表示名称成分詳細
ジステアルジモニウムヘクトライト
成分番号(JP number): 556176
- INCI
- DISTEARDIMONIUM HECTORITE
- 定義(Description)
- 本品は、ジステアリルジモニウムクロリド(*)とヘクトライト(*)の反応生成物である。1-Octadecanaminium, N,N-dimethyl-N-octadecyl-, chloride, reaction products with hectorite
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 二硬脂二甲铵锂蒙脱石
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 15.155
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 다이스테아다이모늄헥토라이트
- CAS No.
- 97280-96-1
- EC No.
- 306-493-1
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
ジステアルジモニウムヘクトライト / DISTEARDIMONIUM HECTORITE
ジステアルジモニウムヘクトライトとは
ジステアルジモニウムヘクトライトとは、粘土鉱物であるヘクトライトに、ジステアルジモニウムクロリドを反応させて得られる、有機変性粘土鉱物です。 分子量911.7で疎水性を示します(2)。 ジステアルジモニウムヘクトライトは化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称としてはジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトと定められています。
ジステアルジモニウムヘクトライトを構成するジステアルジモニウムクロリドは、第4アンモニウム塩であり、水に溶かしたときに陽イオンに帯電する陽イオン界面活性剤の一種です。
ジステアルジモニウムクロリドとしては、陽イオン界面活性剤としてのヘアリンスなどに使用され、髪への柔軟性、帯電防止目的に使用されています(8)。
ヘクトライトは、天然に存在するコロイド状含水ケイ酸アルミニウムマグネシウムであり、水を吸収することでゲル化する性質から、ジェル基材として化粧品に配合されます(6)。
ジステアルジモニウムヘクトライトとしても、水分を吸収しゲル化する作用と、油に溶ける疎水性を生かし、油性の増粘剤、乳化安定、分散作用を目的に使用されます。
化粧品成分として、単体原料で販売されるのではなく、すでに他の化粧品成分と調整された状態で販売されていることも多く、油性ベース成分に増粘剤、乳化・分散性安定剤として配合されています。
化粧品としては、メイクアップ化粧品に使用されます。
疎水性増粘
ジステアルジモニウムヘクトライトは疎水性増粘剤として、有機溶媒に溶けゲル化が可能です。 ヘクトライトは親水性増粘剤の為、有機溶媒の増粘には使用できないため、陽イオン界面活性剤であるジステアルジモニウムクロリドと結合させることで、有機溶媒の増粘に使用できるのです(3)(4)(5)。
乳化、分散安定性
ジステアルジモニウムヘクトライトは、有機溶媒のゲル化により、乳化安定性や有機溶媒に分散させた顔料系粉体の分散性を向上させる作用を付与できます(6)(7)。 ゲル化作用目的に使用するのではなく、ジステアルジモニウムヘクトライトとしては化粧品の安定化剤として配合されることが多くなっています。
安全性
ジステアルジモニウムヘクトライトは20年以上の使用実績があり、いやく部外品原料規格にも修正されています。 一般的な化粧品の使用であれば安全性は問題ないと言われています。 皮膚刺激性、皮膚感作性において検証の結果、ほとんど刺激性はなく、ほとんどアレルギーはないと言われています(1)。 眼刺激性に関して検証を行ったデータは見つかっていません。
参考文献
(1)Cosmetic Ingredient Review(2013)「Safety Assessment of Ammonium Hectorites as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(32)(6_Suppl),33S-40S.
(2)“Pubchem”(2020)「Disteardimonium hectorite」, https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Disteardimonium-hectorite 2020年1月18日アクセス.
(3)S Olejnik, et al(1974)「Swelling of Montmorillonite in Polar Organic Liquids」Clays and Clay Minerals(22),361-365.
(4)皆瀬 慎(2014)「有機変性粘土鉱物の工業的利用」オレオサイエンス(14)(5),205-211.
(5)関根 知子, 他(2013)「有機変性粘土鉱物を用いた乳化物の調製および化粧品への応用」第57回粘土科学討論会講演要旨集,22-23.
(6)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p543
(7)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p209
(8)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p500
ジステアルジモニウムヘクトライトの配合目的
- 疎水性増粘剤として有機溶媒の増粘・ゲル化目的
- 増粘・ゲル化作用による、乳化安定、分散性の向上目的
ジステアルジモニウムヘクトライトの安全性情報
皮膚刺激性:ほとんどなし
皮膚感作性:ほとんどなし
Cosmetic Ingredient Review(2013)「Safety Assessment of Ammonium Hectorites as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(32)(6_Suppl),33S-40S.
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS608.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Luna-Bastante L, et al. Contact Dermatitis. 2020. PMID: 31879957