表示名称成分詳細
カニナバラ果実エキス
成分番号(JP number): 556131
- INCI
- ROSA CANINA FRUIT EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、カニナバラ Rosa Canina の果実のエキスである。Rosa Canina Fruit Extract is an extract of the fruit of the Hip Rose, Rosa canina L., Rosaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 狗牙蔷薇(ROSA CANINA)果提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 34.8
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 로즈힙열매추출물
- CAS No.
- 84696-47-9
- EC No.
- 283-652-0
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
カニナバラ果実エキス / ROSA CANINA FRUIT EXTRACT
カニナバラ果実エキスとは
カニナバラ果実エキスは、バラ科植物イヌバラ(学名:Rosa canina、英名:dog rose)の果実から得られる植物エキスです。
イヌバラはヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに自生する常緑低木です。今日でもイギリスやフランスでは生け垣や草地、森林などに自生しています。初秋につける赤い実は「ローズヒップ」と呼ばれます。
昔からイヌバラはさまざまな民間療法に利用されてきましたが、犬に噛まれた際、狂犬病の治療にイヌバラの根を用いたことから「ドッグローズ(dog rose)」と呼ばれるようになったと言われています(1)。
薬用ハーブとしてのカニナバラ果実(ローズヒップ)
ヨーロッパでは昔から野生のローズヒップは農村の人びとの貴重なビタミンC源でした。ローズヒップのビタミンC含有量は驚異的に多く、直径1.5センチメートルほどのローズヒップ一粒にはレモン一個分に相当するビタミンCが含まれています(1)。
ローズヒップには収れん作用があり、腸炎や下痢の治療薬としても用いられます(1)。また、ローズヒップは天然の抗炎症剤、抗酸化剤としての作用があることが明らかになり、変形性関節炎や慢性関節リウマチなどの治療にも使用されています。風邪やインフルエンザ、免疫力低下にはローズヒップのハーブティーを飲むと効果があります(2)。
また医薬品として、利尿緩下剤、痛風、リウマチの治療薬としても用いられています(3)。
カニナバラ果実エキスの成分
カニナバラ果実エキスの成分には、
・糖質:グルコース、フルクトース、ソルビトール
・食物繊維:ペクチン
・有機酸:リンゴ酸、クエン酸
・ビタミン類:ビタミンC, B1, B2, K
・タンニン :ellagic acid
・カロテノイド:lycopene, β-carotene
・フラボノイド:quercetin, rutin, kaempferol
などが含まれています(1),(3),(4)。
カニナバラ果実エキスの化粧品への配合
カニナバラ果実エキスには優れた整肌効果があり、荒れ肌用のクリームや乳液、化粧水などのスキンケア製品に使用されます(3)。また、カニナバラ果実エキスには有機酸やタンニンが含まれており、肌を引き締めたり皮脂を抑えたりする収れん作用があります。
Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから現在化粧品として用いられている使用方法や濃度内でのカニナバラ果実エキスの安全性が結論づけられています(4)。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2017年時点で、カニナバラ果実エキスを配合している製品の登録数は合計350で、主にスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品などの幅広い製品に使用されています。そのうちリーブオン製品は299製品、リンスオフ製品は51製品でした(4)。
製品への含有量についてパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、カニナバラ果実エキスはリーブオン製品で0.0000014%から0.25%、リンスオフ製品で0.000009%から0.1%の配合率で使用されていました(4)。
参考文献
(1) ジェラールデュブュイーニュ (2019)「イヌバラ」ラルース 美しいハーブの図鑑, 165
(2) ジェニー・ハーディング (2012)「ローズヒップ」ハーブ図鑑, 208-209
(3) 鈴木一成 (2008)「ヒップエキス(ローズヒップ エキス)」化粧品成分用語事典2008, 271-272
(4) Cosmetic Ingredient Review (2017)「Safety Assessment of Rosa canina-derived Ingredients as Used in Cosmetics」Final Report
カニナバラ果実エキスの配合目的
・肌荒れ改善作用
・収れん作用
カニナバラ果実エキスの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR715.pdf
日本語論文
なし
英語論文
A systematic review on the Rosa canina effect and efficacy profiles.
Chrubasik C, Roufogalis BD, Müller-Ladner U, Chrubasik S.Phytother Res. 2008 Jun;22(6):725-33. doi: 10.1002/ptr.2400.PMID: 18384191 Review.
Knez Hrnčič M, Cör D, Kotnik P, Knez Ž.Acta Chim Slov. 2019 Dec;66(4):751-761.PMID: 34057490