表示名称成分詳細
水酸化クロム
成分番号(JP number): 552988
- INCI
- CHROMIUM HYDROXIDE GREEN
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される無機顔料である。
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 氢氧化铬绿
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): /, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): /, 備考: 按照《化妆品安全技术规范》要求使用
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 크로뮴하이드록사이드그린
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
水酸化クロム / CHROMIUM HYDROXIDE GREEN
水酸化クロムとは
水酸化クロムはクロムの水酸化物です。水酸化クロムには2価のものと3価のものがありますが、化粧品の原料として使われているのは3価のものです。
ただし、実際にはCr(OH)3なる形の化合物は得られず、通常はCr2O3・nH2Oの形で存在しています。
クロムというと公害を引き起こすイメージを持つ人もいますが、それは6価クロムの話であり、化粧品に使用される3価のクロムに毒性はありません。
また通常使用で3価クロムが6価クロムに変わることはありません。
水酸化クロムは化粧品に明るめの青緑色-緑色の着色目的として使われております。また、スクラブやキャリア(有効成分などを含包する球体)の着色にも使用される場合もあります。
着色剤は主にメイクアップ化粧品の原料として使われており、皮膚や髪に好みの色彩を与え、健康で魅力的な容貌を作る機能を持っております。
着色剤は水や油に溶けにくく粒径が大きいため肌に吸収されにくい「顔料」と水や油に溶けやすく中には角層に染着するものもある「染料」に分けられますが、
水酸化クロムは顔料にあたります。そのため、肌が水酸化クロムによって染まってしまうことはないと考えられます。
また、顔料はさらに以下に上げる4つに分類でき、水酸化クロムは着色顔料に該当します(1,2,3)。
・着色顔料:色調の調整
水酸化クロム・グンジョウ・酸化鉄(ベンガラ・黄酸化鉄・黒酸化鉄)など
・真珠光沢顔料:干渉色を出す
魚鱗箔(パール剤)・オキシ塩化ビスマス・雲母チタン・雲母チタン被覆マイカ
・体質顔料:光沢や使用感の調整
タルク・マイカ・セリサイト・カオリン・シリカ・硫化バリウム・炭酸カルシウムなど
・白色顔料:色を調整・シミやソバカスを隠す。紫外線の防御(酸化チタン)
酸化チタン・酸化亜鉛など
安全性
化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、水酸化クロムは『医薬部外品原料規格2021』に掲載されております。
- 『医薬部外品原料規格2021』(4)
一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは『医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いております。
これまで、水酸化クロムは化粧品の原料として10年以上使用されている実績があます。
現在、水酸化クロムは安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。
配合されている化粧品
水酸化クロムは以下の化粧品に添加されております。
メイクアップ化粧品
ボディケア製品スクラブ
キャリアを配合した洗顔料
ボディマッサージ製品
リップ系メイクアップ化粧品
マニキュアなど
参考文献
- 肌を彩る ―化粧品に配合される色材― | 日本化粧品工業連合会 日本化粧品技術者会 SCCJ (sccj-ifscc.com)
- 株式会社 ひきふね ホームページ クロムの有害性 | めっきで世界を切り拓く。ヒキフネ Tokyo 1932 (hikifune.com)
- 小西さやか『日本化粧品検定 1級対策テキスト コスメの教科書 第2版』(主婦の友社)
- 厚生労働省『医薬部外品原料規格 2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)
水酸化クロムの配合目的
- 明るめの青緑色-緑色の着色顔料
水酸化クロムの安全性情報
Food and Drug Administrationの連邦規則集より、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
日本語論文
英語論文
Kang EK, et al. Contact Dermatitis. 2006.PMID: 16689807
Microwave sanitization of color additives used in cosmetics: feasibility study.
Jasnow SB, et al. Appl Microbiol. 1975.PMID: 1164010 Free PMC article.
Can green solvents be alternatives for thermal stabilization of collagen?
Mehta A, et al. Int J Biol Macromol. 2014.PMID: 24942230