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表示名称成分詳細

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na

成分番号(JP number): 559088

INCI
TRISODIUM ASCORBYL PALMITATE PHOSPHATE
定義(Description)
本品は、次の化学式で表されるアスコルビン酸誘導体である。Trisodium Ascorbyl Palmitate Phosphate
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
抗坏血酸棕榈酸酯磷酸酯三钠
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1.1
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
트라이소듐아스코빌팔미테이트포스페이트
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na / TRISODIUM ASCORBYL PALMITATE PHOSPHATE

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naとは

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naとは

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは、ビタミンC誘導体の一種です。水溶性ビタミンC誘導体は油溶性ビタミンCに比べて皮膚浸透性が劣りますが、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは高級脂肪酸であるパルミチン酸を付加することで親油性も兼ね備え、皮膚浸透性を向上させたビタミンC誘導体として知られています。

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naの効果

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは、皮膚への色素沈着の黒化メラニンが生合成を防止することが報告されています(1)。

2015年に昭和電工によって公開されたパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naのメラニン産生抑制検証試験では、ケラチノサイトとメラノサイトを共培養した3次元培養皮膚モデルにパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naを投与し、2週間培養後に生成したメラニンが定量されました。

結果、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naを添加した場合、無添加と比較して明らかに淡色化を示し、メラニン産生抑制による色素沈着抑制作用が確認されました(1)。

またパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは、皮膚への色素沈着に深く関係しているチロシナーゼの活性を阻害することも報告されています(2)。

こちらも2004年に昭和電工によって実施されたパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naのチロシナーゼ活性阻害検証試験では、B16マウスメラノーマおよびヒトメラノーマ細胞由来酵素抽出液にパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naを添加し、ドーパを基質として反応させられました。

結果、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naには、濃度依存的なチロシナーゼ活性阻害が確認され、色素沈着抑制に有効であることが確認されました(2)。

さらにパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは、生体に悪影響を及ぼす活性酸素を除去する効果があることが報告されています(1)。

2004年に昭和電工によって実施された水溶性ビタミンC誘導体の活性酸素消去能の比較検証試験では、ヒト皮膚再構築モデルの角層側にパルミチン酸アスコルビルリン酸3Nやリン酸アスコルビルMg、アスコルビルリン酸NaなどのビタミンC誘導体を投与し、37℃で2時間保持後、紫外線UVBおよびUVA照射下で活性酸素除去効果が測定されました。

結果、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naには、リン酸アスコルビルMg、アスコルビルリン酸Naと同等の顕著な活性酸素除去能が確認されました(1)。

その他にもパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naには、ハリのある若々しい肌を維持するために重要であるコラーゲンの産生を促進する効果や、乾燥によるシワを目立たなくする効果を有していることが報告されており、肌の改善にも効果的という報告がなされています(1)(2)。

参考文献

(1) 加藤 詠子, 他(2015)「親油性を付与した水溶性ビタミンC誘導体:パルミチン酸アスコルビルリン酸(APPS)」Fragrance Journal(43)(9),51-55.

(2) 加藤 詠子, 他(2004)「第ニ世代プロビタミンC」Fragrance Journal(32)(2),55-60.

昭和電工

https://www.sdk.co.jp/products/43/58/1147/detail.html

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naの配合目的

  • チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用
  • メラニン産生抑制による色素沈着抑制作用
  • ヒドロキシラジカル消去能による抗酸化作用
  • コラーゲン合成促進による抗老化作用
  • 抗しわ作用

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naの安全性情報

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

開発元の昭和電工の安全性報告(1)によると、高い安全性を有した化合物であると記載されています。

安全性の報告をみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

参考文献

  1. 加藤 詠子, 他(2004)「第ニ世代プロビタミンC」Fragrance Journal(32)(2),55-60.

日本語論文

英語論文