表示名称成分詳細
炭酸Na
成分番号(JP number): 553086
- INCI
- SODIUM CARBONATE
- 定義(Description)
- 本品は、炭酸の二ナトリウム塩であり、次の化学式で表される。Sodium carbonate
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 碳酸钠
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 26, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.152
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 소듐카보네이트
- CAS No.
- 497-19-8
- EC No.
- 207-838-8
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
炭酸Na / SODIUM CARBONATE
炭酸Naとは
炭酸Naは、ナトリウムの炭酸水素塩であり、炭酸イオンに2個のナトリウムイオンから構成される白色の粉末です(1)。
炭酸Naは化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称としては化粧品成分名称と同様に炭酸Naと表記されることもあれば、炭酸ナトリウムと記載される場合もあります。
また、慣用名として炭酸ソーダとも呼ばれます。
炭酸Naは食品添加物や、医薬品添加物としても使用されており、食品添加物としては、中華麺の食感や風味を出すために「かんすい」として使用されています(2)。
医薬品添加物としては、主に注射剤への添加が多くなっています。
化粧成分としては、pH緩衝作用、金属イオン封鎖作用、洗浄補助として使用されます。
化粧品としては入浴剤、シャンプー製品、ボディソープ製品、ボディ石鹸、洗顔料、洗顔パウダー製品、クレンジング製品、シート&マスク製品、ボディケア製品など幅広い製品に配合されます。
pH緩衝
炭酸Naは、配合することで化粧品をアルカリに傾けることができ、炭酸水素Naと組み合わせることで、pH緩衝も付与できます(1)。
pH緩衝とは、pHの変動を最小限に抑えることができ、添加した化粧品に多少の酸、アルカリが加わっても一定のpHを維持できる作用のことです(3)。
化粧品は、pHの変化は品質の劣化、増粘度の変化がおこります。この変化を起こさないようにするためにpH緩衝剤が使用されます。
軟水
炭酸Naの水溶液弱アルカリ性を示し、 水を柔らかくする軟水作用もあるので入浴剤としても使われます。
1剤を2剤に混ぜることにより、炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させ、炭酸ガスで肌の新陳代謝を促す炭酸パックにも利用されます(1)。
洗浄補助(ビルダー)
炭酸Naはアルカリ性による洗浄補助(ビルダー)として使用され、多くの酸性の汚れに対し、アルカリ性の高いpHは洗浄力を促成させるとともに酸化生成物を鹸化し汚れを落としやすくする補助(ビルダー)作用を目的に配合されます。
安全性
炭酸Naは、40年以上の使用実績があり、食品添加物など様々な指定を受けています。
下記指定されているリストです。
- 食品添加物指定添加物リスト
- 日本薬局方
- 医薬部外品原料規格
使用実績の期間から、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。
皮膚刺激性に関しては、非刺激-軽度と検証された報告があります(4)。
皮膚感作性に関しては、ほとんどアレルギーはないとの検証結果が出ています(4)。
眼科刺激性、皮膚感作性に関しては刺激性を確認したデータは見当たりません。
参考文献
(1)“Pubchem”(2020)「Sodium Carbonate」<https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Stearalkonium-hectorite>2021年12月21日アクセス.
(2)一般社団法人日本食品添加物協会「かんすい」https://www.jafaa.or.jp/tenkabutsu01/siryou
(3)西山 成二・塚田 雅夫(1999)「緩衝溶液についての一考察」順天堂医学(44)(Supplement),S1-S6. DOI:10.14789/pjmj.44.S1.
(4) R.L. Elder(1987)「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Sesquicarbonate, Sodium Bicarbonate, and Sodium Carbonate」Journal of the American College of Toxicology(6)(1),121-138. DOI:10.3109/10915818709095491.
炭酸Naの配合目的
- アルカリ性の示すことから、緩衝溶液を生成し化粧品の安定性向上
- アルカリ性洗浄剤として酸性汚れに対する洗浄補助目的
- 配合した水溶液を弱アルカリ性にすることで軟水を生成する目的(入浴剤)
炭酸Naの安全性情報
皮膚刺激性:非刺激-軽度の皮膚刺激を引き起こす可能性あり
皮膚感作性:ほとんどなし
R.L. Elder(1987)「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Sesquicarbonate, Sodium Bicarbonate, and Sodium Carbonate」Journal of the American College of Toxicology(6)(1),121-138. DOI:10.3109/10915818709095491.
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRNS513.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr167.pdf
日本語論文
高畑 浩之
群馬県農業技術センター研究報告 (10), 65-66, 2013-03
土-P2-242 重炭酸Na加リンゲル液のアルカリ化能は大丈夫か?(薬物相互作用,ポスター発表,一般演題,再興、再考、創ろう最高の医療の未来)
鈴木 孝司 , 菊地 紘 , 福舛 萌真 , 倉本 敬二
日本医療薬学会年会講演要旨集 23(0), 292, 2013
こんにゃく精粉入りゼリーの検討:こんにゃく精粉や砂糖、増粘多糖類の混合割合によるゼリー強度の違い
坂手 美絵 , 藤山 咲子 , 藤井 わか子
日本調理科学会大会研究発表要旨集 16(0), 104-104, 2004
奥山 寛 , 西山 謙一 , 高橋 淳子 , 伊藤 克佳 , 大段 剛 , 雨宮 均 , 小林 力 , 北岡 建樹 , 越川 昭三 , 小尾 容子 , 本沢 孝友
日本透析療法学会雑誌 24(7), 919-924, 1991
人工心肺の血液充填とPH alkalosisと赤血球凝集:―alkalosisと赤血球凝集―
副島 健市 , 中江 世明 , 黒沢 博身 , 今井 康晴 , 小柳 仁 , 鈴木 進 , 風間 茂 , 佐々木 彰
人工臓器 17(3), 1417-1421, 1988
糟谷 泰 , 河部 和雄
日本養豚研究会誌 13(3), 128-133, 1976
英語論文
A dose-response study of triclosan mouthrinses on plaque regrowth.
Jenkins S, et al. J Clin Periodontol. 1993. PMID: 8408725 Clinical Trial.
Długaszek M, et al. Pharmacol Toxicol. 2000. PMID: 10752672
de Mendonça AC, et al. J Periodontol. 2009. PMID: 19335091
[Separation and purification of Al13 by chemical precipitation and metathesis].
Li GH, et al. Huan Jing Ke Xue. 2007. PMID: 17489196 Chinese.