表示名称成分詳細
ステアラルコニウムベントナイト
成分番号(JP number): 556190
- INCI
- STEARALKONIUM BENTONITE
- 定義(Description)
- 本品は、ベントナイト(*)とステアラルコニウムクロリド(*)の反応して得られたものである。Benzenemethanaminium, N,N-dimethyl-N-octadecyl-, reaction products with bentonite
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 司拉氯铵膨润土
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 스테아랄코늄벤토나이트
- CAS No.
- 130501-87-0
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ステアラルコニウムベントナイト / STEARALKONIUM BENTONITE
ステアラルコニウムベントナイトとは
ステアラルコニウムベントナイトとは、粘土鉱物であるベントナイトに、ステアラルコニウムクロリドを反応させて得られる、有機変性粘土鉱物です。 ステアラルコニウムベントナイトは化粧品成分表示名称です。
ステアラルコニウムベントナイトを構成するステアラルコニウムクロリドは、第4アンモニウム塩であり、水に溶かしたときに陽イオンに帯電する陽イオン界面活性剤の一種です。 ステアラルコニウムクロリドとしては、陽イオン界面活性剤としてのヘアリンスなどに使用され、髪への柔軟性、帯電防止目的に使用されています(6)。
ベントナイトは、天然に存在するコロイド状含水ケイ酸アルミニウムであり、粘度鉱物としてはスメクタイトの一種です。親水性増粘剤として、大量の水を吸収し膨張し、著しく容積を増大させ、形成したゲルはさっぱりとしたテクスチャーを示すことから、パック製品などにも使用されています(2)。
ステアラルコニウムベントナイトとしては、水分を吸収しゲル化する作用と、油に溶ける疎水性を生かし、油性の増粘剤、乳化安定、分散作用を目的に使用されます。
化粧品としてはネイル製品に使用されます。
疎水性増粘
ステアラルコニウムベントナイトは疎水性増粘剤として、有機溶媒に溶けゲル化が可能です。 ベントナイトは親水性増粘剤の為、有機溶媒の増粘には使用できないため、陽イオン界面活性剤であるステアラルコニウムクロリドと結合させることで、有機溶媒の増粘にも使用できるのです(2)。
乳化、分散安定性
ステアラルコニウムベントナイトは、有機溶媒のゲル化により、乳化安定性や有機溶媒に分散させた顔料系粉体の分散性を向上させる作用を付与できます(4)。 ゲル化作用目的に使用するのではなく、ステアラルコニウムベントナイトとしては化粧品の安定化剤として配合されることが多くなっています。
安全性
ステアラルコニウムベントナイトは20年以上の使用実績があります。 一般的な化粧品の使用であれば安全性は問題ないと言われています。 皮膚刺激性、皮膚感作性において検証の結果、60%の濃度までほとんど刺激性はなく、ほとんどアレルギーはないと言われています(5)。 眼刺激性に関しては、ステアラルコニウムベントナイトの原液(100%濃度)を使用した結果、刺激があると実験の結果がでています。しかし、化粧品配合成分としての濃度での実験データは見当たりません(5)。
20年以上の使用実績から安全性において、一般的な化粧成分の使用であれば問題ないと考えられますが、今後の研究データにも注目が必要です。
参考文献
(1)S Olejnik, et al(1974)「Swelling of Montmorillonite in Polar Organic Liquids」Clays and Clay Minerals(22),361-365.
(2)関根 知子, 他(2013)「有機変性粘土鉱物を用いた乳化物の調製および化粧品への応用」第57回粘土科学討論会講演要旨集,22-23.
(3)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p542
(4)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p210
(5)Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Alkonium Clays as Used in Cosmetics」Final Report.
(6)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p500
ステアラルコニウムベントナイトの配合目的
- 疎水性増粘剤として有機溶媒の増粘・ゲル化目的
- 増粘・ゲル化による乳化安定性の向上、分散性の維持
ステアラルコニウムベントナイトの安全性情報
試験データをみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Alkonium Clays as Used in Cosmetics」Final Report.
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR698.pdf
日本語論文
なし
英語論文
なし