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表示名称成分詳細

ラウリン酸ポリグリセリル-2

成分番号(JP number): 555264

INCI
POLYGLYCERYL-2 LAURATE
定義(Description)
本品は、ラウリン酸(*)とジグリセリン(*)のモノエステルである。1,2,3-Propanetriol, homopolymer, dodecanoates (1:1) (2 mol glycerol average molar ratio)
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
聚甘油-2 月桂酸酯
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 7, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.5
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
폴리글리세릴-2라우레이트
CAS No.
96499-68-2
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

原料情報

ラウリン酸ポリグリセリル-2 / POLYGLYCERYL-2 LAURATE

ラウリン酸ポリグリセリル-2とは

[化粧品成分表示名称]

・ラウリン酸ポリグリセリル-2

[医薬部外品表示名称]

・グリセリン脂肪酸エステル

ラウリン酸ポリグリセリル-2(Polyglyceryl-2 Laurate)は、炭素数12の高級脂肪酸であるラウリン酸と、2個グリセリンが重合したジグリセリン(ポリグリセリル-2)のモノエステルです。多価アルコール型の非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。

医薬部外品表示名称としては「グリセリン脂肪酸エステル」という名前が使われています。

界面活性剤としてのラウリン酸ポリグリセリル-2

親水基として多価アルコールのグリセリンを含んでいるラウリン酸ポリグリセリル-2は、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。

ノニオン界面活性剤は、水中でイオン化しない親水基を持った界面活性剤です。酸性でもアルカリ性でも使用することができ、水の硬度の影響を受けにくいなど化学的に安定な性質があり、さまざまな界面活性剤と併用することができます。乳化作用・分散作用に優れており、幅広い分野で使用されています。

多価アルコール型のノニオン界面活性剤は、一般に天然由来で毒性も低いことから、化粧品・身体洗浄料だけでなく、食品や医療品の乳化・可溶化剤としても用いられています。曇天現象が起こさないため、幅広い温度領域で長期保存安定性を確保しやすいという特徴があります(1)。

ラウリン酸ポリグリセリル-2などのポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンの重合度や、脂肪酸の鎖長、エステル化度を変えることで、親水性-親油性バランス(HLB:Hydrophilic-Lipophilic Balance)を自由に調整することができます。分子構造の設計によって目的とする可溶化物や乳化物を得るための界面活性剤を調製することができるため、食品や化粧品用途などで幅広く利用されています(2)。

また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、水和力が強いために温度や塩、多価アルコール等の共存物質の影響を受けにくいという特性があり、さまざまな剤形に配合しやすいという利点があります(2)。

ラウリン酸ポリグリセリル-2の化粧品への配合

ノニオン界面活性剤に分類されるラウリン酸ポリグリセリル-2は、主に乳化剤として使用されます(3)。乳化剤とは、水と油のように、本来は互いに混じり合わない2種類以上の物質の境界面で働き、どちらか一方が細粒となり、他方の中に均一に分散した「エマルション(乳化物)」を生成する作用がある成分のことです。

エマルションの基本構造には、水の中に油滴が分散したO/W型(Oil in Water type)と、油の中に水滴が分散したW/O型(Water in Oil type)があります。HLBが8.5と報告されているラウリン酸ポリグリセリル-2は(4)、どちらかといえば親水性の傾向があり、O/W型のエマルションを生成しやすい乳化剤であると言えます。

ラウリン酸ポリグリセリル-2には、エモリエント剤としての作用も知られています(3)。

上記のような特性から、ラウリン酸ポリグリセリル-2は、シャンプー、ボディソープなどの洗浄料や洗顔料、スキンケア製品、ボディ・ハンドケア製品、メイクアップ化粧品など、さまざまな化粧品に使用されています。

Cosmetic Ingredient Reviewでは、さまざまな安全試験データから、安全性評価論文内で説明されている現在の使用方法と濃度内で処方された場合のラウリン酸ポリグリセリル-2の安全性が結論づけられています(3)。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、2015年時点で、ラウリン酸ポリグリセリル-2を配合している製品の登録数は合計9で、そのうちリーブオン製品は6製品、リンスオフ製品は3製品でした(3)。

製品への含有量について2015年にパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、ラウリン酸ポリグリセリル-2はリーブオン製品で2%、リンスオフ製品で4.6%の配合率で使用されていました(3)。

参考文献

  1. 野々村美宗 (2015)「ノニオン界面活性剤」化粧品医薬部外品医薬品のための界面化学, 52-56
  2. 樋口智則 (2019)「ポリグリセリン脂肪酸エステルの可溶化 ・ 乳化特性」オレオサイエンス 第 19 巻第 10 号, 405-410
  3. Cosmetic Ingredient Review (2016)「Safety Assessment of Polyglyceryl Fatty Acid Esters as Used in Cosmetics」Final Report
  4. 太陽化学株式会社 (2018)「サンソフト Q-12D-C」技術資料

ラウリン酸ポリグリセリル-2の配合目的

  • 乳化剤
  • エモリエント剤

ラウリン酸ポリグリセリル-2の安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR717.pdf

日本語論文

なし

英語論文

なし