表示名称成分詳細
アカネ根
成分番号(JP number): 556363
- INCI
- RUBIA CORDIFOLIA ROOT POWDER
- 定義(Description)
- 本品は、アカネ Rubia cardifolia の根である。Rubia Cordifolia Root Powder is the powder obtained from the dried, ground roots of Indian Madder, Rubia cordifolia L., Rubiaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- -
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- -
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 갈퀴꼭두서니뿌리가루
- CAS No.
- 91845-24-8
- EC No.
- 295-195-4
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
アカネ根 / RUBIA CORDIFOLIA ROOT POWDER
アカネ根とは
アカネ根は、アカネ科植物のアカネ(学名:Rubia cordifolia L、和名:アカミノアカネ)の根です(2)(3)。
化粧品成分表示名称は「アカネ根」となっています。INCI名は「Rubia cordifolia」です。
外観は生根において主根が太く、ひげ根が多い黄橙色をしていますが、乾燥すると赤紫に変化します(2)。
アカネという名前の由来は花の色ではなく、根の色に由来するといわれています(4)。
アカネは古くから染料として知られており「茜染め」と呼ばれ、さらに夜明け、朝日の昇る前の空の色を「茜色」とも呼ばれています(4)。
茜染めは乾燥させた根を木槌でつき、熱湯を加え、染料液を作成します。媒染剤の灰汁につけておいた布を染料液に浸すのですが、一度の工程だけでは完成しません。
灰汁、染料液と百数回繰り返し、期間は1年~数年かかると言われ、工程の多さから秋田県鹿角市で継承されるだけとなっています(2)(4)。
植物としてのアカネは、日本から東南アジアにかけて広く分布しており、日本では全国各地で自生しています。
多年草で、夏から秋に小型の黄白色の花をつけますが、冬にはなると地上部は枯れてしまします。
地上部が枯れた時期に根を採取して「アカネ根」として利用されます(4)。
ヨーロッパでよく見られるセイヨウアカネ(Rubia tinctorum L)も染料として用いられた歴史はありますが、成分においてアカネ(Rubia cordifolia L)とは違い、注意が必要です(4)。
天然成分であるため、国や地域・気候・栽培法・収穫時期や抽出条件の違いによりエキスの成分比率に差が見られることがありますが、一般的に含まれる成分は以下の通りです。
アカネ根の成分
- アントラキノン配糖体:プルプリン、プソイドプリル
- 環状ヘキサペプチド
働きと用途
アカネ根としては生薬として漢方処方されることがほとんどです。
効果を発揮する成分としてはアントラキノン配糖体のプルプリンが作用しているのではないかと考えられています(4)。
生薬名としては「茜草(センソウ)」「茜草根(センソウコン)」と呼ばれ、通経、浄血、止血、解熱、強壮、利尿薬作用を目的に使用されます(2)(4)。
抗炎症作用
アカネ根のエタノール抽出物において、スーパーオキシディスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ(CAT)の活性を高め、GSH量を増加させ、LPOを抑制することにより、硝酸鉛による酸化的障害を改善することが薬理学的に示唆されています(5)。
しかし、アカネ根がヒト皮膚で抗炎症作用を示したという報告はなされていないため、ヒトへの有効性を確認するには詳細な検討が必要だと考えられています。
酸化防止作用
アスピリン+幽門結紮潰瘍に対する胃保護効果に関する研究の結果においてアカネ根のエタノール抽出液が、胃粘膜攻撃因子の減少、胃粘膜保護因子の増加の作用が確認されたほか、抗酸を示す結果が確認されています(5)。
しかし、アカネ根がヒト皮膚を抗酸作用を示したという報告はなされていないため、ヒトへの有効性を確認するには詳細な検討が必要だと考えられています。
安全性について
現時点でアカネ根の眼刺激性、皮膚刺激・感作性の有無に関する報告は確認できていません。そのため、更なる検討が必要だと考えられています。
参考文献
(2) 薬草と花紀行のホームページ「アカネ(茜)」
(3) 植物和名ー学名インデックス YList「Rubia cordifolia L. var. cordifolia」データ編集日:2013.01.26
(4)食べて効く!飲んで効く!食べる薬草・山野草早わかり. (2016). 日本: 主婦の友社.「アカネ」p,11
(5)Shan, M.; Yu, S.; Yan, H.; Chen, P.; Zhang, L.; Ding, A. A Review of the Botany, Phytochemistry, Pharmacology and Toxicology of Rubiae Radix et Rhizoma. Molecules 2016, 21, 1747. https://doi.org/10.3390/molecules21121747
アカネ根の配合目的
- 抗炎症採用
- 酸化防止作用
アカネ根の安全性情報
なし
日本語論文
川崎 洋子 , 合田 幸広 , 米谷 民雄 , 義平 邦利 , 武田 明治 食品衛生学雑誌 33(6), 563-568_1, 1992
英語論文
Modulatory role of alizarin from Rubia cordifolia L. against genotoxicity of mutagens.
Kaur P, Chandel M, Kumar S, Kumar N, Singh B, Kaur S.Food Chem Toxicol. 2010 Jan;48(1):320-5. doi: 10.1016/j.fct.2009.10.019. Epub 2009 Oct 21.PMID: 19852997
Lin ZX, Jiao BW, Che CT, Zuo Z, Mok CF, Zhao M, Ho WK, Tse WP, Lam KY, Fan RQ, Yang ZJ, Cheng CH.Phytother Res. 2010 Jul;24(7):1056-64. doi: 10.1002/ptr.3079.PMID: 19960426
Ghosh S, Das Sarma M, Patra A, Hazra B.J Pharm Pharmacol. 2010 Sep;62(9):1158-66. doi: 10.1111/j.2042-7158.2010.01151.x.PMID: 20796195