表示名称成分詳細
塩化Na
成分番号(JP number): 552797
- INCI
- SODIUM CHLORIDE
- 定義(Description)
- 本品は、ナトリウムの塩化物であり、次の化学式で表される。Sodium chloride
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 氯化钠
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 23, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 8
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 소듐클로라이드
- CAS No.
- 7647-14-5
- EC No.
- 231-598-3
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
塩化Na / SODIUM CHLORIDE
塩化Naとは
塩化Naとは、NaClで表される無機塩化合物です。 無色の立方晶系結晶であり、水によく溶ける性質を持っています。
塩化Naは化粧品成分表示名称であり、医薬部外品表示名称では塩化ナトリウムと表記されます。
塩化Naは、海水の主成分であり2.8%含まれており、動物体内では生理的に重要な役割を持っています。 海水の成分は、水と塩分に分かれており、塩分に関しては塩化Na以外にも塩化Mg、硫酸Mg、硫酸Ca、塩化Kなど様々構成成分で出来ています。 塩化Naと食塩に関しては、一般的に家庭で使用される「食塩」とは区別されます。 食塩は、塩化Na以外のミネラルを多く含み、そのミネラルのバランスが味として現れるのです(1)。
塩化Naは食品添加物、調味料、医薬品、医薬品添加物としても使用されています。
化粧品成分としては、増粘調整、乳化、懸濁安定、収れん、スクラブ・入浴剤(天然塩)としても使用されます。
化粧品としては、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、洗浄製品、洗顔料&洗顔石鹸などに使用されます。
増粘調整
塩化Naは、陰イオン界面活性剤、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーに混ぜることで粘度が上昇することが分かっています(4)。
乳化、懸濁安定
塩化Naは、油中水型(W/O型)乳化物の安定性を高めるために配合されます(3)。 油中水型(W/O型)乳化物は、外相が油(オイルベース)になっており、使用部位で汗や水と混ざらないため、しっとりとしたテクスチャーと化粧持ちが良い効果が期待できます。
収れん
塩化Naは、皮膚のタンパク質に作用して軽く凝固させる作用を持っており、皮膚や髪の毛をひきしめたり整えたりする収れん作用を持っています(2)。 皮膚の毛穴に一時的に作用することで、汗や皮脂の分泌を抑制する作用も期待できます。
スクラブ(天然塩)
塩化Naは、その結晶性から、天然のスクラブとしても使用されます。 天然スクラブとしては、塩化Naとしてだけでなく、塩に含まれるミネラル等も期待して配合される製品が多くなっています。
安全性
水酸化Naは、50年以上の使用実績があり、日本薬局方、医薬部外品原料規格に収載されています。 使用実績の期間から、一般的な使用であれば安全性は高いとされています。 皮膚刺激性、皮膚感作性、眼科刺激性に関しては懸想されたデータはありません。 ただ、50年以上の使用実績から考えると、重大な刺激性などの報告はなく、一般的な化粧品の使用範囲であれば安全性は高いと言われています。
参考文献
(1)たばこと塩の博物館(-)「世界の塩:世界の塩資源(海水の成分、世界の塩資源の分布)」, https://www.jti.co.jp/Culture/museum/collection/salt/s4/index.html 2020年1月24日アクセス.
(2)化粧品成分用語事典2012. (2012). 日本: 中央書院.p643
(3)化粧品成分ガイド. (2020). 日本: フレグランスジャーナル社.p205
(4)森光 裕一郎, 他(2013)「新規アクリル酸系増粘剤の開発」住友化学技術誌,73-75.
塩化Naの配合目的
- カルボマー(アクリレーツ/アクリル酸(C10-30))クロスポリマーの増粘目的
- 油中水型(W/O型)乳化物の安定性向上
- 皮膚のタンパク質の凝固や毛穴への刺激による引き締め作用による収れん作用
- 塩の結晶としての物理的刺激によるスクラブ効果
塩化Naの安全性情報
なし
日本語論文
西脇 純子
ファルマシア 52(1), 54-55, 2016
山川 謙輔 , 加藤 貴裕 , 有馬 公伸 , 柳川 真 , 川村 寿一
泌尿器科紀要 37(10), 1111-1114, 1991-10
英語論文
KOLMER JA. Arch Derm Syphilol. 1947. PMID: 20247736 No abstract available.
Welty TE, et al. Am J Hosp Pharm. 1988. PMID: 3348226
Tallarida G, et al. Boll Soc Ital Biol Sper. 1974. PMID: 4458700 Italian. No abstract available.
Das Gupta V, et al. Am J Hosp Pharm. 1984. PMID: 6720710
Khanukayev EM. Act Nerv Super (Praha). 1977. PMID: 888641 No abstract available.