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表示名称成分詳細

カプリリルグリコール

成分番号(JP number): 555448

INCI
CAPRYLYL GLYCOL
定義(Description)
本品は、次の化学式で表されるジオールである。Octane-1,2-diol
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
辛甘醇
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 6.45
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
카프릴릴글라이콜
CAS No.
1117-86-8
EC No.
214-254-7
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

カプリリルグリコール / CAPRYLYL GLYCOL

カプリリルグリコールとは

カプリリルグリコールは、分子内にヒドロキシ基(-OH)を2つ持つ多価アルコールの一種であり、わずかにおいのする無色透明の液体です。

ヒドロキシ基を2つ持っており、多価アルコールの中でも二価アルコールに分類されます。

ヒドロキシル基を2つ以上持つ多価アルコールのグリセリン、ブチレングリコールの一種であり、化粧品成分では、保湿剤、防腐剤として配合されています(1)(2)。

カプリリルグリコールは、同濃度のメチルパラベンと比較して刺激性が低いと言われています(2)。

化粧品としては、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、ボディ&ハンドケア製品、スキンケア化粧品、マスク製品、日焼け止め製品、洗顔料、洗顔石鹸、クレンジング製品、シャンプー製品、コンディショナー製品、ボディソープ製品、アウトバストリートメント製品、まつ毛美容液、香水、入浴剤など幅広く使用されています。

保湿

多価アルコールは角質層への吸湿性、保水性、粘性の違いにより、テクスチャーの違いが生じてきます。 カプリリルグリコールを塗布することで、角質層の水分量が保たれ、バリア機能の維持ができます。

保湿されていない角質は、水分量の低下、角質層のひび割れと状態が悪化してきます。角質層の悪化は、肌表面の状態悪化に直結します。皮膚表面の亀裂、落屑、鱗屑が起こり、肌荒、肌のバリア機能の低下を招くのです。

カプリリルグリコールは単独の使用ではなく、保湿時間を伸ばす観点から、皮膚表面を閉塞することで、水分蒸発抑制作用をもつエモリエント成分と一緒に配合することが多いようです。

保湿作用から角質層の水分含有量を上げ、角質層のひび割れを防ぎ、肌表面のバリア機能を維持する働きも期待できます。

防腐

カプリリルグリコールは、水分を保湿する保存剤としての働きに加え、防腐剤としての化粧品の保存性を高めるために使用されます(2)。

抗菌活性としては、濃度0.13~0.35%程度で、細菌であるグラム陰性菌、グラム陽性菌、真菌であるカビ、酵母に対して抗活性を示します(3)。

カプリリルグリコールは他の防腐剤と組み合わせることで、配合量を減らすことが出来るため、皮膚に対する刺激の軽減などに役立ちます。

安全性

カプリリルグリコールは20年以上の使用実績がります。

皮膚刺激性においては、防腐作用の濃度範囲を含める0.5%以下ではほとんど刺激がないとの検証結果が出ています(4)。

眼科刺激性に関しては濃度3%以下においてほとんど刺激なく(4)、皮膚感作性においても、皮膚刺激と同様に濃度0.5%以下ではほとんどないとの報告があります(4)。

参考文献

(1)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p46

(2)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p78

(3)谷口 康将・野村 重雄(2012)「最小発育阻止濃度(MIC)を基準とした予測式からの化粧品の保存効力の予測」日本化粧品技術者会誌(46)(4),295-300. DOI:10.5107/sccj.46.295.

(4)W. Johnson, et al(2012)「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(31)(5_suppl),147S-168S. DOI:10.1177/1091581812460409.

カプリリルグリコールの配合目的

  • 角質層の水分量を増加させることによる保湿作用
  • 防腐剤として化粧品成分の品質保持

カプリリルグリコールの安全性情報

皮膚刺激性:濃度0.5%以下においてほとんどなし

皮膚感作性:濃度0.5%以下においてほとんどなし

W. Johnson, et al(2012)「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(31)(5_suppl),147S-168S. DOI:10.1177/1091581812460409.

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS576.pdf

日本語論文

英語論文

Safety assessment of 1,2-glycols as used in cosmetics.

Johnson W Jr, et al. Int J Toxicol. 2012. PMID: 23064773 Review.

Contact urticaria following the use of a cosmetic containing caprylyl glycol: A case report.

Coelho EQ, et al. Contact Dermatitis. 2019. PMID: 31026059 No abstract available.

Allergic contact dermatitis to caprylyl glycol: A novel "para-preservative" allergen.

Kreeshan FC, et al. Contact Dermatitis. 2020. PMID: 32468581 No abstract available.

Safety of a preservative system containing 1,2-hexanediol and caprylyl glycol.

Levy SB, et al. Cutan Ocul Toxicol. 2009. PMID: 19514921

Real-time qPCR to evaluate bacterial contamination of cosmetic cream and the efficiency of protective ingredients.

Bermond C, et al. J Appl Microbiol. 2021. PMID: 34586708

Nanosuspensions of hesperetin: preparation and characterization.

Al Shaal L, et al. Pharmazie. 2014. PMID: 24716405