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表示名称成分詳細

テトライソステアリン酸スクロース

成分番号(JP number): 555037

INCI
SUCROSE TETRAISOSTEARATE
定義(Description)
本品は、主としてイソステアリン酸(*)とスクロース(*)のテトラエステルからなり、次の化学式で表される。Sucrose Tetraisostearate is a mixture of esters of Isostearic acid (q.v.) and sucrose (q.v.) consisting primarily of tetraester
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
蔗糖四异硬脂酸酯
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 20
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
수크로오스테트라아이소스테아레이트
CAS No.
-
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

テトライソステアリン酸スクロース

テトライソステアリン酸スクロース / SUCROSE TETRAISOSTEARATE

テトライソステアリン酸スクロースとは

テトライソステアリン酸スクロースは、成分番号 555037、INCI名 Sucrose Tetraisostearateで、主としてイソステアリン酸とスクロースのテトラエステルからなる物質です(1)。

医薬部外品原料規格では、ショ糖脂肪酸エステル 英名:Sucrose Fatty Acid Esterに該当します(2)。

また、食品添加物公定書にも、「ショ糖脂肪酸エステル」Sucrose Esters of Fatty Acidsとして収載されています(3)。

しかし、テトライソステアリン酸スクロースは、ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸がテトライソステアリン酸である場合の名称です。

テトライソステアリン酸スクロースは、ショ糖脂肪酸エステルすべてをあらわす名称ではありません。

ショ糖と植物由来イソステアリン酸とのテトラエステルで、性状は軟固体から高粘調液体です。

テトライソステアリン酸スクロースは、一般に砂糖と呼ばれるるショ糖と脂肪酸とのエステルです。

20世紀になってから、合成方法が発見され、1955年にアメリカのスネル博士がジメチルホルムアミドを溶剤として、スネル法という合成方法を発表し、ショ糖脂肪酸エステルの合成に成功しました。

世界で工業化の試みが行われるなかで、1959年に大日本製糖株式会社が世界で初めて食品添加物として利用できるかたちでの工業化に成功しました。

現在では、ジメチルホルムアミドを使わずに製造されています。

ショ糖脂肪酸エステルは、高機能性原料としての側面をもっており、非イオン性界面活性剤やエモリエント剤として、ショ糖脂肪酸エステルを使用するため製品開発が進められています。

テトライソステアリン酸スクロースは、メチルフェニルシリコーンオイル、環状シリコーンオイル、オリーブ油、流動パラフィン、水添ポリイソブテンとの相溶性が高く顔料分散性の高い物質です。

テトライソステアリン酸スクロースの配合目的

  • エモリエント作用
  • 抱水作用
  • 顔料分散
  • 乳化

働きと用途

テトライソステアリン酸スクロースは、顔料分散性が高く、油剤との組み合わせで高い抱水性を示し、クリーム,乳液などの乳化系の乳化安定剤としての効果を発揮します。

非水ゲルを作製したり、油相を大量にゲル化可能であったりと、様々な特徴を備えるODゲルの安定化が容易です(4)(5)。

これらの特性を生かして、プレスドパウダーファンデーション、サンスクリーンローション、ヘアースタイリング、クリアリップスティック、に応用できると報告され、市販品では、口紅、リップグロス、パウダーファンデーションなどに使用されています。

テトライソステアリン酸スクロースの安全性情報

https://www.cir-safety.org/sites/default/files/SACEST122016rep.pdf

テトライソステアリン酸スクロースは、食品添加物収載されている物質です。

シュガーエステルの安全性については、国際機関であるFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)において評価され、動物実験や酵素分解試験によってその生分解性の高いことが確認され、安全性は高いと評価されています。

1956年に日本で食品添加物として認可を受けましたが、その後ヨーロッパ各国、米国で認可を受け、また世界の規格を提案しているJECFA(FAO/WHO合同食品専門家会議)においても認められています(6)。

参考文献

(1) 化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org) テトライソステアリン酸スクロース

(2) 医薬部外品原料規格 ショ糖脂肪酸エステル

(3) 第9版食品添加物公定書 ショ糖脂肪酸エステル

(4) シュガーエステル開発の歴史と最近の動向|農畜産業振興機構 (alic.go.jp) 独立行政法人農畜産業振興機構

(5) 化粧品の新原料,原料の新機能(1)次世代界面活性剤のOD systemへの応用 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター (jst.go.jp)  Fragrance Journal 巻: 43 号: 3 ページ: 22-25 発行年: 2015年03月15日

(6) 植物由来原料としてのショ糖脂肪酸エステルと,化粧品への応用 (jst.go.jp) 色材協会誌/89 巻 (2016) 12 号

日本語論文

植物由来原料としてのショ糖脂肪酸エステルと,化粧品への応用

三浦 浩司 , 田邊 弘之 , 野田 美恵

色材協会誌 89(12), 420-424, 2016J-STAGE

新しい化粧品原料 化粧品原料としてのショ糖脂肪酸エステル--その特性と可能性

福田 夏 , 森 俊樹 油脂 60(8), 70-75, 2007-08

ショ糖脂肪酸エステルの化粧品への応用技術 (特集 化粧品と材料--他分野との双方向の応用展開) -- (化粧品への応用技術)

村椿 康隆 工業材料 54(8), 48-51, 2006-08

高内相W/Oエマルションの新技術

大友 直也 , 渡邉 由子 , 鶴田 美貴夫 日本化粧品技術者会誌 34(3), 299-306, 2000 J-STAGE

英語論文

なし