム塩であり、次の化学式で表される。Sodium 2-stearoyllactate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 硬脂酰乳酰乳酸钠
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 7
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 소듐스테아로일락틸레이트
- CAS No.
- 25383-99-7 / 18200-72-1
- EC No.
- 246-929-7 / 242-090-6
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ステアロイルラクチレートNa / SODIUM STEAROYL LACTYLATE
ステアロイルラクチレートNaとは
[化粧品成分表示名称]
・ステアロイルラクチレートNa(改正名称)
・ステアロイル乳酸Na(旧称)
[医薬部外品表示名称]
・ステアロイル乳酸ナトリウム
ステアロイルラクチレートNa(Sodium Stearoyl Lactylate)は、炭素数18の高級脂肪酸であるステアリン酸と乳酸の二量体のエステルのナトリウム塩です。アシル乳酸塩型の陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)に分類されます。
医薬部外品表示名称としては「ステアロイル乳酸ナトリウム」という名前が使われています。
界面活性剤としてのステアロイルラクチレートNa
親水基として乳酸塩を含んでいるステアロイルラクチレートNaは、陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)に分類されます。
アニオン界面活性剤は、一般に起泡性・浸透力・分散力に優れているという特徴があります。油への溶解性は低いため、一般にはノニオン界面活性剤よりも乳化力が劣ります(1)。
ステアロイルラクチレートNaは、食品の製造加工における乳化剤や安定剤などとして広く食品添加物に使用されています。小麦に含まれるグルテンタンパクのネットワーク形成を安定化させ、生地を強化させる働きがあることから(2)、主にパンや焼き菓子、パスタやうどんなどのめん類などに使用されています。
ステアロイルラクチレートNaの化粧品への配合
ステアロイルラクチレートNaは、主に乳化剤としての作用が知られています。エマルションの基本構造には、水の中に油滴が分散したO/W型(Oil in Water type)と、油の中に水滴が分散したW/O型(Water in Oil type)があります。ステアロイルラクチレートNaはO/W型およびW/O型の乳化剤として働くという特徴があります(3)。これらの性質から、主にスキンケア製品やベースメイク化粧品、洗顔料などに使用されています。
Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で処方された場合のステアロイルラクチレートNaの安全性が結論づけられています(2)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2019年時点で、ステアロイルラクチレートNaを配合している製品の登録数は合計358で、そのうちリーブオン製品は334製品、リンスオフ製品は24製品でした(2)。
製品への含有量について2017年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、ステアロイルラクチレートNaはリーブオン製品で0.00011%から7%、リンスオフ製品で0.00011%から0.02%の配合率で使用されていました(2)。
参考文献
- 野々村美宗 (2015)「アニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 43-48
- Cosmetic Ingredient Review (2019)「Safety Assessment of Alkanoyl Lactyl Lactate Salts as Used in Cosmetics」Final Report
- 鈴木一成(2008)「ステアロイル乳酸ナトリウム」化粧品成分用語事典2008, 412
ステアロイルラクチレートNaの配合目的
- 乳化剤
ステアロイルラクチレートNaの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR774.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Ortiz-Tafoya MC, et al. Data Brief. 2018.PMID: 29900364 Free PMC article.
Jensen CD, et al. Contact Dermatitis. 2005.PMID: 16033408 No abstract available.
Wang FC, et al. J Colloid Interface Sci. 2016.PMID: 27554171 Review.
Li G, et al. Food Funct. 2021.PMID: 34698749
Formulation and stability of whitening VCO-in-water nano-cream.
Al-Edresi S, et al. Int J Pharm. 2009.PMID: 19429303