表示名称成分詳細
ジメチコノール
成分番号(JP number): 555519
- INCI
- DIMETHICONOL
- 定義(Description)
- 本品は、水酸基が末端に結合しているジメチルポリシロキサンである。Poly[oxy(dimethylsilylane)], .alpha.-hydro-.omega.-hydroxy-
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 聚二甲基硅氧烷醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 50
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 다이메티콘올
- CAS No.
- 31692-79-2/70131-67-8
- EC No.
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
ジメチコノール / DIMETHICONOL
ジメチコノールとは
ジメチコノールは シリコーン油の一種であり、シリコーンの基本骨格の分子両端末にシラノール(Si-OH)を持っていることが化学構造上の特徴です。
ジメチコノールは化粧品成分表示名称のみに定められています。
シリコーンとは、ジメチコン(別名:ジメチルポリシロキサン)を基本骨格とし、シロキサン結合を持つ合成高分子化合物の総称です。
化学的にシリコーンは、シラン類(SiH4)から合成されたシラノール(SiH3OH) が脱水縮合し、オリゴマー、ポリマーと重合を形成することで、オイルやゴム状化合物となったものです(2)。
ただし、モノマーが10以下の比較的低分子のものは「シリコン」と区別されています。
ジメチコノールはジメチコンに比べ、シラノール基の影響により親水性が高くなっています。
親水性の影響により、ジメチコンに比べ、粘性が低くなっており、柔らかいテクスチャーを付与してくれるシリコーン油です。
化粧成分としての特徴はジメチコンと同様に撥水性に優れており、軽いスムーズな感触、広範囲への塗りやすさ、揮発性のコントロール、つやの付与など広範囲の特徴を持っています。特にジメチコノールは油性成分としてのベース成分、皮膜形成、感触改良、潤滑性付与を目的に使用されます。
化粧製品としては、ヘアケア製品、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディ&ハンドケア製品などに配合されています。
皮膜形成
皮膜形成とは、ジメチコノールが乾燥することで、使用部位に皮膜を形成する作用です。
ジメチコノールは、水をはじく作用である撥水性に優れており、ジメチコンに比べ親水性が高い点から耐水性に優れた皮膜を形成すると言われています。
感触改良
ジメチコノールは、シラノール基を持つことからジメチコンに比べ、親水性が高くなっています。
親水性の高さから皮膜形成時には、ジメチコンよりも粘性が低く、柔らかな感触改良作用を付与できる成分と言われています。
潤滑性付与
ジメチコノールの配合製品の中で、ヘアコンディショニング製品に関しては潤滑性付与を目的に使用されています。
ジメチコノールの物性である親水性から、髪への親和性が高いため、痛んだ髪をコーティングし潤滑性を付与する作用を持っています。
安全性
ジメチコノールは10年以上の使用実績があり、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。
皮膚刺激はほとんど刺激がないとの結果と、皮膚感作に関してもアレルギーはないとの結果が示されています(1)。
眼下刺激に関して実験のデータはなく、安全性の判断はできません。
参考文献
(1)Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Dimethiconol and Its Esters and Reaction Products as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(36)(3_Suppl),31S-50S.
(2) 森谷 浩幸, シリコーンの基礎と化粧品への応用, 色材協会誌, 2012, 85 巻, 5 号, p. 201-207
ジメチコノールの配合目的
- 乾燥により、肌や髪を保護する皮膜形成作用
- 撥水性、潤滑性の皮膜を形成することでの感触改良作用
- ヘアケア製品に対する潤滑付与作用
ジメチコノールの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS571.pdf
日本語論文
なし
英語論文
Safety Assessment of Dimethiconol and Its Esters and Reaction Products as Used in Cosmetics.
Johnson W Jr, Heldreth B, Bergfeld WF, Belsito DV, Hill RA, Klaassen CD, Liebler DC, Marks JG Jr, Shank RC, Slaga TJ, Snyder PW, Andersen FA.Int J Toxicol. 2017 Nov/Dec;36(3_suppl):31S-50S. doi: 10.1177/1091581817739429.PMID: 29243542 Review.
Izri A, Uzzan B, Maigret M, Gordon MS, Bouges-Michel C.Parasite. 2010 Dec;17(4):329-35. doi: 10.1051/parasite/2010174329.PMID: 21275239 Free article.
Schlosser A.J Cosmet Sci. 2004;55 Suppl:S123-31.PMID: 15645088
Vlckova J, Rupes V, Chmela J, Kensa M, Mazánek L.Epidemiol Mikrobiol Imunol. 2011 Feb;60(1):41-2, 44.PMID: 21542235 Czech.