表示名称成分詳細
スクレロカリアビレア種子油
成分番号(JP number): 558002
- INCI
- SCLEROCARYA BIRREA SEED OIL
- 定義(Description)
- 本品は、Sclerocarya birrea の種子から得られる脂肪油である。Sclerocarya Birrea Seed Oil is the oil expressed from the seeds of the Sclerocarya birrea, Anacardiaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 伯尔硬胡桃(SCLEROCARYA BIRREA)籽油
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 99.8
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 마룰라씨오일
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
スクレロカリアビレア種子油 / SCLEROCARYA BIRREA SEED OIL
スクレロカリアビレア種子油とは
ウルシ科植物マルーラ(学名:Sclerocarya birrea)の種子から得られる植物油です。
生産地の多くを占めるアフリカにおいて「神聖の木」とも呼ばれているマルーラは、伝統的に食品・飲料、伝統薬の原料、化粧料に利用されています。
マルーラは平均高さ7-17mまで成長するウルシ科の高木であり、エレファントツリーとも呼ばれています。
サブサハラ地域およびマダガスカルの暑く乾燥した気候帯に分布しています。
種子から発芽させた場合は果実が結実するまでに8~10年かかり、接木を行った場合は4~5年かかると言われていますが、砂質やローム質の土壌でよく成長します。
果実は成熟する前に地面に落ちてしまいますが、落ちた段階では外皮はまだ緑色で果実も硬い状態です。その後熟すと濃い黄色に変わり、半透明のやや白っぽい果肉になります。
使用用途は豊富で、果肉を絞ったジュースとそれを発酵させたアルコール飲料、幹を利用した伝統薬や木材工芸品など生産地域での限られた利用に加えて、ドライフルーツ、リキュールとして世界中で販売されています。
近年では、マルーラの仁から搾油されできるマルーラオイルがビタミンC・Eやオレイン酸などを多く含むため、アンチエイジングに効果がある機能性オイルとして期待されています。
成分組成として脂肪酸が豊富で、オレイン酸(70%)、パルミチン酸(13%)、ステアリン酸(8%)、リノール酸(7%)を含みます。
最も多く含まれるオレイン酸は酸化安定性の高い脂肪酸であり、人間の皮脂成分に近く、保湿力が高いことが知られています。
さらに、他の美容成分が肌に浸透するのをサポートすることから、古くから美容オイルに利用されています。
皮膚親和性が高く、展延性に優れる特徴を持つことから、のびや馴染みが良く、べたつきの少ない使用感は肌に塗布することでハリや潤いを与えることが期待されます。
オレイン酸の他にも抗酸化物質の含有量が非常に高いことから、オリーブオイルやアルガンオイルよりも高い抗酸化力があるといわれており、エイジングケアに欠かせないシミやシワ改善効果、育毛効果などが期待されます。
またポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンを含むことから、抗ヒスタミン作用がある唯一のオイルとも言われています。
プロアントシアニジンは、かゆみや炎症をともなうアレルギー性皮膚炎などの鎮静化が期待され、赤ちゃんや敏感肌の人でも安心して使える優しいオイルであると言われています。
上記よりスキンケア化粧品をはじめとしてボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、リップ製品、洗顔料&洗顔石鹸、洗浄製品、ネイル製品など幅広く使用されています(1),(2)。
参考文献
(1) Baatile Komane, et al(2015)「Safety and efficacy of Sclerocarya birrea (A.Rich.) Hochst (Marula) oil: A clinical perspective」Journal of Ethnopharmacology(176)(24),327-335.
(2) M. Athar, et al(2005)「Taxonomic perspective of plant species yielding vegetable oils used in cosmetics and skin care products.」African Journal of Biotechnology (4),36-44.
参考URL
- “途上国森林ビジネスデータベース”(2016)「マルーラオイル/マルラオイル」https://jifpro.or.jp/bfpro/product/1766/
- ビタミンC60バイオリサーチ株式会社ホームページより製品情報参照
その他機能性原料 | ビタミンC60バイオリサーチ (vc60.com)
- 化粧品成分オンライン
スクレロカリアビレア種子油とは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
スクレロカリアビレア種子油の配合目的
- エモリエント効果
経表皮水分蒸散抑制および角質水分量増加によるエモリエント効果が期待されます。
- 感触改善効果
高い展延性および皮膚親和性により、感触改善効果が期待されます。
スクレロカリアビレア種子油の安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS577.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Etim AO, Musonge P, Eloka-Eboka AC.J Oleo Sci. 2021;70(1):77-93. doi: 10.5650/jos.ess20258.PMID: 33431775 Free article.
Physico-chemical composition and characterisation of the seed and seed oil of Sclerocarya birrea.
Ogbobe O.Plant Foods Hum Nutr. 1992 Jul;42(3):201-6. doi: 10.1007/BF02193927.PMID: 1502123
Characterization and viscosity parameters of seed oils from wild plants.
Eromosele CO, Paschal NH.Bioresour Technol. 2003 Jan;86(2):203-5. doi: 10.1016/s0960-8524(02)00147-5.PMID: 12653289