表示名称成分詳細
ラウロイルラクチレートNa
成分番号(JP number): 558931
- INCI
- SODIUM LAUROYL LACTYLATE
- 定義(Description)
- 本品は、ラウリン酸(*)と乳酸(*)の2量体とのエステルのナトリウム塩であり、次の化学式で表される。Sodium 2-(1-carboxylatoethoxy)-1-methyl-2-oxoethyl laurate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 月桂酰乳酰乳酸钠
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 10, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1.25
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 소듐라우로일락틸레이트
- CAS No.
- 13557-75-0
- EC No.
- 236-942-6
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ラウロイルラクチレートNa / SODIUM LAUROYL LACTYLATE
ラウロイルラクチレートNaとは
ラウロイルラクチレートNaは炭素数12の高級脂肪酸であるラウリン酸と乳酸の二量体のナトリウム塩をエステル化することで得られ、アシル乳酸塩(AL:Acyl Lactate)に分類される分子量366.43の陰イオン界面活性剤です(1)。
化粧品成分表示名称は「ラウロイルラクチレートNa」、医薬部外品表示名称は「ラウロイル乳酸ナトリウム」となっています。なお、成分番号は558931、INCI名はSodium Lauroyl Lactylateとされています(2)。
働きと用途
ラウロイルラクチレートNaは化粧品成分として界面活性剤に分類されており、その作用を目的として、スキンケア化粧品やハンドケア製品、シャンプー製品、洗顔料、クレンジング製品を始めとした様々な製品に使用されています。
乳化
乳化とは、1つの液体の中にその液体と溶け合わない別の液体を微細な粒子の状態にして均一に分散させることを言います(3)。
この分散した状態になった溶液をエマルションと言い、水の中に油が微細粒子状に分散している水中油滴型(O/W型:Oil in Water type)と油の中に水が微細粒子状に分散している油中水滴型(W/O型:Water in Oil type)の2種類があります(3)。
ちなみにこのエマルションは食品分野にも深く関係しています。例えば牛乳や生クリーム、マヨネーズなどはO/W型エマルション、バターやマーガリンなどはW/O型エマルションの製品として知られています。
ラウロイルラクチレートNaはO/W型エマルションであり、化粧品用エマルションとして界面活性剤に活用されています。
界面活性剤は乳化作用に加え、浸透作用や分散作用をもち、この3つの作用が総合的に働き汚れを落とす効果などを発揮します(4)。
ラウロイルラクチレートNaの界面活性剤の水と油の親和性を示す指標であるHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance:親水親油バランス)は14.4であることから、親水性が高いという性質があり、シャンプー製品やスキンケア製品などに配合されています(5)。
安全性について
ラウロイルラクチレートNaは1970年代から使用実績があり、医薬部外品原料規格2021にも収載されています。
また、眼刺激性については殆どないものの、皮膚刺激性については5%濃度以下における使用では殆ど刺激がない、または軽度の皮膚刺激があると考えられます(6)。 さらに皮膚感作性(アレルギー性)についても弱い皮膚感作が起こる可能性があると考えられています(6)。
しかし、いずれも軽度な症状であり、化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると言われています。
参考文献
(1)“Pubchem”(2019)「Sodium lauroyl lactylate」,https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Sodium-lauroyl-lactylate 2021年12月14日アクセス.
(2)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2021年12月14日アクセス.
(3)田村 健夫, 他(1990)「乳化作用」香粧品科学 理論と実際 第4版,270-273.
(4)花王 | 製品Q&A | 界面活性剤とは? (kao.com),https://www.kao.com/jp/qa/detail/16751/ 2021年12月14日アクセス.
(5)野々村 美宗(2015)「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.
(6)Cosmetic Ingredient Review(2019)「Safety Assessment of Alkanoyl Lactyl Lactate Salts as Used in Cosmetics」Final Report.
ラウロイルラクチレートNaの配合目的
- 乳化
ラウロイルラクチレートNaの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR774.pdf
日本語論文
<i>N</i>-アシル-<i>N</i>-(2-ヒドロキシエチル)-<i>β</i>-アラニン塩のアミノ酸系界面活性剤:その特異な界面挙動とシャンプーへの応用
松江 由香子 , 森川 稔之 , 下瀬川 紘 , 礒辺 真人 , 藤田 博也 日本化粧品技術者会誌 55(2), 169-175, 2021 J-STAGE
山口 能宏 , 中村 牧 , Lina BIAN , Xiaolin LI , Lu QIU 日本トキシコロジー学会学術年会 37(0), 237-237, 2010 J-STAGE
英語論文
Manganese in Diagnostics: A Preformulatory Study.
Sguizzato M, et al. Pharmaceutics. 2022.PMID: 35057004
Lensing M, et al. Poult Sci. 2010.PMID: 20952703 Free article.