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表示名称成分詳細

アウレオバシジウムプルランス培養液

成分番号(JP number): 557713

INCI
AUREOBASIDIUM PULLULANS FERMENT FILTRATE
定義(Description)
本品は、真菌の一種 Aureobasidium pullulans の培養液である。Aureobasidium Pullulans Ferment Filtrate is a filtrate of the product obtained by the fermentation of a growth media by Aureobasidium pullulans, Dothioraceae.
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
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中国の規制情報(Chinese regulation information)
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韓国inci(KR/ハングル/성분명)
흑효모발효여과물
CAS No.
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EC No.
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EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

アウレオバシジウムプルランス培養液 / AUREOBASIDIUM PULLULANS FERMENT FILTRATE

アウレオバシジウムプルランス培養液について

アウレオバシジウムプルランス培養液は真菌の一種 Aureobasidium pullulans の培養液です(1)。

別名として黒酵母エキス、黒酵母ベータグルカン、アウレオバシジウム培養液とも呼ばれています(2)。

なお化粧品成分表示名称は「アウレオバシジウムプルランス培養液」であり、成分番号は557713、INCI名はAureobasidium Pullulans Ferment Filtrateとされています(1)。

アウレオバシジウムプルランス培養液にはβ―グルカンが豊富に含まれていることで知られ、免疫力の活性化、老化の進行を遅れさせる、ホルモンの分泌正常化、免疫異常の修復などの様々な健康促進作用をもっています(3)。

働きと用途

化粧品分野においては皮膚への塗布後にセラミドやコラーゲンの産生を促す作用が確認されており、高い保湿力や潤いの持続の効果を期待できます(3)。

その効果を目的としてスキンケア化粧品を始め様々な製品に活用されています。

角質層の水分量保持による保湿作用

角質層の柔軟性は水分量10~20%の間において自然な柔軟性を示す一方で、水分量が10%以下になると角質層のひび割れや肌荒れを生じると考えられています。つまり様々な要因により角質層の保湿機能が低下し、その水分量が低下することで、乾燥による皮膚表面の亀裂や落屑、鱗屑などを生じさせることになります(4)。

そういったことから肌荒れやバリア機能の低下に伴う角質層の水分量の低下が起こっている場合、皮膚の水分蒸散を防止するために皮膚表面に水分を含んだ膜を形成することは皮膚の乾燥やひび割れ、肌荒れの予防や改善において重要なアプローチの一つとなります。

アウレオ社の行った検証によると、ヒト前腕内側におけるアウレオバシジウムプルランス培養液と蒸留水の塗布後の表皮角質水分量の経時変化を比較したところ、アウレオバシジウムプルランス培養液の優れた水分保持能を確認しました。

さらにアウレオバシジウムプルランス培養液・ヒアルロン酸・蒸留水をそれぞれ肌に塗布して60分後の水分量の比較をしたところ、アウレオバシジウムプルランス培養液が最も高い水分量を示しました(5)。

この検証結果により、アウレオバシジウムプルランス培養液には角質層の水分量保持による保湿作用があると考えられます。

安全性について

アウレオバシジウムプルランス培養液は既存食品添加物(天然食品添加物)としての使用が認められています(6)。

さらに黒酵母菌にミネラル豊富な水やショ糖、米ぬか、ビタミンなどを配合した培養液で培養しており、科学的処理を行っていません。そのため体内に取り入れることができる安全な成分であると考えられています(3)。

参考文献

(1)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2021年12月5日アクセス.

(2)鈴木一成(2012)「黒酵母エキス(表示名:アウレオバシジウムプルランス培養液)」化粧品成分用語事典2012. 中央書院,204

(3)ABOUT - 季節が巡っても、きれいな肌を永遠に - Shiki. (shiki-cosmetics.jp),https://shiki-cosmetics.jp/about/ 2021年12月5日アクセス.

(4)日光ケミカルズ株式会社(2006)「水」新化粧品原料ハンドブックⅠ,487-502.

(5)アウレオバシジウムプルランス培養液は、肌をやさしく保湿します。 | 株式会社アウレオ (aureo.co.jp),https://www.aureo.co.jp/technical-report/technical-report-moisturizing-test/ 2021年12月5日アクセス.

(6)β-グルカンとは?アウレオバシジウム(黒酵母)β-グルカンの驚くべきパワー | 株式会社アウレオ (aureo.co.jp),https://www.aureo.co.jp/whats-beta-glucan/ 2021年12月5日アクセス.

アウレオバシジウムプルランス培養液の配合目的

  • 角質層の水分量保持による保湿作用

アウレオバシジウムプルランス培養液の安全性情報

なし

日本語論文

アウレオバシジウム培養液・乳酸菌による抗白血病効果

長谷川 秀夫ニューフードインダストリー 50(7), 40-42, 2008-07

アウレオバシジウム培養液による抗癌剤副作用低減効果

長谷川 秀夫 ニューフードインダストリー 50(5), 10-16, 2008-05

英語論文

Anti-skin-aging benefits of exopolymers from Aureobasidium pullulans SM2001.

Kim KH, Park SJ, Lee JE, Lee YJ, Song CH, Choi SH, Ku SK, Kang SJ.J Cosmet Sci. 2014 Sep-Oct;65(5):285-98.PMID: 25682620

Kinetic and thermodynamic investigations of cell-wall degrading enzymes produced by Aureobasidium pullulans via induction with orange peels: application in lycopene extraction.

Ademakinwa AN, Agboola FK.Prep Biochem Biotechnol. 2019;49(10):949-960. doi: 10.1080/10826068.2019.1650375. Epub 2019 Aug 9.PMID: 31398070

The microbial ecology of wine grape berries.

Barata A, Malfeito-Ferreira M, Loureiro V.Int J Food Microbiol. 2012 Feb 15;153(3):243-59. doi: 10.1016/j.ijfoodmicro.2011.11.025. Epub 2011 Dec 2.PMID: 22189021

Selection and use of pectinolytic yeasts for improving clarification and phenolic extraction in winemaking.

Belda I, Conchillo LB, Ruiz J, Navascués E, Marquina D, Santos A.Int J Food Microbiol. 2016 Apr 16;223:1-8. doi: 10.1016/j.ijfoodmicro.2016.02.003. Epub 2016 Feb 4.PMID: 26874860