化粧品・健康食品業界専門メディア Beaker media「無料企業登録キャンペーン」実施中

表示名称成分詳細

水添ポリイソブテン

成分番号(JP number): 553011

INCI
HYDROGENATED POLYISOBUTENE
定義(Description)
本品は、次の化学式で表される分岐脂肪族炭化水素である。Propene, 2-methyl-, homopolymer
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
氢化聚异丁烯
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 89.7
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
하이드로제네이티드폴리아이소부텐
CAS No.
40921-86-6 / 61693-08-1
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

水添ポリイソブテン / HYDROGENATED POLYISOBUTENE

水添ポリイソブテンとは

水添ポリイソブテンは、分岐脂肪酸化水素に分類されるもので、イソパラフィンが主体となっている液状の油です。水添とは、この水素を添加することを示しています。水添することで、酸化され難い還元体に加工することができるため、油性素材で課題になる酸化が起こり難いとされています。

水添ポリイソブテンの合成は、イソブテンとn -ブテンを共重合し、水素を添加しておこないます。重合の度合いによって、性質が異なっており、重合度が低いものは揮発性があり、重合度の高いものは粘性が高い液体となります。

水添ポリイソブテンには重合度により、いくつかの種類に分類されます。いくつかある種類の中で、主に揮発性イソパラフィン、流動性イソパラフィン、軽質イソパラフィンが使用されています。このうち、油剤として用いられるのは軽質イソパラフィンであり、化粧品には高分子である揮発性イソパラフィンや流動性イソパラフィンが使用されます。

水添ポリイソブテンは、無色から淡黄色をしており、化粧品ではメイクアップ用品や頭髪化粧品の硬さや粘性の調整に使われています。油に分類されますが、上記にあるように酸化や腐敗することが少ないため、化粧品の伸びをよくしたり、製品を安定させるために使われることが多いです。

油剤としては、主にシリコーンなどの油性成分を溶かし込むことで使用されます。水添ポリイソブテン自体は、上記にあるように酸化安定性が高く、軽い質感でベタつきが少なく、水添ポリイソブテンの揮発性の性能から皮膚へ適用すると良好に広がります。そのため、溶かし込んだ油性成分の特性発揮に大きな貢献をします(1)。

一方で、水添ポリイソブテンは、油性成分である上に、皮膜力が高いために、洗顔で落としにくいという欠点も持っています。また、脂性肌の人が使用すると、余分な油を追加してしまうことになるので、肌のテカリなどが生じる可能性が高かくなります。しかし、肌への密着度を高めたい、口紅やリップグロス、化粧下地、日焼け止めなどによく配合されます(2,3)。

水添ポリイソブテンには、髪の毛をコーティングし、櫛通りを良くしたり、髪へのツヤ出しなどの効果もあるため、ヘアトリートメントなどにも配合されています(4)。

水添ポリイソブテンの安全性に関して

試験データからは、皮膚や目への刺激性などの有害事象に関しては報告されていません(1)。また、皮膚への感作性に関しても、報告されていないため、水添ポリイソブテンは比較的安全性が高いと考えられます(1)。

参考文献

(1) 宇山 侊男, 他(2015)「水添ポリイソブテン」化粧品成分ガイド 第6版,66.

(2) Cosmetic Ingredient Review(2008)「Final Report of the Cosmetic Ingredient Review Expert Panel on the Safety Assessment of Polyisobutene and Hydrogenated Polyisobutene as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(27)(4_suppl),83-106.

(3) 日光ケミカルズ株式会社(2016)「炭化水素」パーソナルケアハンドブックⅠ,28.

(4) BASFジャパン株式会社(2007)「Luvitol Lite」技術資料.

水添ポリイソブテンの配合目的

  • 感触改良
  • ツヤ、光沢
  • 溶剤

水添ポリイソブテンの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS687.pdf

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS455.pdf

日本語論文

なし

英語論文

なし