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グレープフルーツ果実エキスとは

グレープフルーツ果実エキスは、ミカン科の植物であるグレープフルーツ（学名：Citrus grandis = Citrus Paradisi）の果実から抽出された植物エキスです。抽出には、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール（GB）またはこれらの混合液を使用します。

グレープフルーツは、18世紀の中期に西インド諸島で発見された自然雑種になります。1810年にアメリカのフロリダ州に伝わったことを皮切りに、アメリカを中心にイスラエルやアルゼンチン、キプロスなどで栽培が開始されました。現在は、中国、アメリカ、ベトナム、メキシコなどで栽培がされています(1)。

日本では、静岡県浜松市で主に栽培されていますが、果実が熟成するためには高温である必要があるため、基本的に日本での生産は困難です。そのため、日本で供給されているグレープフルーツの大部分はフロリダ州や南アフリカからの輸入に頼っています(1,2)。

グレープフルーツ果実は、生食として利用されている他に、絞り汁はジュースやカクテル・サワーなどにも活用されています。

グレープフルーツ果実エキスの成分は、天然成分である上に、地域や収穫時期、抽出方法によって成分が多少異なることもありますが、主にスクロースたフルクトースなどの糖類、クエン酸などの有機酸、アスコルビン酸などのビタミン類やアミノ酸などが含まれています(1,3)。

グレープフルーツ果実エキスに含まれる糖類であるフルクトース、グルコース、スクロースなどは、皮膚を柔軟化する保湿効果が期待できるため、スキンケア化粧品やハンドケア製品、シート＆マスク製品などに利用されています(4,5)。

また、複数の事典にグレープフルーツ果実エキスには収れん作用を持っていることが記載されています。この収れん作用は、有機酸の一種であるクエン酸に起因するものだと考えられています(5,6)。

グレープフルーツ果実エキス安全性に関して

グレープフルーツ果実エキスの安全性データによると、皮膚や目への刺激性に関しては、報告されていません。よって、一般的に皮膚や目への刺激性が生じる可能性は低いと考えられます(7)。一方、皮膚への感作性に関しても、安全性データからは報告されていませんので、皮膚への感作が起こる可能性も低いと考えられます(7)。

参考文献

(1)　杉田浩一, 他（2017）「グレープフルーツ」新版日本食品大事典,248.

(2)　静岡県（2020）「グレープフルーツの栽培面積、収穫量、出荷量日本一」, http://www.pref.shizuoka.jp/j-no1/gure-puhuru-tu.html

(3)　H. Zheng, et al（2016）「Determination of sugars, organic acids, aroma components, and carotenoids in grapefruit pulps」Food Chemistry(205)(5),112-121.

(4)　鈴木一成（2012）「グレープフルーツ果実エキス」化粧品成分用語事典2012,264-265.

(5)　宇山侊男, 他（2020）「グレープフルーツ果実エキス」化粧品成分ガイド第7版,110.

(6)　鈴木一成（2012）「グレープフルーツ果実エキス」化粧品成分用語事典2012,264-265.

(7)　Cosmetic Ingredient Review（2015）「Safety Assessment of Citrus Fruit-Derived Ingredients as Used in Cosmetics」Final Report.