表示名称成分詳細
水添ココグリセリル
成分番号(JP number): 552994
- INCI
- HYDROGENATED COCO-GLYCERIDES
- 定義(Description)
- 本品は、水添ヤシ油(*)を原料としたモノ、ジ及びトリグリセリドの混合物である。Glycerides, coco mono-, di- and tri-, hydrogenated
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 氢化椰油甘油酯类
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 36.36
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 하이드로제네이티드코코-글리세라이즈
- CAS No.
- 91744-42-2
- EC No.
- 294-604-3
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
水添ココグリセリル / HYDROGENATED COCO-GLYCERIDES
水添ココグリセリルとは
水添ヤシ油を原料とした、グリセリンと混合脂肪酸(ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸)とのモノ、ジおよびトリグリセリドの混合物です。
ヤシ油そのものはラウリン酸を主成分とするトリグリセリドであり、成分組成は炭素数12未満の飽和脂肪酸(10~20%)、ラウリン酸(44~52%)、ミリスチン酸(13~19%)、パルミチン酸(8~11%)、ステアリン酸(1~3%)、不飽和脂肪酸(約10%)とされています。
液状の油とワックスの中間の融点22~26℃を持つ油性成分です。
酸化に対しては比較的安定ですが、加水分解を受けやすいという特徴があります。クリーム基材、シャンプー、リンスの加脂剤として使われることも多く、ラウリン酸、ミリスチン酸の原料としても重要な油性成分です。
化粧品に使用される他の油性成分などとの相溶性に優れており、結晶化しやすいワックス成分の析出を抑制する作用も持ちます。
化粧品へ配合すると、塗布時ののびが良く、塗布後、皮膚呼吸や水分透過などの皮膚の生理作用を阻害しないことから、クリーム類に使用すると、こしのある感触を出すことができ、塗布後はさっぱりしたべたつきのない使用感を与えます。
口紅、リップクリーム、頭髪用スティックなどのスティック状の製品に配合すると温度耐性に優れることから、製剤そのものが発汗しにくい使用感の良い製品を得ることができます。
そのヤシ油に対して水素を添加し、酸化しにくい安定性を高めた処理をされたものが水添ヤシ油です。
常温で液体であるヤシ油を水素添加により固体にすることでヤシ油よりもやや高めの融点36~37℃という体温で溶ける特性を有します。
また不乾性油に分類されることから乾燥性はほとんどなく、エモリエント効果が期待されます。
さらに水添ヤシ油を原料とし、炭素数12~18の直鎖脂肪酸と混合することで得られる固体物質が水添ココグリセリルです。
組み合わせる脂肪酸の種類により、幅広い融点が得られます。
あらゆる処方系において構造体を形成しやすいことから、フィルム形成剤としてコート感のある使用感が演出できます。
特に酸化安定性が高く、口紅やリップグロスなどスティックタイプのメイクアップ化粧品やボディ・ハンドケア製品、洗浄製品、ヘアケア製品等幅広く使用されています(1)。
使用感としては適度な硬さとべたつきのない油性感が特徴であり、化粧品に配合される場合はエモリエント効果が期待されます。
また体温付近で溶解する特性を利用し、マッサージオイルなどへ配合した際には、なめらかな質感を付与することも可能です(1)。
参考文献
(1)宇山 侊男, 他(2020)「水添ココグリセリル」化粧品成分ガイド 第7版,61
水添ココグリセリルの配合目的
- エモリエント効果
乾燥性が低いため、水分保持機能によるエモリエント効果が期待されます。
- 感触付与効果
特徴的な融点(33.5~35.5℃)を有するため、感触改善効果が期待されます。
- 製剤安定化効果
高い酸化安定性により、製剤の安定化を向上する効果が期待できます。
水添ココグリセリルの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS507.pdf
日本語論文
なし
英語論文
なし