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表示名称成分詳細

ステアリン酸イヌリン

成分番号(JP number): 555902

INCI
STEAROYL INULIN
定義(Description)
本品は、ステアリン酸クロリドとイヌリン(*)との縮合物である。Inulin, octadecanoyl derivatives
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
硬脂酰菊粉
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 18.03
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
스테아로일이눌린
CAS No.
190524-47-1
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

ステアリン酸イヌリン / STEAROYL INULIN

ステアリン酸イヌリンとは

ステアリン酸イヌリンとは、炭素数18の飽和脂肪酸(長鎖脂肪酸)であるステアリン酸に多糖類の一種でイヌリンが結合した糖脂肪酸エステルです。 ステアリン酸イヌリンは化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称も同一の名称となっています。

ステアリン酸イヌリンの構成要素であるステアリン酸は、高級脂肪酸であり、主に牛脂、大豆油および綿実油などを加水分解して得られる脂肪酸です。 炭素数が12以上のため、長鎖脂肪酸と呼ばれています。また、長鎖脂肪酸のことを高級脂肪酸と呼ぶこともあります(5)。

ステアリン酸単独であれば、クリームの成分としてのび、粘性の調整作用を目的に配合されたり、石けんの原料として使用されたり、化粧品成分の中でも幅の広く使用される成分です。 イヌリンは、多糖類の中でも水溶性食物繊維の一種であり、フルクタンとして約35個のフルクトースが重合した構造で、ダリア、チコリー、アザミ、ゴボウ、キクイモなどのキク科植物に多く含まれています(3)(4)。食品添加物に使用されることが多く、飲料、蒸しパン、ホイップクリームなどに食感改良や維持などを目的に配合されます(4)。

ステアリン酸イヌリンとしては化粧成分として、疎水性の増粘・ゲル化、乳化維持、感触改良を目的に配合され、リップケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、スキンケア化粧品に使用されています。

増粘・ゲル

ステアリン酸イヌリンは、疎水性の増粘・ゲル化作用をもち、油性ベース剤である炭化水素、植物油などに添加された使用されます。 増粘・ゲル化のテクスチャーに関しては、比較的硬度が高く、ゲル表面は滑らかな特徴を持っており、リップクリームやメイクアップ化粧品に使用されています。

乳化安定

ステアリン酸イヌリンは、疎水性ということから油中水型(O/W型)クリームなどに配合され、乳化安定剤として使用されます(2)。 外層の油性成分を増粘することによる、分離抑制効果が考えられる。

感触改良

通常、ワックス類への油系を今後すると粘度は低下しますが、ステアリン酸イヌリンはワックス類への添加をすることで、硬度を増加させる作用も持っています。

安全性

ステアリン酸イヌリンは10年以上の使用実績と、医薬部外品原料規格に収載されています。

皮膚刺激性に関して、ほとんど刺激がないとの検証結果が得られています(1)。

眼科刺激性に関して、ほとんど刺激がないとの検証結果が得られています(1)。

皮膚感作性に関しては、動物試験においてまれにアレルギーがあるとのデータがでており、皮膚感作の可能性が示唆されています(1)。

参考文献

(1)Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」Final Report. (2)鈴木 挙直(2013)「糖脂肪酸エステル系オイルゲル化剤について」オレオサイエンス(13)(2),73-77. (3) 林敏子、イヌリンとキクイモの栄養学(Helianthus tuberosus L.)、日本家庭経済学会誌、1974年、25巻、5号、417-420ページ (4)田中 彰裕, 食物繊維イヌリンによる脂肪代替, 日本調理科学会誌, 2013, 46 巻, 4 号, p. 312-313

(5)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p38

ステアリン酸イヌリンの配合目的

  • 疎水性増粘剤として有機溶媒の増粘・ゲル化目的
  • 増粘・ゲル化による乳化安定性の向上、分散性の維持
  • ワックス系基材に対する、硬度の増加作用

ステアリン酸イヌリンの安全性情報

皮膚刺激性:ほとんどなし

Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」Final Report.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR680r.pdf

日本語論文

なし

英語論文