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表示名称成分詳細

イソステアリン酸PEG-8グリセリル

成分番号(JP number): 555434

INCI
PEG-8 GLYCERYL ISOSTEARATE
定義(Description)
本品は、イソステアリン酸グリセリル(*)のポリエチレングリコールエーテルであり、次の化学式で表される。Poly(oxy-1,2-ethanediyl), .alpha.,.alpha.',.alpha.''-1,2,3-propanetriyltris-.omega.-hydroxy-, isooctadecanoate (8 mol EO average molar ratio)
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
PEG-8 甘油异硬脂酸酯
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 35, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 32
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
피이지-8글리세릴아이소스테아레이트
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

イソステアリン酸PEG-8グリセリル / PEG-8 GLYCERYL ISOSTEARATE

イソステアリン酸PEG-8グリセリルとは

イソステアリン酸PEG-8グリセリルは、界面活性剤の一種です。

化粧品に配合される場合は、イソステアリン酸PEG-8グリセリルと表示されますが、医薬部外品に配合される場合はイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルと表示されます。

界面活性剤は、本来であれば混ざり合わない水と油を混ざり合わせる効果を持ちます。

その中でも、酸化エチレン縮合型のポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステルに分類される非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)です。

イソステアリン酸PEG-8グリセリルは、イソステアリン酸グリセリルに酸化エチレンを約8モル付加重合して得られる混合物です。

付加する酸化エチレンの平均モル数によって数値が変わり、それに合わせて性質も変化します。

化粧品に配合される場合は、主に以下の用途で用いられます。

乳化

乳化とは、1つの液体にそれと溶けあわない別の液体を均一に分散させることを言います(3)。

イソステアリン酸PEG-8グリセリルにはこの作用があり、O/W型乳化剤を引き起こします。

W/O型乳化とは、油を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に水が微細粒子状に分散する形で行われる乳化です。

逆に、水を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に油が微細粒子状に分散する形で行われる乳化をO/W型乳化と呼びます。

界面活性剤は分子中に親水基と親油基をもっているので両者のバランスが重要になります。親水基と親油基の強さを評価する手段として一般的にHLB値が用いられています。

HLB値は、0~20の値を取り、0に近いほど親油性、20に近いほど親水性が高くなります。界面活性剤が水中に分散するためには3以上、溶解するためには10以上が必要で、HLB値は理論的なものではありませんが、HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定されます(4)。

イソステアリン酸PEG-8グリセリルのHLB値は10.0、12.0、12.9で、O/W型乳化剤(親水性界面活性剤です。

このような作用で、スキンケア化粧品や日焼け止め製品、クレンジング製品などに使用されます。

イソステアリン酸PEG-8グリセリルは、医薬部外品原料規格2021に収載されており、一般的に安全性に問題がない成分と考えられています。

参考文献

  1. https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html

(3)田村 健夫, 他(1990)「乳化作用」香粧品科学 理論と実際 第4版,270-273.

(4)野々村 美宗(2015)「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.

イソステアリン酸PEG-8グリセリルの配合目的

  • 乳化

イソステアリン酸PEG-8グリセリルの安全性情報

皮膚刺激性について

ミヨシ油脂の安全性データより、皮膚刺激性なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2021に収載されており、30年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

日本語論文

イソステアリン酸グリセリルによる接触口唇炎の1例

田中 紅 , 稲葉 弥寿子 , 中川 真実子 [他] , 鈴木 加余子 , 松永 佳世子 Journal of environmental dermatology and cutaneous allergology = / the Japanese Society for Dermatoallergology and Contact Dermatitis 3(3), 163-169, 2009-07-31 医中誌Web  参考文献18件 被引用文献1件

英語論文

Final report of the amended safety assessment of Glyceryl Laurate, Glyceryl Laurate SE, GlycerylLaurate/Oleate, Glyceryl Adipate, Glyceryl Alginate, GlycerylArachidate, Glyceryl Arachidonate, Glyceryl Behenate, GlycerylCaprate, Glyceryl Caprylate, Glyceryl Caprylate/Caprate, GlycerylCitrate/Lactate/Linoleate/Oleate, Glyceryl Cocoate, GlycerylCollagenate, Glyceryl Erucate, Glyceryl Hydrogenated Rosinate, Glyceryl Hydrogenated Soyate, Glyceryl Hydroxystearate, GlycerylIsopalmitate, Glyceryl IsostearateGlyceryl Isostearate/Myristate, Glyceryl Isostearates, GlycerylLanolate, Glyceryl Linoleate, Glyceryl Linolenate, GlycerylMontanate, Glyceryl Myristate, GlycerylIsotridecanoate/Stearate/Adipate, Glyceryl Oleate SE, GlycerylOleate/Elaidate, Glyceryl Palmitate, Glyceryl Palmitate/Stearate, Glyceryl Palmitoleate, GlycerylPentadecanoate, GlycerylPolyacrylate, Glyceryl Rosinate, Glyceryl Sesquioleate, Glyceryl/Sorbitol Oleate/Hydroxystearate, GlycerylStearate/Acetate, GlycerylStearate/Maleate, GlycerylTallowate, Glyceryl Thiopropionate, and Glyceryl Undecylenate.

[No authors listed] Int J Toxicol. 2004.PMID: 15513825 Review.

Contact dermatitis from glyceryl di-isostearate.

Tanaka M, et al. Contact Dermatitis. 1993.PMID: 8365155 No abstract available.

Recurrent contact cheilitis because of glyceryl isostearate, diisostearyl maleate, oleyl alcohol, and Lithol Rubine BCA in lipsticks.

Inui S, et al. Contact Dermatitis. 2009.PMID: 19338598 No abstract available.

Superior effect of isostearyl isostearate on improvement in stratum corneum water permeability barrier function as examined by the plastic occlusion stress test.

Pennick G, et al. Int J Cosmet Sci. 2010.PMID: 20642769

Characterization of O/W Emulsions Prepared by PEG-Diisostearate Amphiphilic Random Copolymer.

Kaji M, et al. J Oleo Sci. 2017.PMID: 28924083 Free article.