表示名称成分詳細
コーヒー種子エキス
成分番号(JP number): 553232
- INCI
- COFFEA ARABICA SEED EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、コーヒーノキ Coffea arabica の種子のエキスである。Coffea Arabica Seed Extract is an extract of the beans of the Coffee plant, Coffea arabica L., Rubiaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 小果咖啡(COFFEA ARABICA)籽提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 61.89, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 2.339
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 커피콩추출물
- CAS No.
- 84650-00-0
- EC No.
- 283-481-1
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
コーヒー種子エキス / COFFEA ARABICA SEED EXTRACT
コーヒー種子エキスとは
コーヒー種子エキスは、アカネ科の植物であるアラビカコーヒーノキ(学名:Coffea arabica)の種子から抽出される植物エキスです。抽出には、水やエタノール、1,3-ブチレングリコール(BG)またはこれらを混合した混合液が使用されています。
コーヒー豆は、エチオピアのアビシニア高原が原産とされており、11世紀にエチオピア周辺のイスラム教信者の間で飲用されるようになりました。その後、16世紀にヨーロッパに、17世紀には世界各国に広がりました。現在では、ブラジルやコロンビアなどの中南米を中心に、東南アジアやアフリカ諸国などで栽培が行われています(1)。
日本では、江戸時代初期に長崎に渡来しましたが、明治以降になってようやく一般に普及しました。現在の主な供給国は、ブラジル、ベトナム、コロンビアとなっており、全体の70%にのぼります。この他、エチオピアやグアテマラ、インドネシアなど多様な国々に輸入を依存しています(1)。
コーヒー種子エキスは、天然成分である上に、地域や収穫時期、抽出する方法によって成分構成に多少の差が生じてしまう可能性はあるものの、主にクロロゲン酸やスクロース、カフェインの他、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸やグルタミン酸、アスパラギン酸、バリンなどのアミノ酸を含有していることが報告さえています(1、2)。
これらの構成成分のうち、クロロゲン酸は、コーヒー種子エキスの必須成分となっています。
コーヒー種子エキスには、上記の構成成分によって過酸化脂質抑制及びスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)様活性による抗酸化作用があることが報告されています(2,3)。そのため、肌へのツヤやハリを付与することを目的に、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品などに使用されています。
この他、コーヒー種子エキスにはUVBおよびUVAの吸収する効果があり、紫外線防御作用も認められているため、日焼け止め製品にも使用されています(3)。また、シミの原因になるメラニンの生産に関与しているチロシナーゼ活性を阻害する効果があるため、色素沈着抑制作用が期待できるので、皮膚のくすみ改善を目的に化粧品に使用されています(3)。
コーヒー種子エキスの安全性に関して
コーヒー種子エキスの安全性試験のデータによると、皮膚への刺激性は確認されていないので、一般には皮膚への刺激が生じる可能性は小さいと考えられます(3)。一方で、目への刺激に関しては、安全性に関する試験データが、現在のところ見当たらないので詳細は不明となっています。
皮膚への感作性に関しては、安全性に関する試験データが見当たらないため詳細は不明となっています。しかし、医薬部外品原料規格2021に収載されていること、20年以上の使用実績の中で重大は皮膚感作に関する報告がないことから、一般的に使用されている範囲であれば、皮膚への感作が生じる可能性は低いと考えられます。
参考文献
(1) 鈴木 洋(2011)「コーヒー豆」カラー版健康食品・サプリメントの事典,69-70.
(2) 杉田 浩一, 他(2017)「コーヒー」新版 日本食品大事典,271-276.
(3) 一丸ファルコス株式会社, 他(1996)「コーヒーノキ種子抽出物配合化粧料」特開平08-092057.
コーヒー種子エキスの配合目的
- 過酸化脂質抑制による抗酸化作用
- SOD様活性による抗酸化作用
- UVBおよびUVA吸収による紫外線防御作用
- チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用
コーヒー種子エキスの安全性情報
(1)より共通して皮膚刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。
皮膚感作性(アレルギー性)について
(2)より、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
(1)一丸ファルコスの安全性試験データ
(2)医薬部外品原料規格2021
日本語論文
後藤 幸生 The Takasago times = 高砂香料時報 (170), 3-9, 2012
英語論文
Ueda S, et al. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2017. PMID: 29225313
Fowble KL, et al. Food Res Int. 2019.PMID: 30884709
Rodrigues F, et al. Drug Dev Ind Pharm. 2016.PMID: 25996462
Green coffee seed residue: A sustainable source of antioxidant compounds.
Castro ACCM, et al. Food Chem. 2018.PMID: 29291876
Unsaponifiable matter from oil of green coffee beans: cosmeticproperties and safety evaluation.
Wagemaker TA, et al. Drug Dev Ind Pharm. 2016. PMID: 26971541
Rodrigues F, et al. Drug Dev Ind Pharm. 2016.PMID: 25996462
Aguilera Y , et al. Food Funct. 2019.PMID: 31309208 Free article.
Muzykiewicz-Szymańska A, et al. Molecules. 2021. PMID: 34208702 Free PMC article.
Coffee is one of the most often consumed