表示名称成分詳細
カノラ油
成分番号(JP number): 553310
- INCI
- CANOLA OIL
- 定義(Description)
- 本品は、アブラナ Brassica campestris の種子から得られるエルカ酸含有量の少ない脂肪油である。Canola Oil is an oil derived from Brassica napus L., Brassicaceae, low in erucic acid
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 低芥酸菜子油
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 62.2, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 카놀라오일
- CAS No.
- 120962-03-0
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
カノラ油 / CANOLA OIL
カノラ油とは
カノラ油とは、化学構造にグリセリンと高級脂肪酸とのトリグリセリドを主成分とする、植物性油脂です。
化粧品成分としては、油性成分としてベース成分、またエモリエント作用、感触改良作用を目的に使用されます。
カノラ油は、化粧品成分表示名称として定められた名称であり、慣用名としてはキャノーラ油として呼ばれています。
カノラ油の原料植物としてアブラナ科の植物が使用されていますが、アブラナ科はなたね油の原料でもあります。
カノラ油となたね油の違いは、エルシン酸の量に違いがあります。
なたね油のエルシン酸の量を減らすために、カナダにおいて品種改良が行われました。
品種改良の結果に誕生したのが、カノラであり、カノラの種子を圧搾し精製されるのがカノラ油となります(1)。
食用としてはキャノーラ油として呼ばれ、リノレン酸を多く含むことから化粧品以外にも広く使用される植物性油脂です。
植物油植物の種類、産地、部位、圧搾方法等により成分が変化するといわれています。
ですが、主要な脂肪酸成分と割合はわかってきています。
オレイン酸:約50%以上、リノール酸:約40%以下、リノレン酸:14%以下
ヨウ素価110-126
ヨウ素価から「半乾性油」に分類されます。
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸は、二重結合が2つの不飽和脂肪酸であるリノール酸および二重結合が3つの不飽和脂肪酸であるリノレン酸で約50%を占めるため、酸化安定性はかなり低い植物性油脂です(1)(2)。
常温で液体のため、カノラ「油」という表記になっています。
化粧製品としてはメイクアップ化粧品、スキンケア化粧品、ボディケア製品などに使用されています。
エモリエント作用
展延性を活かして、皮膚表面へ広がることで角質層を閉塞させ、角質層からの水分蒸発作用を抑制します。
水分蒸発を抑制することで、角質層の潤いを維持し、肌の柔軟性、光沢、柔らかさを与えてくれます。
カノラ油は、油脂として酸化安定性が低いため、酸化安定性の高い油脂と混合して、安定性を高める製品設計をすることも多くなっています。
ベース成分
化粧品のベース成分としては水性成分、油性成分、界面活性剤、顔料・粉体成分のうち、油性成分として使用され、角質層からの水分蒸発抑制作用であるエモリエント作用を目的に使用されます。
安全性
カノラ油は10年以上の使用実績があり、一般的な使用であれば安全性は高いといわれています。
皮膚刺激性に関してほとんど刺激がないとの結果や、皮膚感作性に関してもアレルギーはないとの実験結果が報告されています(2)。
眼刺激性に関しては、詳細な調査を行った実験データは見当たりません。
参考文献
(1) オリーブ石けん、マルセイユ石けんを作る: 『お風呂の愉しみ』テキストブック. (2001). 日本: 飛鳥新社.p87
(2) Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
カノラ油の配合目的
- 角質層からの水分蒸発抑制作用(エモリエント作用)
- 角質層の水分増加による、皮膚の柔軟性の改善作用
カノラ油の安全性情報
日本語論文
SHRSPにおけるカノーラ油毒性の標的とその毒性に関与する機序
大原 直樹 , 西川 真衣 , 立松 憲次郎 , 内藤 由紀子 , 宮澤 大介 , 奥山 治美
日本薬理学会年会要旨集 93(0), 1-P-114, 2020
カノーラ油摂取が脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)のステロイドホルモン代謝に及ぼす影響
西川 真衣 , 八木 聡美 , 大原 直樹 , 立松 憲次郎 , 内藤 由紀子 , 奥山 治美
日本毒性学会学術年会 43.1(0), O-4, 2016
菜種(カノーラ)油摂取が脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)の病態悪化を促進する機序
小野田 早恵 , 安井 裕子 , 山田 和代 , 奥山 治美 , 内藤 由紀子 , 立花 滋博 , 河村 さやか , 大原 直樹 , 吉川 真衣 , 新美 まどか , 川口 真帆 , 宮澤 大介
日本毒性学会学術年会 39.1(0), P-121, 2012
ラットに対するカノーラ油および水素添加大豆油の有害作用と油中の微量因子―ジヒドロビタミンK1様物質の関与の可能性―:ジヒドロビタミンK1様物質の関与の可能性
大原 直樹 , 内藤 由紀子 , 奥山 治美
脂質栄養学 20(1), 9-22, 2011
カノーラ油を摂取させたSHRSPラットのG6PD活性上昇とインスリンとの関連
立花 滋博 , 福光 徹 , 沖本 麻莉 , 永田 伴子 , 内藤 由紀子 , 大原 直樹 , 奥山 治美
日本トキシコロジー学会学術年会 36(0), 4171-4171, 2009
完全水素添加カノーラ油配合飼料の摂取がラットの消化管組織形態に及ぼす影響
松山 博昭 [他] , 青江 誠一郎 , 小西 寛昭 , 矢作 佐智子 , 八尋 政利 , 中島 一郎
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science 48(3), 228-231, 1995-06-10
英語論文
Promising features of Moringa oleifera oil: recent updates and perspectives.
Nadeem M, et al. Lipids Health Dis. 2016. PMID: 27931216 Free PMC article. Review.
Biocompounds from rapeseed oil industry co-stream as active ingredients for skin care applications.
Rivera D, et al. Int J Cosmet Sci. 2015. PMID: 25824665
UV-blocking potential of oils and juices.
Gause S, et al. Int J Cosmet Sci. 2016. PMID: 26610885
The hairless guinea-pig as a model for treatment of cumulative irritation in humans.
Andersen F, et al. Skin Res Technol. 2006. PMID: 16420540 Clinical Trial.
Anti-irritants I: Dose-response in acute irritation.
Andersen F, et al. Contact Dermatitis. 2006. PMID: 16918613 Clinical Trial.
Lewińska A, et al. Int J Mol Sci. 2021. PMID: 34576253 Free PMC article.