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表示名称成分詳細

ゲットウ葉エキス

成分番号(JP number): 556479

INCI
ALPINIA SPECIOSA LEAF EXTRACT
定義(Description)
本品は、ゲットウ Alpinia speciosa の葉のエキスである。Alpinia Speciosa Leaf Extract is an extract of the leaves of Alpinia Speciosa, Zingiberaceae
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
艳山姜(ALPINIA SPECIOSA)叶提取物
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 19.96
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
월도잎추출물
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ゲットウ葉エキス / ALPINIA SPECIOSA LEAF EXTRACT

ゲットウ葉エキスとは

ゲットウ葉エキスは、ショウガ科の植物であるゲットウ(学名:Alpinia zerumbet = Alpinia speciosa)の葉から抽出した植物エキスです。抽出には、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール(BG)が用いられています。

ゲットウは、東南アジアが原産とされており、熱帯から亜熱帯アジアにかけて分布しています(1)。日本においても、九州南部から沖縄に分布しています。草丈は2〜3mになり、花は7月ごろに咲きます。大形の総状花序をした多数の花が咲きます。

沖縄では、健康・長寿の祈願のために旧暦12月8日に縁起物として餅をゲットウの葉(カーサ)で包んだもの(ムーチー)を仏壇・神棚に供えたり、食べたりする風習があります(1,2,3)。

ゲットウの種子は、白手伊豆縮砂(シロテイズシュクシャ)と呼ばれる生薬になります。この生薬は、抗菌作用や防虫作用、去痰作用、消臭作用、健胃作用などが知られています、そのためこれらの作用をもとに、気管支炎や鼻炎、痰、消化不良、虫刺されといった症状に対して症状の改善を目的として使用されます。

ゲットウ葉エキスの成分は、天然成分である上に、地域や時期、抽出方法によって構成される成分に多少の差は生じますが、主にカンファーやリモネンと行ったテルペノイド類が含まれています(4,5)。主成分は、比率の関係からンファー、シネオールおよびリモネンであると考えられています。

丸善製薬が実施した試験結果から、1型コラーゲンの生産および、1型コラーゲンの分解酵素であるMMP-1(Matrix metalloproteinase-1:マトリックスメタロプロテアーゼ-1)の活性阻害があることが報告されています(6)。加えて、コラーゲンを生産する線維芽細胞を増やすことも報告されています(7)。

以上のゲットウ葉エキスの機能から、シワ改善などの抗老化作用を期待して、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、シート&マスク製品、クレンジング製品などに利用されています。

ゲットウ葉エキスの安全性に関して

皮膚への刺激性や感作性に関しては、安全性に関する実験データが、今のところ見当たらないため詳細は不明となっています。しかし、20年以上の使用実績の中で、重大な皮膚への刺激や感作につい手の報告が存在しないため、一般的にな使い方をしている限りでは、皮膚への刺激性や感作性にが生じる可能性は低いと考えられます。

目への刺激性に関しては、安全性に関する試験データが見当たらないため、詳細は不明となっています。

参考文献

(1) 鈴木 洋(2011)「月桃(げっとう)」カラー版健康食品・サプリメントの事典,62.

(2) ジャパンハーブソサエティー(2018)「ゲットウ」ハーブのすべてがわかる事典,77.

(3) 大滝 百合子(2008)「沖縄の食文化における月桃 -包み葉(カーサバー)と伝承料理」aromatopia(17)(3),16-119.

(4) 藤田 治重, 他(1973)「月桃の精油成分について」YAKUGAKU ZASSHI(93)(12),1635-1638.

(5) 松原 義治, 他(1994)「ゲットウ (Alpinia speciosa K. Schum.) の葉および花の精油成分」油化学(43)(5),424-427.

(6) 丸善製薬株式会社(2001)「コラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作用剤、コラゲナーゼ阻害剤、皮膚化粧料および飲食品」特開2001-316275.

(7) 丸善製薬株式会社(2002)「線維芽細胞増殖作用剤、美容用飲食品および皮膚化粧料」特開2002-003390.

ゲットウ葉エキスの配合目的

  • Ⅰ型コラーゲン産生促進、線維芽細胞増殖促進およびMMP-1活性阻害による抗老化作用

ゲットウ葉エキスの安全性情報

皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)について

20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

日本語論文

[総説]ショウガ科植物ゲットウ、タイリンゲットウの有効利用に関する研究

池間 洋一郎 , 照屋 輝一 , IKEMA Youichirou , TERUYA Kiichi , 沖縄県工業技術センター , 琉球大学地域共同研究センター , Okinawa Industrial Technology Center , Center for Cooperative Research University of the Ryukyus 南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical resources technologists 20(1), 9-17, 2004-10-01 機関リポジトリ

A109 ゲットウ葉より dihydro-5,6-dehydrokawain の簡易抽出単離法およびアレロパシー候補物質の検索

平良 栄彦 , 多和田 真吉 , 安田 正昭 , 小波本 直忠 , 当山 清善 講演要旨集 (19), 43, 1994-05-01

ゲットウ葉精油の分離及び精油成分について

池間 洋一郎 , 照屋 輝一 , 島袋 勇 , 沖縄県工業試験場 , インテックス 南方資源利用技術研究会 ニュースレター (19), 3-4, 1989-05-31 機関リポジトリ

[報文]ゲットウ葉の精油成分について](https://ci.nii.ac.jp/naid/120005497525)

池間 洋一郎 , 島袋 勇 , 照屋 輝一 , IKEMA Yoichiro , SIMABUKURO Isamu , TERUYA Kiichi , 沖縄県工業試験場化学室 , インテックス , Industrial Research Institute of Okinawa Prefecture , Intex LTD 南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical resources technologists 5(1), 11-16, 1989-03-30 機関リポジトリ

英語論文

Pharmacological and toxicological evaluation of Alpinia speciosa.

Mendonça VL, et al. Mem Inst Oswaldo Cruz. 1991. PMID: 1842022 Free article.

Cardiodepressive effect elicited by the essential oil of Alpinia speciosais related to L-type Ca2+ current blockade.

Santos BA, et al. Phytomedicine. 2011.PMID: 21112750 Free article.

Comparative larvicidal activity of essential oils from three medicinal plants against Aedes aegypti L.

Freitas FP, et al. Chem Biodivers. 2010.PMID: 21072779