表示名称成分詳細
ポリクオタニウム-61
成分番号(JP number): 558227
- INCI
- POLYQUATERNIUM-61
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される4級アンモニウム塩である。2-Methyl-2-propenoyloxyethyl N,N,N-trimethylammonioethyl phosphate inner salt, polymer with octadecyl 2-methyl-2-propenoate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 聚季铵盐-61
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1.32
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 폴리쿼터늄-61
- CAS No.
- -
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ポリクオタニウム-61 / POLYQUATERNIUM-61
ポリクオタニウム-61とは
ポリクオタニウム-61は、ホスファチジルコリンの極性基をもつ2-メタクロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ステアリルを重合した平均分子量約10万の疎水性重合体(ポリマー)です。
1種類の単量体(モノマー)が、鎖状、網状に重合したものを多量体(ポリマー)と言います。
ヒアルロン酸の2倍の保湿力があるといわれ、実験データによると、肌へ塗布後に水洗いしても水分保持機能がヒアルロン酸を大きく上回っていることが報告されています。
元々人口血管の内側に使用するために開発された高分子素材であるため皮膚への刺激を少なく、乾燥肌や敏感肌向けのスキンケア製品やボディケア製品に使用されています(1)。
また、油溶性のためファンデーションや口紅などの水がほとんど含まれない化粧品に配合可能です(2)。
角層機能改善作用
日油によって報告されたデータによると(3)、ポリクオタニウム-61を含む多価アルコール溶液の塗布による経表皮水分損失量、角層水分量を測定したところ、ヒアルロン酸、スクワラン以上に角層機能が大幅に改善しました。
多価アルコール溶液はほとんど変化がなかった一方でポリクオタニウム-61は有意に経表皮水分蒸散量が減少しました。
以上から、ポリクオタニウム-61は角層のバリア機能と保水力の双方に作用するはたらきがあると考えられます。
表面処理
ポリクオタニウム-61は疎水性重合体(ポリマー)のため、被覆処理すると粉体表面に撥水性が付与される上に、優れた生体適合性をもつことから高い安全性を示します(3)。
帯電防止
水道水やシャンプーは一般的に弱酸性(pH5-6)で、ぬれた毛髪の表面はマイナスに帯電します。
ポリクオタニウム-61は、分子中に親水部分と疎水部分が存在することから界面活性能を有しており、毛髪の静電気発生を防止すると考えられます。そのため、静電気の発生抑制目的でアウトバスヘアトリートメント・ヘアケア製品などに配合されます。
毛髪修復作用
ポリクオタニウム-61は、ダメージ毛髪に塗布することによって毛髪表面にバリア層を作ることで、健康毛に近い高い撥水性を取り戻す働きがあります(4)。
安全性について
化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、ポリクオタニウム-61は『医薬部外品原料規格2021』に掲載されています。
- 『医薬部外品原料規格2021』
一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いております。
これまで、ポリクオタニウム-61は化粧品の原料として10年以上使用されている実績があます。
現在、ポリクオタニウム-61は安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。
参考文献
- 鈴木一成「化粧品成分用語事典2012」(2012)
- 宇山光男、 岡部美代治、 久光一誠 「化粧品成分ガイド 第6版」 (2015)
- https://www.nof.co.jp/cosmeticlounge/material/pdf/lipidure03.pdf (2019)
- https://www.starlab.co.jp/oem/item-list/cosmetics/sokkan-treat.html (2022年1月12日アクセス)
ポリクオタニウム-61の配合目的
- バリア機能改善作用
- 表面処理
- 帯電防止
- 毛髪修復作用
ポリクオタニウム-61の安全性情報
- ポリクオタニウム-61は、外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載されています(1)。
- Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(2)によると、試験データ(3)では皮膚刺激性、皮膚感作性は認めず、ポリクオタニウム-61の皮膚刺激性、皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
参考文献
(1)医薬部外品原料規格2021(https://www.mhlw.go.jp/content/000843321.pdf)
(2)Safety Assessment of Acryloyloxyethyl Phosphorylcholine Polymers as Used in Cosmetics(https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/TR820.pdf)
(3)Consumer Product Testing Co. 2005. Guinea pig adjuvant and patch test Lipidure-S (Polyquaternium-61). Unpublished data submitted by the Personal Care Products Council on June 11, 2021.
日本語論文
なし
英語論文
なし