表示名称成分詳細
クララ根エキス
成分番号(JP number): 558984
- INCI
- SOPHORA ANGUSTIFOLIA ROOT EXTRACT、SOPHORA FLAVESCENS ROOT EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、クララ Sophora angustifolia の根のエキスである。[Sophora flavescense]
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 苦参(SOPHORA ANGUSTIFOLIA)根提取物, 苦参(SOPHORA FLAVESCENS)根提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 4, (苦参(SOPHORA FLAVESCENS)根提取物)【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 8.3333, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2.126
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
- 164288-54-4(SOPHORA ANGUSTIFOLIA ROOT EXTRACT)
- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
クララ根エキス / SOPHORA ANGUSTIFOLIA ROOT EXTRACT、SOPHORA FLAVESCENS ROOT EXTRACT
クララ根エキスとは
クララ根エキスは、マメ科の植物であるクララ(学名:Sophora flavescens = Sophora angustifolia)の根や周皮を除いた根の部分から抽出した植物エキスです。抽出には、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール(BG)や酢酸エチルまたはこれらを混合した液体を用いて行っています。
クララは、多年性草本であり、日当たりの良い野山に自生しています。中国や朝鮮半島をはじめ、日本でも長野県や富山県、徳島県などにも分布しています(1)。草丈は60cm〜150cmになり、6〜7月に茎の先に総の形に花をつけます(総状花序)。
クララの根は、クジン(苦参)として漢方で用いられています。クジンは、湿疹や皮膚の化膿症、女性の陰部のかゆみなどの皮膚病に対して外用します(2)。また、消炎や細菌による下痢症、利尿などの目的で内服もされます(2)。漢方処方としては三物黄芩湯や消風散等に配合されます。
クララ根エキスの成分は、天然成分であるため、国や地域、時期や抽出方法によって多少の差が生じてしまいますが、概ねマトリンなどのアルカロイド系成分とクラリノールやクラリジン、マーキアインなどのフラボノイド系の成分から構成されています(1、3、4、5)。
上記のフラボノイド系成分には、抗真菌作用が、イソフラボノイドには抗アレルギー作用があることが報告されています(3)。また、一丸ファルコス株式会社の研究から抗菌作用もあることが報告されています(5)。
上記に示したように、クララ根エキスには抗菌作用があるため皮膚の炎症に関係が深い黄色ブドウ球菌やニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖抑制目的で、スキンケア化粧品などに使用されています(5)。加えて、抗真菌作用もあるため、真菌が原因になるフケを抑える目的で頭皮ケア製品にも使用されています(5)。
また、クララ根エキスには、シミの原因になるメラニン色素を増やすチロシナーゼと呼ばれる酵素の働きを抑える作用があるため、色素沈着抑制目的でシート&マスク製品やボディ&ハンドケア製品などにも使用されています(6)。
クララ根エキスの安全性に関して
皮膚への刺激性に関しては、安全性データから刺激性なしと報告されているため、皮膚への刺激性が生じる可能性は低いと考えられます(5)。一方で、目への刺激性に関しては安全性データ見当たらないため、現時点では不明です。
皮膚への感作性に関しては、日本薬局方および医薬部外品原料規格2021に収載されていること、20年以上の使用実績がり、重大な皮膚感作に関する報告が見当たらないため、一般的な使用条件では皮膚感作が起こる可能性は低いと考えれます。しかし、安全性データが見当たらないため、詳細は不明です。
参考文献
(1) 鈴木 洋(2011)「苦参(くじん)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,108-109.
(2) 根本 幸夫(2016)「苦参(クジン)」漢方294処方生薬解説 その基礎から運用まで,47-48.
(3) 御影 雅幸(2013)「クジン」伝統医薬学・生薬学,175.
(4) 竹田 忠紘, 他(2011)「クジン」天然医薬資源学 第5版,219-220.
(5) 一丸ファルコス株式会社(1996)「クジン抽出物含有抗菌・防腐剤及び化粧料」特開平8-73364.
(6) ポーラ化成工業株式会社(2001)「α-MSH抑制用の皮膚外用剤」特開2001-163728.
クララ根エキスの配合目的
- アクネ菌および黄色ブドウ球菌生育阻害による抗菌作用
- マラセチア菌生育阻害による抗フケ作用
- α-MSH阻害による色素沈着抑制作用
- 外毛根鞘細胞増殖促進による育毛作用
クララ根エキスの安全性情報
(1)より、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
(2)より、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
(1)一丸ファルコスの安全性データ
(2)日本薬局方および医薬部外品原料規格2021
日本語論文
なし
英語論文
Komatsu M, et al. Yakugaku Zasshi. 1970.PMID: 5463478 Japanese
Singh SK, et al. Exp Dermatol. 2013.PMID: 23278898