表示名称成分詳細
アフリカマンゴノキ核脂
成分番号(JP number): 556389
- INCI
- IRVINGIA GABONENSIS KERNEL BUTTER
- 定義(Description)
- 本品は、アフリカマンゴノキ Irvingia gabonensis の核から得られる脂肪である。Irvingia Gabonensis Kernel Butter is the fat obtained from the kernels of the Dika Tree, Irvingia gabonensis, Simarubaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 野生芒果(IRVINGIA GABONENSIS)果仁脂
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 아프리카망고커넬버터
- CAS No.
- 192230-28-7
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
アフリカマンゴノキ核脂 / IRVINGIA GABONENSIS KERNEL BUTTER
アフリカマンゴノキ核脂とは
アフリカマンゴノキ核脂は、植物油脂に分類され、化学構造にグリセリンと高級脂肪酸とのトリグリセリドを主成分とし、淡黄色の固形脂肪です(1)。
エモリエント作用を目的に使用され、ベース成分としても登録されています。
原材料は、ニガキ科植物アフリカマンゴノキ(学名:Irvingia gabonensis 英名:African Mango)の種子です(2)。
アフリカマンゴノキは中央アフリカと西アフリカの亜熱帯に多く生息しています。
実際に食用とされているマンゴーとは植物の属等も違い、マンゴーに似た果実をつけることから、アフリカマンゴーまたはアフリカマンゴノキと呼ばれています。
化粧品成分表示名称ではアフリカマンゴノキ核脂、慣用名がアフリカマンゴバター、アフリカマンゴーバターとして知られています。
植物油は植物の種類、産地、部位、圧搾方法等により変化すると言われています。
ですが、主要な脂肪酸成分と割合は分かってきています。
ミリスチン酸:約37%、ラウリン酸:約35%
ヨウ素価:3.5-4.2
ヨウ素価から「不乾性油」に分類されます。
アフリカマンゴノキ核脂はそのヨウ素価の特徴から、飽和脂肪酸の割合が多く、酸化安定はとても高いといえます。
状態としては、核「脂」と名前で表せる通り、固形の状態が多いということを表しています。これは、融点が比較的高いため、常温や人肌の温度でも固形です。
化粧製品としては常時固形となるため、スリップメイクアップ化粧品、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品などに使用されます。
エモリエント作用
アフリカマンゴノキ核脂としてのエモリエント作用は、体温でも溶けにくい性質から、油膜形成が特徴的な作用で保湿&保護にも優れています(2)。
エモリエント作用、本来の遅延性を活かして、皮膚表面へ広がることで角質層を閉塞させ、角質層からの水分蒸発作用を抑制し、角質層の潤いを維持することで肌の柔軟性、光沢、柔らかさを与えてくれます。
また、BASFの保湿効果を計測する実験において、アフリカマンゴノキ核脂を含む製品の保湿効果が6時間継続したという結果が得られています(2)。
この結果から、アフリカマンゴノキ核脂のエモリエント作用は、角質層を閉塞する作用、油膜形成作用が相乗的に働いていると言えます。
ベース成分
化粧品のベース成分としては水性成分、油性成分、界面活性剤、顔料・粉体成分のうち、油性成分として使用され、角質層からの水分蒸発抑制作用であるエモリエント作用を目的に使用されます。
安全性に関して10年以上の使用実績があります。
皮膚刺激、皮膚感作(アレルギー)に関して、1~3%濃度で問題のない使用が可能と考えられますが、明確な実験データが不足しています。
参考文献
(1)J.K.Joseph(1995)「Physico-chemical attributes of wild mango (Irvingia gabonensis) seeds」Bioresource Technology(53)(2),179-181.
(2)BASF(2015)「IRWINOL LS 9890」技術資料.
アフリカマンゴノキ核脂の配合目的
- 角質層の閉塞、及油膜形成による水分蒸発抑制作用(エモリエント作用)
アフリカマンゴノキ核脂の安全性情報
詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です(1)。
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です(1)。
参考文献
(1)Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
日本語論文
アフリカマンゴノキの肥満1度における効果 (特集 メタボリックシンドローム対策と機能性素材)
吉成 織恵 , 大久保 温子 , 塩島 由晃
Food style 21 19(12), 52-56, 2015-12
アフリカマンゴノキの機能性とその応用 (特集 野菜と果実のちから)
塩島 由晃 , 吉成 織恵
Food style 21 15(4), 53-57, 2011-04
コンゴ共和国北東部での狩猟採集民アカ農耕民との森林生産物の交換
北西 功一
Tropics 4(1), 79-92, 1994-09-15
英語論文
Ibeanu VN, et al. Acta Sci Pol Technol Aliment. 2020. PMID: 32600019
METHODS: Fruits harvested from rural communities in Nsukka, Enugu State, Nigeria were washed and divided into two portions. The skin …
Gbadegesin MA, et al. Niger J Physiol Sci. 2014. PMID: 26196563