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イタドリ根エキスとは

タデ科植物イタドリ（学名：Fallopia japonica = Polygonum Cuspidatum 英名：Japanese knotweed）の根から水、エタノール、またはこれらの混液で抽出して得られる抽出物（植物エキス）です。

特徴

イタドリは、アジアと北アメリカに広く分布しているタデ科植物です。

インドや東南アジアでは、乾燥した葉がタバコの一種として使われ、日本人はその茎を食料として食べてきました。

一方、中国では、乾燥した根は、抗炎症性疾患、肝炎、下痢などの状態の伝統的な漢方薬で広く利用されています(1)。

化学的性質

イタドリ根のエタノール抽出物には、アントラキノンやフラボノイドなどの有用な機能性成分が含まれています(9)(10)。そのため、機能性食品の機能性成分としての利用が期待されています(2)。

他にも、アントラグリコシドB、フィシオン、ピセイド、エモジン、レスベラトロールが含まれています。アントラキノンは芳香族に属する有機化合物です。アントラセンの誘導体になります。黄色から薄い灰色、もしくは緑がかった灰色をしていて、結晶性の粉末です。アロエなどの植物に含まれていて、また菌や藻類、昆虫などにも存在しています。着色の原因となっている物質です。

フラボノイドとはポリフェノールの一種で天然に存在する有機化合物群の植物色素の総称です。フラボノイドの種類は4,000を超えます。最近では人の体の特定の生理調節機能に働きかけるので、機能性成分として注目されています。

最近、レスベラトロール（3,5,4'-トリヒドロキシスチルベン）が機能成分の1つであることが判明しました(3)。

レスベラトロールは、ブドウや赤ワインに含まれる天然に存在するリングポリフェノールファイトアレキシンであり、その含有量は環境条件によって異なります(4)。

レスベラトロールおよび関連する植物化学物質は、抗酸化作用、抗炎症作用、抗癌作用、および脂質代謝の改善効果があることが示されました(5)。

レスベラトロールとそのグルコシドは、イタドリの根に高濃度で存在します(6)。レスベラトロールは抗菌作用と抗真菌作用を持っているという報告があります(11)。しかし、レスベラトロールを含むイタドリのポリフェノール化合物の組成の概要は詳細に理解されていません。

また、ハーブであるイタドリは、喘息、高血圧、咳、アテローム性動脈硬化症の治療によく見られます(7)(8)。

参考文献

(1)Sukala KB, Katta VK, Gottumukkala VS. 2005. Estima tion of trans-resveratrol in herbal extracts and dosage forms by high-performance thin-layer chromatography. Chem Pharm Bull 53: 691-693.

(2) Qian G, Leung SY, Lu GH, Leung KSY. 2006. Differentia tion of rhizome et radix Polygoni cuspidati from closely related herbs by HPLC fingerprinting. Chem Pharm Bull 53: 1179-1186.

(3) Juhasz B, Varga B, Gesztelyi R, Kemeny-Beke A, Zsuga J, Tosaki A. 2010. Resveratrol: a multifunctional cytopro tective molecule. Curr Pharm Biotechnol 11: 810-818.

(4) Mattivi F. 1993. Solid phase extraction of trans-resver atrol from wines for HPLC analysis. Z Lebensm Unters Forsch 196: 522-525.

(5) Lu CC, Lai HC, Hsieh SC, Chen JK. 2008. Resveratrol ameliorates Serratia marcescens-induced acute pneu monia in rats. J Leukoc Biol 83: 1028-1037.

(6) Blanka B, Maritin A, Katerina O, Josef K, Milan K. 2008. Analysis of selected stilbenes in Polygonum cuspidatum by HPLC coupled with CoulArry detection. J Sep Sci 31: 2404-2409.

(7)Yi T, Zhang H, Cai Z (2007) Analysis of rhizoma polygoni cuspidati by HPLC and HPLC-ESI/MS. Phytochem. Anal., 18, 387-392 (2007).

(8)Duh PD, Lin TP, Huang SC, Chen SY, Chu CC, Chen JY, Chen CH.Anti-Proliferative and Apoptotic Effects of Polygonum cuspidatum and its Bioactive Compound, Emodin, in Colorectal Carcinoma HT-29 cells. Int. J.Food Nutr. Sci., 5, 16-24 (2018).

(9)Xiao K, Xuan L, Xu Y, Bai D, Zong D. Constituents from Polygonum cuspidatum. Chem. Pharm. Bul., 50, 605-608 (2002).

(10)Chu X, Sun A, Liu R. Preparative isolation and purification of five compounds from the Chinese medicinal herb Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc by high-speed counter-current chromatography. J. Chromatogr. A., 1097, 33-39 (2005).

(11)M. Kubo, Y. Kimura, H. Shin, H. Haneda, T. Tani, and K. Namba, Shoyakugaku Zasshi, 35(1), 58(1981).