表示名称成分詳細
炭酸プロピレン
成分番号(JP number): 553091
- INCI
- PROPYLENE CARBONATE
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される有機化合物である。Propylene carbonate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 碳酸丙二醇酯
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 37.8
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 프로필렌카보네이트
- CAS No.
- 108-32-7
- EC No.
- 203-572-1
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
炭酸プロピレン / PROPYLENE CARBONATE
炭酸プロピレンとは
炭酸プロピレンとは
炭酸プロピレンはグリコールに分類される有機化合物であるプロピレングリコールと炭酸が結合した環状エステルです。
炭酸プロピレンは溶剤として化粧品に使用されています。炭酸プロピレンは非プロトン性の極性溶媒(∗3)であるため、粘土ゲル化剤であるジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアラルコニウムベントナイトなど有機変性粘土鉱物の溶媒として、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、リップカラー、ファンデーション、チーク、コンシーラーなどメイクアップ化粧品に汎用されています。
極性溶媒は溶媒のもつ双極子モーメントの大きいもののことを言います。
中でも溶媒自身にプロトンを与える能力がなく、自己解離もしない溶媒を非プロトン性溶媒と呼びます。特に、極性非プロトン性溶媒は、求核置換反応に有効な溶媒として医農薬合成の際の反応溶媒として使用されます。
こういった特徴から炭酸プロピレンは化粧品以外にも溶解力の強い特異な性質をもつ溶媒として、液晶デバイスの洗浄、感光性樹脂の剥離、機能性膜の製造など、日本の代表的な産業分野で使用されております(1,2)。
安全性
炭酸プロピレンの安全性については『毒物学の国際ジャーナル 2: プロピレンカーボネートの安全性評価に関する最終報告』に以下のように記されております。
プロピレンカーボネートは、0.1%から5%の範囲の濃度で化粧品に使用される非粘度、透明な液体です。希釈されていないプロピレンカーボネートは、ウサギの中等度の眼刺激およびわずかな紅斑を最小限に抑えた。希釈されていない成分のウサギ中の真皮LD50は>20ml/kgであった。希釈されていないプロピレンカーボネートは、21日間の研究で犬やモルモットに吸入することによって毒性が無かった。プロピレンカーボネートは、エイムズアッセイの変異原性に対して陰性であり、ラットHe-patocyte一次培養/DNA修復試験において遺伝毒性に対して陰性であった。臨床研究では、希釈されていないプロピレンカーボネートは適度な皮膚刺激を引き起こし、一方、水溶液中のプロピレンカーボネートは皮膚刺激または感作を生じなかった。20%までのプロピレンカーボネートを含む化粧品は本質的に無感作で、せいぜい、人間の皮膚に適度に刺激を与え、無光毒性、および非光化した。プロピレンカーボネートは、使用および濃縮の現在の実践における化粧品成分として安全であると結論付けています。
引用元:『毒物学の国際ジャーナル 2: プロピレンカーボネートの安全性評価に関する最終報告』
2:プロピレンカーボネートの安全性評価に関する最終報告 (sagepub.com)
このことから、炭酸プロピレンは安全な化粧品原料といえます。
参考文献
- Codec Chemical Co., Ltd 極性溶媒 – Codec Chemical Co., Ltd (cdc-g.co.jp)
- 『毒物学の国際ジャーナル 2: プロピレンカーボネートの安全性評価に関する最終報告』 2:プロピレンカーボネートの安全性評価に関する最終報告 (sagepub.com)
炭酸プロピレンの配合目的
- 溶剤
炭酸プロピレンの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRNS513.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr164.pdf
日本語論文
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英語論文
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Can green solvents be alternatives for thermal stabilization of collagen?
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