表示名称成分詳細
アルカリゲネス産生多糖体
成分番号(JP number): 555059
- INCI
- ALCALIGENES POLYSACCHARIDES
- 定義(Description)
- 本品は、細菌 Alcaligenes latus を培養して得られる多糖類である。Alcaligenes Polysaccharides are the polysaccharides produced by a bacterial culture of Alcaligenes latus
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 产碱杆菌多糖类
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.3
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 알칼리게네스폴리사카라이드
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
アルカリゲネス産生多糖体 / ALCALIGENES POLYSACCHARIDES
アルカリゲネス産生多糖体とは
アルカリゲネス産生多糖類は主としてグルコース、グルクロン酸、ラムノースからなる繰り返し構造の中でグルコースの側鎖としてフコースが結合した水溶性多糖類です。平均分子量5×10⁹でアルカリゲネス属菌アルカリゲネス・レータス(Alcaligenes latus)を培養して得られます(1)。
アルカリゲネス産生多糖体の機能
アルカリゲネス産生多糖類は以下の機能を持っています。
・保湿作用
・乳化
・感触改良
アルカリゲネス産生多糖類は分子内にイオン性の糖を有しているため、含んだ水分を逃がしにくいと考えられます。そのため、保湿性が高く、汚れや皮脂、ファンデーションといった成分を除去した後の肌をしっとりとした潤いのある状態に保ちます。
そのため、クレンジングミルクや洗顔フォームなど、ファンデーションや皮脂、汚れを落とすための化粧品に配合されています(1)(3)。
乳化
アルカリゲネス産生多糖体を加えると性成分-油性成分-非イオン界面活性剤による3成分乳化系が安定化します。
そのため、アルカリゲネス産生多糖体を添加した日焼け止めクリームやファンデーションは、汗では流れ落ちなくても、普通の洗顔石鹸やボディーシャンプーで簡単に乳化して落とすことができます。
また、乳化の安定化は化粧品の長期保存や品質の均衡化やに貢献しています。
粘度調整・感触改良
アルカリゲネス産生多糖体は、温度とpHの影響をあまり受けず、濃度依存的に粘度が高くなる特性を持っています。また、粘度特性は水を物理的に吸収・拘束することにより含水ゲル化します。そのため、化粧品の粘度を調整するために用いられます。
さらにたりアルカリゲネス産生多糖体は振とう・力を加えることで粘度が下がり、また時間の経過とともに元の粘度に戻るチキソトロピー性をとっています。
通常、肌を潤わせる保湿効果が期待される化粧品の成分はべたつくことが多く、化粧品自体の触り心地が悪くなってしまうというデメリットも併せ持っています。しかし、アルカリゲネス産生多糖体を使用すると粘度調整とともになめらかな感触を実現できます。
その他
化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、アルカリゲネス産生多糖体は『医薬部外品原料規格2021』に掲載されています(2)。
・『医薬部外品原料規格2021』
一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いています。
これまで、アルカリゲネス産生多糖体は化粧品の原料として2000年から使用されている実績があります(1)。
現在、アルカリゲネス産生多糖体は安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。
参考文献
- 化粧品成分ジャーナル『化粧品成分オンライン』https://www.notion.so/e73f1f3504ea4009b2344d527062bd72#89c1eb52b0ff4eb4877e954076e23616
- 厚生労働省『医薬部外品原料規格2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)
- ママモルhttps://mamamoru.com/skincare/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%82%ab%e3%83%aa%e3%82%b2%e3%83%8d%e3%82%b9%e7%94%a3%e7%94%9f%e5%a4%9a%e7%b3%96%e4%bd%93/
アルカリゲネス産生多糖体の配合目的
- 肌の保湿(1)
- 乳化(1)
- 感触改良(1)
参考文献
- 化粧品成分ジャーナル『化粧品成分オンライン』https://www.notion.so/e73f1f3504ea4009b2344d527062bd72#89c1eb52b0ff4eb4877e954076e23616(1)
アルカリゲネス産生多糖体の安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS611.pdf
日本語論文
303 アルカラン(アルカリゲネス産生多糖体)水溶液の乳化安定性能と適用
黒宮 友美 , 野畑 靖浩 日本生物工学会大会講演要旨集 平成13年度, 162, 2001 国立国会図書館デジタルコレクション
英語論文
Curdlan activates dendritic cells through dectin-1 and toll-like receptor 4 signaling.
Kim HS, et al. Int Immunopharmacol. 2016.PMID: 27449326
Cellulolytic bacteria associated with sloughing spoilage of California ripe olives.
Patel IB, et al. Appl Microbiol. 1973.PMID: 4568890 Free PMC article.
[Change in the cellular immune response under the influence of lipopolysaccharides].
Lisovenko VG, et al. Mikrobiol Zh. 1984.PMID: 6443868 Russian.N