表示名称成分詳細
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル
成分番号(JP number): 559092
- INCI
- DIPENTAERYTHRITYL HEXAHYDROXYSTEARATE/HEXASTEARATE/HEXAROSINATE
- 定義(Description)
- 本品は、ヒドロキシステアリン酸(*)、ステアリン酸(*)及びロジン(*)から得られる酸の混合脂肪酸とエリスリトールの二量体とのヘキサエステルである。Dipentaerythrityl Hexahydroxystearate/Hexastearate/Hexarosinate is the hexaester of 6-hydroxystearic acid stearic acid derived from Rosin and a dimer of pentaerythritol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 二聚季戊四醇六羟基硬脂酸酯/六硬脂酸酯/六松脂酸酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 37
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 다이펜타에리스리틸헥사하이드록시스테아레이트/헥사스테아레이트/헥사로지네이트
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル / DIPENTAERYTHRITYL HEXAHYDROXYSTEARATE/HEXASTEARATE/HEXAROSINATE
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルとは
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルは、油性成分である、混合脂肪酸から構成され、淡褐色のペースト状エステル油です。
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルは化粧品成分表示名称で定められており、医薬部外品表示名称ではジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)となっています。
構造に多価アルコールであるジペンタエリスリトールをもっています。
ジペンタエリスリトールは糖アルコールの一種であるペンタエリトリトールが2つ結合した化合物です。
その他には、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸が構造に含まれています。
ステアリン酸は、脂肪酸の中でも二重結合を含まない酸化安定性の高い飽和脂肪酸であり、炭素数が18の高級脂肪酸です。
ヒドロキシステアリン酸は、水素添加ヒマシ油の脂肪酸であり、12位の水酸基は光学活性を示します。
化粧品や界面活性剤として利用され、石けんやポマード等に使用されます(4)。
ロジン酸は別名アピエチン酸と呼ばれており、松脂(ロジン)の天然樹脂成分です(3)。
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルの溶解性は、低極性エステル、高極性エステル、植物油、ヒマシ油、流動パラフィンに可溶であり、水には不溶です(1)。ただし、抱水性をもつことから、少量の水と混ざることは可能です(2)。
化粧品成分としては、油性成分としてベース成分、またエモリエント作用、光沢付与を目的に使用されます。
化粧品製品としては、メイクアップ化粧品、スキンケア化粧品、ヘアケア製品、洗顔料などに使用されています。
エモリエント作用
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルの特徴である粘性と、少量の水と混ざる抱水性により、皮膚表面へ広がることで角質層を閉塞させ、角質層からの水分蒸発作用を抑制します。
ベース成分
化粧品のベース成分としては、水性成分、油性成分、界面活性剤、顔料・粉体成分のうち、油性成分として使用され、角質層からの水分蒸発抑制作用であるエモリエント作用を目的に使用されます。
また、エモリエント作用だけでなく、光沢の付与、コンディショニング作用を目的に選ばれるベース成分です。
光沢付与
樹脂成分であるロジン酸が含まれており、光沢性をもちます。
化粧品への艶感を付与できるため、口紅、スタイリング剤などに使用されています(1)。
安全性
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルは10年以上の使用実績があり、医薬部外品原料規格に収載されています。
一般の使用であれば安全と言われています。
しかし、現在は皮膚刺激、皮膚感作、眼刺激などを確認した試験のデータは見当たりません。
使用実績、期間から考えると皮膚感作等の報告も現在はありません。現状ではアレルギーの発現は低いと考えられますが、さらなる実験と報告に注意が必要です。
参考文献
(1) 日清オイリオグループ株式会社(2010)「コスモール168AR,コスモール168ARV」資料.
(2) 化粧品成分ガイド 第6版. (2015). (n.p.): フレグランスジャーナル社.
(3) 昭和化学株式会社 安全データシート(SDS)「松脂(ロジン)」〈http://www.st.rim.or.jp/~shw/MSDS/18055350.pdf 令和3年11月9日アクセス〉
(4) 太田靜行。「油のゲルも。」調理科学18.2(1985):94-98
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルの配合目的
- 角質層からの水分蒸発抑制作用(エモリエント作用)
- 光沢付与
- 塗布された皮膚、髪のコンディショニング作用
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルの安全性情報
日本語論文
なし
英語論文
なし