ヤシ油脂肪酸ＰＥＧ－７グリセリルとは

ヤシ油脂肪酸ＰＥＧ－７グリセリルは、界面活性剤の一種です。

化粧品に配合される場合は、ヤシ油脂肪酸ＰＥＧ－７グリセリルと表示されますが、医薬部外品に配合される場合はポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリルと表示されます。

化粧品に配合される場合は、主に以下の用途で用いられます。

乳化

乳化とは、1つの液体にそれと溶けあわない別の液体を均一に分散させることを言います(3)。

ヤシ油脂肪酸ＰＥＧ－７グリセリルにはこの作用があり、O/W型乳化を引き起こします。

W/O型乳化とは、油を外部層（界面活性剤の外側）とし、中に水が微細粒子状に分散する形で行われる乳化です。

逆に、水を外部層（界面活性剤の外側）とし、中に油が微細粒子状に分散する形で行われる乳化をO/W型乳化と呼びます。

界面活性剤は分子中に親水基と親油基をもっているので両者のバランスが重要になります。親水基と親油基の強さを評価する手段として一般的にHLB値が用いられています。

HLB値は、0~20の値を取り、0に近いほど親油性、20に近いほど親水性が高くなります。界面活性剤が水中に分散するためには3以上、溶解するためには10以上が必要で、HLB値は理論的なものではありませんが、HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定されます(4)。

ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルのHLB値は10.6,13.0で、O/W型乳化剤（親水性界面活性剤）です。

この特徴から、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルは主に洗顔料、シャンプー、ネイルなどに使用されます。

洗浄基材

ヤシ油脂肪酸ＰＥＧ－７グリセリルは、クレンジング系の洗浄基材としても使用されます。この場合は、化粧品成分表示一覧の最初の方に記載されます。

参考文献

1. https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html
2. 田村 健夫, 他（1990）「乳化作用」香粧品科学 理論と実際 第4版,270-273.
3. 野々村 美宗（2015）「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.

ヤシ油脂肪酸ＰＥＧ－７グリセリルの配合目的

• 乳化
• 洗浄基材

ヤシ油脂肪酸ＰＥＧ－７グリセリルの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS681.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS40.pdf

脱水ヒマシ油-エポキシ樹脂エステル塗料の耐熟性

三原 一幸 [他] , 長倉 稔 色材協会誌 34(11), 510-514, 1961 J-STAGE

低温におけるトイッチェル法油脂分解

福住 一雄 , 小山 吉人 工業化学雑誌 60(11), 1455-1458, 1957 J-STAGE

Formulation of lyotropic liquid crystal containing mulberry stem extract: influences of formulation ingredients on the formation and the nanostructure.

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Optimization of Mangifera indica L. Kernel Extract-Loaded Nanoemulsions via Response Surface Methodology, Characterization, Stability, and Skin Permeation for Anti-Acne Cosmeceutical Application.

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