表示名称成分詳細
アカハルニレ
成分番号(JP number): 555160
- INCI
- ULMUS FULVA BARK
- 定義(Description)
- 本品は、アカハルニレ Ulmus fulva の乾燥した内樹皮である。Ulmus Fulva Bark is the dried inner bark of the Slippery Elm, Ulmus fulva, Ulmaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 슬리퍼리엘름나무껍질
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
アカハルニレ / ULMUS FULVA BARK
アカハルニレとは
アカハルニレは、成分番号 555160、INCI名 Ulmus Fulva Barkであり、アカハルニレ Ulmus fulva の乾燥した内樹皮です(1)。
アカハルニレは、アカニレとも呼ばれる北米原産のニレ科の高木です。
アカハルニレの樹皮の内側はピンク色をしており、ぬるぬるとした粘液に覆われています。
アカハルニレは、インディアンエルムやスリッパリ―エルムという名前でも流通しています。緩和作用があり、粘着性で、滑りやすいぬるぬるした樹皮の成分は、消化を助けて腸の活動をサポートするといわれます。
水溶性食物繊維の含有量が高いための効果として、お通じを良くしたり、湿布として、肌の乾燥を和らげるために伝統的に使用されてきています(2)。
ホリスティック医学とも呼ばれるエドガー療法やホメオパシー医学にも使用されるハーブです。
アカハルニレは、サプリメントとして市場に出回り、胃腸の不快感を解消するとして販売されています。
厚生労働省の「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」のなかには、アカハルニレが、植物由来物等として、アカニレ、別名:スリッパリ―エルム 部位:全草として収載されています(3)。
「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない」とは、医薬品的効能効果を標ぼうしない限り、いわゆる薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号))の規制を受けないということで、食品又は食品添加物として使用する場合には、食品衛生法の規制の対象となります(4)。
アカハルニレは、古来ネイティブアメリカンの間では薬効があると言われており、「のどの痛みの緩和」「消化管の炎症や消化不良の改善」「毒素の排泄」の作用が伝統的に伝えられています。この作用をうたってハーブの錠剤として輸入されていますが、信頼できる情報は現在ありません。
アカハルニレにはカルシウム、フラボノイド、多量の粘液とでんぷん、少量のタンニン、ビタミンEを含みます(5)(8) 。 また粘液には多糖類、オリゴ糖類が含まれます(6)(7)(8)。
米国ハーブ製品協会(AHPH)では、「メディカルハーブ安全性ハンドブック原題:Botanical Safety Handbook」を1997 年に発行し、650品目のメディカルハーブを安全性によって7段階のクラス分けをおこないましたが、 アカハルニレはレベル1の適切に使用する場合安全に摂取することができるハーブに分類されています(9)。
日本では、自然派を標榜するファンデーションや化粧水、乳液などに含まれ、スクラブとしても使用されることがあります。
また、痒み防止皮膚外用にハーブ抽出物として処方された例があります(10)。
アカハルニレエキス(スリッパリーエルムエキス)についての特許を確認すると、食品の着色及び栄養改善 や化粧料に使用されています(11)。
参考文献
(1) 日本化粧品工業連合会 アカハルニレ 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知
(2)Yogi tea Japan | 原材料 (overseas-inc.jp)
(3)医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト アカニレ
(4)「「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」の食品衛生法上の取扱いの改正について(平成 19 年8月 17 日付け食安基発第 0817001 号)」の一部改正について
薬生食基発 0531 第1号 令 和 元 年 5 月 3 1 日 厚生労働省医薬・生活衛生局 食 品 基 準 審 査 課 長通知
(5) The Gale Encyclopedia of Alternative Medicine, Second Edition , TOMSON GALE
(6) エビデンスに基づくハーブ&サプリメント事典 橋詰直孝 監訳 南江堂
(7) Carbohydr Res.1969; 9(4):429-439.
(8) (PMID:20282480) J Chem Soc. 1946 Nov:1025-9.
(9) Botanical Safety Handbook Ulmus rubra Muhl p891
(10) http://tokkyoj.com/data/tk2003-55241.shtml 痒み防止皮膚外用剤 2003年
(11) スリッパリーエルムの意味・用法を知る - astamuse
アカハルニレの配合目的
- 保湿性
- 水分の保持
- 鎮静作用
- 胃腸の正常化
アカハルニレの安全性情報
なし
日本語論文
なし
英語論文
Ulmus parvifolia Accelerates Skin Wound Healing by Regulating the Expression of MMPs and TGF-beta.
Kang MC, Yumnam S, Park WS, So HM, Kim KH, Shin MC, Ahn MJ, Kim SY.J Clin Med. 2019 Dec 26;9(1):59. doi: 10.3390/jcm9010059.PMID: 31887972 Free PMC article.
Park TH, Lee S, Amatya R, Maharjan P, Kim HJ, Park WS, Ahn MJ, Kim SY, Moon C, Cheong H, Min KA, Shin MC.Saudi Pharm J. 2020 Jul;28(7):791-802. doi: 10.1016/j.jsps.2020.05.007. Epub 2020 Jun 3.PMID: 32647480 Free PMC article.
Lee S, Yu JS, Phung HM, Lee JG, Kim KH, Kang KS.Antioxidants (Basel). 2020 Oct 13;9(10):981. doi: 10.3390/antiox9100981.PMID: 33066025 Free PMC article.
Cosmeceutical properties of polysaccharides from the root bark of Ulmus davidiana var. japonica.
Eom SY, Chung CB, Kim YS, Kim JH, Kim KS, Kim YH, Park SH, Hwang YI, Kim KH.J Cosmet Sci. 2006 Sep-Oct;57(5):355-67.PMID: 17111070
Lyu J, Kim BJ, Kim H.J Pharmacopuncture. 2013 Jun;16(2):41-5. doi: 10.3831/KPI.2013.16.013.PMID: 25780667 Free PMC article.