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アマナズナ種子油とは

アマナズナ種子油はアブラナ科植物アマナズナ(学名: Camelina sativa)の種子から得られる植物油です。アマナズナはGold of Pleasure (幸福の金)やFalse Flax(偽の亜麻)とも呼ばれており、栄養価が高く栽培が容易なため、ヨーロッパなどでは古くから食用、工業用、燃料用等さまざまな用途のために栽培されてきました(1)。

アマナズナ種子油に含まれる脂肪酸組成は、アマナズナの栽培されている地域や抽出方法によっても異なりますが、主に下記の脂肪酸が含まれています(2)。

リノレン酸　31.2%
リノール酸　23.08%
オレイン酸　16.77%
エイコセン酸　11.99%
パルミチン酸　7.8%
ステアリン酸　2.96%
エルカ酸　2.8%

不飽和脂肪酸であるリノレン酸、リノール酸、オレイン酸の含有率が高いという特徴があります。飽和脂肪酸の含有率は低く、ω-3系脂肪酸のα-リノレン酸を多く含む良質なオイルです。

不飽和脂肪酸のエルカ酸が含まれていますが、エルカ酸は動物試験の結果から心臓疾患との関係性を疑われています。そのため、アメリカ食品医薬品局(FDA)はアマナズナ種子油を食用としては認可していません。一方でエルカ酸は化粧品として有効な成分であり、主に乳化剤や保湿剤として化粧品成分としての使用が認められています(3)。

アマナズナ種子油にはトコフェロールやフィトステロール、βカロテンも多く含まれているため、アンチエイジングなどの化粧品としての用途が期待されており、研究が進められています(1)。

アマニ油の原料となるアマと比較して、アマナズナは栽培適地が広く栽培が容易なため、アマニ油の代替としてのアマナズナ種子油の活用方法も検討されています(3)。

Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから一般的に化粧品として使用されている範囲内でのアマナズナ種子油の安全性が結論づけられています(2)。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2010年時点でアマナズナ種子油を配合している製品の登録数は合計76で、スキンケア、ボディケア製品やヘアケア製品に使用されています。そのうちリーブオン製品は61製品、リンスオフ製品は15製品でした(2)。

製品への含有量についてパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、アマナズナ種子油はリーブオン製品で0.002%から1%、リンスオフ製品で1%の配合率で使用されていました(2)。

日本語名：アマナズナ種子油、アマナズナ油、カメリナオイル英語名：Camelina sativa seed oil、Camelina oil、 False flax seed oil、Gold of pleasure oil

参考文献

(1) Katarzyna Ratusz (2018) 「Bioactive Compounds, Nutritional Quality and Oxidative Stability of Cold-Pressed Camelina (Camelina sativa L.) Oils」Applied sciences 8 (12) 10.3390/app8122606

(2) Cosmetic Ingredient Review (2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology 36 (Suppl. 3), 51S-129S

(3) 千葉啓太(2016)「新規連続抽出プロセスによる油糧植物アマナズナの効率利用と中山間農業地域活性化への道筋」一般財団法人油脂工業会館　https://www.yushikaikan.or.jp/pdf/ronbun1.pdf 2021年10月16日アクセス