表示名称成分詳細
炭酸Ca
成分番号(JP number): 553083
- INCI
- CALCIUM CARBONATE
- 定義(Description)
- 本品は、炭酸のカルシウム塩であり、次の化学式で表される。Calcium carbonate. CI 77220
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 碳酸钙
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 칼슘카보네이트
- CAS No.
- 471-34-1
- EC No.
- 207-439-9--215-279-6
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
IV/124
原料情報
炭酸Ca / CALCIUM CARBONATE
炭酸Caとは
炭酸Ca(炭酸カルシム)は、カルシウムの炭酸塩で、水に溶けにくく、白色の結晶状粉末で、石灰やセメントの原料となります。貝殻やサンゴ、鶏の卵の殻や大理石、チョークなどの主成分として知られています。貝殻を微粉砕したものは胡粉(ごふん)と呼ばれる白色顔良として知られています。
カルシウム(Calcium)は、ラテン語のCalcsis(石灰)に由来されており、1808年イギリスのハンフリー・デイビーによって、石灰と酸化石灰を混合し、電気分解をしたことで発見された金属元素となっています。
カルシムは、人間の骨や歯を構成する必須ミネラルとして知られています。人の体内では、1〜2%の比率を占めており、人体内で最も多く存在するミネラルとなっています。
工業的には、軽質炭酸Ca(通称:軽炭)と重質炭酸Ca(通称:重炭)に分類されており、軽質炭酸Caが化粧品として使われています。軽質炭酸Caは、石灰石を原料として化学的に製造され、沈降性炭酸Caとも呼ばれています。一方、重質炭酸Caは、石灰石を粉砕して製造されます。沈降性炭酸Caは、顔料、塗料、歯磨き粉などに利用されています。
軽質炭酸Caの原料である石灰石は、日本で100%自給できる唯一の鉱物資源として知られています(2)。
化粧品原料以外にも、食品添加物として使用が認められており、カルシウム強化を目的とした栄養強化素材として、乳飲料や即席麺に添加されています。また、食感改善を目的として菓子やパンなどにも利用されています。加えて、医薬品としても活用されており、胃酸過多に対して制酸剤として用いられています。
工業的に化学的に製造される炭酸Ca(軽質炭酸Ca)は、細かい穴がたくさん空いた構造である多孔質のカルシウム炭酸塩として生産されます。多孔質なので、水や溶剤を保持できるため、香料を吸収させることで保香剤としても利用されています(1)。さらに、多孔質の特性を利用して、皮脂を吸収させて化粧崩れを防ぐ目的で、粉系ファンデーションにも配合されています(1)。
炭酸Caの安全性に関して
安全性に関する試験データからは、皮膚や目への刺激性は無いと報告されています(3)。そため、一般的な使用の範囲であれば、皮膚へ目への刺激が生じる可能性は低いと考えられます。また、皮膚への感作性に関しても、安全性に関する試験データでは無いと報告されています(3)。よって、炭酸Caは、一般的に安全性が高い成分だと考えられます。
参考文献
(1) 宇山 侊男, 他(2015)「炭酸Ca」化粧品成分ガイド 第6版,162.
(2) 石灰石鉱業協会HP https://www.limestone.gr.jp/analysis/
(3) Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Carbonate Salts as Used in Cosmetics」Final Report.
炭酸Caの配合目的
- 感触改良
- 賦香
炭酸Caの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR722.pdf
日本語論文
低Ca重炭酸透析液の試み 炭酸Ca投与時の至適Ca濃度について:―炭酸Ca投与時の至適Ca濃度について―
中山 文義 , 越川 昭三 , 奥山 寛 , 大友 正浩 , 児島 弘臣 , 衣笠 えり子 , 関口 高 , 高橋 健 , 秋沢 忠男 , 北岡 建樹 人工臓器 18(3), 1220-1224, 1989 J-STAGE 医中誌Web
英語論文
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