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表示名称成分詳細

アカツメクサ花

成分番号(JP number): 557715

INCI
TRIFOLIUM PRATENSE FLOWER POWDER
定義(Description)
本品は、アカツメクサ Trifolium pratense の花である。Trifolium Pratense Flower Powder is the powder obtained from the dried, ground flowers of Trifolium pratense.
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
红车轴草(TRIFOLIUM PRATENSE)花末
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.1
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
붉은토끼풀꽃가루
CAS No.
85085-25-2 (generic)
EC No.
285-356-7
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

アカツメクサ花 / TRIFOLIUM PRATENSE FLOWER POWDER

アカツメクサ花とは

アカツメクサ花はマメ科トリフォリウム属のアカツメクサ (学名:Trifolium pratense)の花です(1)。

なお、化粧品成分表示名称は「アカツメクサ花」であり、成分番号は557715、INCI名はTrifolium Pratense (Clover) Flower Powderとされています(1)。

原料となるアカツメクサはムラサキツメクサや紅ウマゴヤシ、レッドクローバーとも呼ばれ、日本には寒地型牧草として北海道を中心に明治以降に移入されたと言われています(2)。

アカツメクサは日当たりの良い環境を好み、現在では全国の畑や樹園地、畦畔、公園などでも見られます(2)。

また、アカツメクサの原産地はトルコおよびヨーロッパ南東部であり、16世紀以降にはヨーロッパ全域で緑肥や牧草として栽培されるようになりました(2)。 このアカツメクサの栽培により、冬は小麦、夏はマメ類や緑肥や牧草の栽培を行う地力維持を目的とした輪栽式農業の確立が進み、農業の発展に大きな貢献を果たしたことでも知られています(2)。

さらにアカツメクサの花にはビオカニンAという成分が含まれていることでも知られ、男性型脱毛症(AGA)の原因となる酵素や男性ホルモンの生成を促す5αリダクターゼの生成を抑制することから、その育毛(脱毛の防止)効果にも注目が集まっています(3)。

働きと用途

アカツメクサ花の配合目的は剥離剤となっており、以下の作用を有すると考えられます(4)。

角質剥離作用

表皮最下層で生成された表皮細胞は新しい表皮細胞が作られるたびに皮膚表面へ押し上げられていき、最後にはケラチンで構成される角質細胞となります(5)。

この角質細胞は角質上層で活性化するタンパク質分解酵素であるセリンプロテアーゼやアスパラギン酸プロテアーゼであるカテプシンDによって細胞間の結合を分解され、最終的に垢やフケといった形で剥がれ落ちるという正常なターンオーバーにより皮膚は新鮮さおよび健常性を保持しています(5,6,7,8,9,10,11)。

現時点では配合されている市販化粧品は確認できませんが、アカツメクサ花の配合目的は剥離剤となっており、角質の剥離に関わる作用を有すると考えられます(4)。

安全性について

アカツメクサ花はアカツメクサ由来の天然の成分です(1)。

また、現時点では安全性に関する重大な報告も見当たらず、化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると考えられています。

但し、マメ科の植物が原料となっているため、大豆やピーナッツに対するアレルギーを有する場合は使用前にパッチテストを行うなど注意が必要です(3)。

参考文献

(1)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2022年1月6日アクセス.

(2)国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 06-01.pdf (affrc.go.jp),http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/75/06-01.pdf 2022年1月6日アクセス.

(3)アカツメクサ花エキスの発毛効果と副作用は?安全性についても解説 ゼウス発毛 (hairgrowth1.com),https://hairgrowth1.com/trifolium-pratense/ 2022年1月6日アクセス.

(4)アカツメクサ花(化粧品):Cosmetic-Info.jp,https://www.cosmetic-info.jp/jcln/detail.php?id=6525 2022年1月6日アクセス.

(5)朝田 康夫(2002)「表皮を構成する細胞は」美容皮膚科学事典,18.

(6)清水 宏(2018)「角化」あたらしい皮膚科学 第3版,8-10.

(7)A. Lundstrom & T. Egelrud(1988)「Cell shedding from human plantar skin in vitro: evidence of its dependence on endogenous proteolysis」Journal of Investigative Dermatology(91)(4),340-343.,<PMID:3049831.(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3049831/)> 2022年1月6日アクセス.

(8)T. Egelrud & A. Lundstrom(1990)「The dependence of detergent-induced cell dissociation in non-palmo-plantar stratum corneum on endogenous proteolysis」Journal of Investigative Dermatology(95)(4),340-343.,<PMID:1698889.(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1698889/)> 2022年1月6日アクセス.

(9)Horikoshi, et al(1999)「Role of endogenous cathepsin D-like and chymotrypsin-like proteolysis in human epidermal desquamation」British Journal of Dermatology(141)(3),453-459.,<DOI:10.1046/j.1365-2133.1999.03038.x.> 2022年1月6日アクセス.

(10)C. Caubet, et al(2004)「Degradation of Corneodesmosome Proteins by Two Serine Proteases of the Kallikrein Family, SCTE/KLK5/hK5 and SCCE/KLK7/hK7」Journal of Investigative Dermatology(125)(5),1235-1244.,<DOI:10.1111/j.0022-202X.2004.22512.x.> 2022年1月6日アクセス.

(11)朝田 康夫(2002)「角質層のメカニズム」美容皮膚科学事典,22-28.

アカツメクサ花の配合目的

  • 角質剥離作用

アカツメクサ花の安全性情報

なし

日本語論文

なし

英語論文