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表示名称成分詳細

安息香酸アルキル(C12-15)

成分番号(JP number): 552786

INCI
C12-15 ALKYL BENZOATE
定義(Description)
本品は、安息香酸(*)と炭素数12~15の脂肪族アルコールのエステルである。Benzoic acid, C12-15 alkyl esters
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
C12-15 醇苯甲酸酯
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 87.8
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
C12-15알킬벤조에이트
CAS No.
68411-27-8
EC No.
270-112-4
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

安息香酸アルキル(C12-15) / C12-15 ALKYL BENZOATE

安息香酸アルキル(C12-15)とは

安息香酸アルキル(C12-15)は芳香属カルボン酸の安息香酸と炭素数12〜15の高級アルコールが結合したエステルです。無色〜微黄色の透明液体で、わずかに特異臭があります(1)。

安息香酸アルキル(C12-15)は主にエモリエント剤として使用されます。エモリエントとは、皮膚からの水分蒸発を防いで潤いを保ち、皮膚を柔軟にする作用のことです。皮膚に対してエモリエント作用を示すものをエモリエント剤と呼びます。

油性成分でありながら軽い触感、ドライ感がある安息香酸アルキル(C12-15)は、エモリエント剤として化粧品に配合することで製品にシルキーな仕上がりを与えます(2)。

また、安息香酸アルキル(C12-15)は溶剤や可溶化剤としての特性もあります。親油性の有効成分や紫外線吸収剤などをよく溶かし、有効成分を均一に分散させる働きがあります。

上記のような特性から、安息香酸アルキル(C12-15)はスキンケア化粧品、日焼け止め製品やメイクアップ化粧品の成分として使用されています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が実施する化粧品自主登録プログラム(VCRP)によると、安息香酸アルキル(C12-15) を配合している製品の登録数は合計971で、大半はメイクアップ製品、スキンケア製品、ヘアケア製品が占めています。そのうちリーブオン製品は858製品、リンスオフ製品は113製品でした。

製品への含有量についてパーソナルケア製品評議会が実施した調査によると、安息香酸アルキル(C12-15)はリーブオン製品で0.0008%から59%、リンスオフ製品で0.0008%から50%の濃度で使用されていました(3)。

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データによると、皮膚刺激性およびアレルギー性について下記の試験データが報告されています(3)。

・21人の被検者に3%,10%,30%および100%の安息香酸アルキル(C12-15)を含む植物油を用いて48時間閉塞パッチテストを行ったところ、48および72時間で皮膚刺激の兆候は観察されなかった

・101人の被検者に100%安息香酸アルキル(C12-15)を用いてHRIPT(アレルギーテスト)を行ったところ、目にみえる皮膚反応は観察されなかった

・48人の被検者に20%安息香酸アルキル(C12-15)を含むコーン油を用いてHRIPT(アレルギーテスト)を行ったところ、皮膚刺激や皮膚感作の兆候は観察されなかった

上記の試験結果より、安息香酸アルキル(C12-15)には皮膚刺激性およびアレルギー性はほとんどなく、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

日本語名:安息香酸アルキル(C12-15) 英語名:C12-15 alkyl benzoate

参考文献

(1) 鈴木一成 (2012)「安息香酸アルキル(C12-15)」化粧品成分用語事典2012, 52

(2) 宇山 光男, 他 (2015)「安息香酸アルキル(C12-15)」化粧品成分ガイド 第6版, 57

(3) Cosmetic Ingredient Review (2012) 「Safety Assessment of Alkyl Benzoates as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology 31 (Suppl 3) 342S-372S

安息香酸アルキル(C12-15)の配合目的

  • エモリエント作用
  • 溶剤、可溶化剤

安息香酸アルキル(C12-15)の安全性情報

日本語論文

パラオキシ安息香酸アルキルエステル(パラベン)類のコアシェル型C18によるUHPLC分離及びキャピラリーGC-MS分析 : 薬品機器分析学実習におけるパラベン試料の有用性

西 博行 , 稲垣 昌宣

安田女子大学紀要 (43), 367-376, 2015

非イオン界面活性剤によるp-ヒドロキシ安息香酸アルキルの可溶化特性(第1報)

岡部 文市 , 柿島 博

日本油化学会誌 = Journal of Japan Oil Chemists' Society 46(9), 1023-1025, 1997-09-20

p-オキシ安息香酸アルキルエステルの抗微生物作用特性について〔英文〕

芝崎 勲

醗酵工学雑誌 47(3), 167-177, 1969-03

チオエーテルのアルキレンオキシドによる三級化反応

上島 亮 [他] , 宗像 秀明

工業化学雑誌 71(8), 1183-1187, 1968

安息香酸メチルおよびその誘導体の非水溶媒中におけるポーラログラフィー

新居 敏男

日本化學雜誌 89(2), 188-191, 1968

ガスクロマトグラフィーによる食品添加物の分析 (I)

西本 孝男 , 上田 雅彦

食品衛生学雑誌 5(4), 287-293, 1964

安息香酸アルキルエステル塩素化物のPVC 可塑化性能

大城 芳樹 [他] , 関原 信 , 小森 三郎

油化学 12(3), 169-173, 1963

英語論文