表示名称成分詳細
ワレモコウエキス
成分番号(JP number): 552780
- INCI
- SANGUISORBA OFFICINALIS ROOT EXTRACT
- 定義(Description)
- 本品は、ワレモコウSanguisorba officinalisの根茎のエキスである。Sanguisorba Officinalis Root Extract is an extract of the roots of the Sanguisorba officinalis L., Rosaceae
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
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- 中文inci(CN/中国名称)
- 地榆(SANGUISORBA OFFICINALIS)根提取物
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 1.758
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
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- CAS No.
- 84787-71-3
- EC No.
- 284-112-7
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
ワレモコウエキス / SANGUISORBA OFFICINALIS ROOT EXTRACT
ワレモコウエキスとは
ワレモコウエキスとは、バラ科ワレモコウ属のワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の根茎から水、エタノール、BG、またはこれらの混液で抽出して得られる植物エキス(抽出物)です。
化粧品成分表示名称及び、医薬部外品表示名称は「ワレモコウエキス」と言います。
ワレモコウ(吾亦紅)は、日本各地からアジア、シベリアにかけて分布しており、日当たりのよい場所に1m以下の比較的小さい草で秋には赤い色の花が咲、土地を選ばずに自生することができます(1,4)。tただ、日本各地で見られていたワレモコウアですが、近年では草原が減ったこともあり、見られなくなってきています(2)。
日本においては秋の野草のひとつとして生け花に用いられたり、春先には若い葉をおひたしなどに調理して食されていることからよく知られています。
ワレモコウは7〜10月に花が咲き、薬草として使われており、根は生薬になります(1)。ワレモコウはタンニンやサポニン多くを含んでおり、収斂薬や、止血や火傷、湿疹の治療に用いられ、漢方では清肺湯(せいはいとう)、槐角丸(かいかくがん)などに配合されています(3)。
ワレモコウは民間療法において、地楡5〜10gを水300mLでワレモコウがシナシナになって半分の量になるまで茹でて、3回に分けて服用するという療法があります。
ワレモコウエキスは天然由来の成分であることから、収穫された地域、温度や湿度、抽出方法によって含まれる成分が多少変わりますが、主な組成成分は「サンギインH-6」「サンギソルビン」「チユグルコシドⅠ-Ⅱ」で構成されています。
ワレモコウエキスは「抗アレルギー成分」、「抗老化成分」、「抗脱毛成分」を目的としてスキンケア化粧品、ボディケア製品、メイクアップ化粧品、ヘアケア製品、まつ毛美容液、ボディソープ製品、デオドラント製品などに使用されています。
2002年に一丸ファルコスによると、ワレモコウエキスを乳液に配合した乳液と通常の乳液を比較した実験において、乾燥した肌やハリ・ツヤの改善効果が見られたと発表されています。この結果より、ワレモコウエキスにはAGEs分解による抗糖化の作用があることが認められています(5)。
皮膚刺激性について
各試験データによると、共通して皮膚一次刺激および累積刺激なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性についてはほとんどないという可能性が高いです。
眼刺激性について
各試験データによると、共通して眼刺激性なしと報告されているため、一般的に眼刺激性についてはほとんどないという可能性が高いです。
参考文献
- 大嶋敏昭監修『花色でひける山野草・高山植物』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、2002年5月20日、441頁
- 稲垣栄洋『残しておきたいふるさとの野草』地人書館、2010年4月10日、207 - 210頁
- 馬場篤『薬草500種-栽培から効用まで』大貫茂(写真)、誠文堂新光社、1996年9月27日、117頁
- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『草木の種子と果実』誠文堂新光社〈ネイチャーウォッチングガイドブック〉、2012年9月28日、159頁
- 一丸ファルコス株式会社(2002)「メイラード反応修復剤」特開2002-241299.
ワレモコウエキスの配合目的
- ヒスタミン遊離抑制による抗アレルギー作用
- MMP-1活性阻害による抗老化作用
- AGEs分解による抗糖化作用
- FGF-5活性阻害による抗脱毛作用
- OEO生成阻害による腋臭抑制作用
ワレモコウエキスの安全性情報
試験データ(1)より、皮膚刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
参考文献:
(1)一丸ファルコス株式会社(2002)「メイラード反応修復剤」特開2002-241299.
日本語論文
ワレモコウエキスの育毛効果 (特集 育毛剤開発の現状と課題)
前田 哲夫
フレグランスジャーナル 35(12), 49-54, 2007-12
ワレモコウエキスはFGF-5活性抑制効果を持ち, 成長期を延長することで脱毛を改善する
前田 哲夫 , 山本 卓也 , 石川 洋子 [他] , 伊藤 徳家 , 荒瀬 誠治 西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology 69(1), 81-86, 2007-02-01
英語論文
Yoshida H, Yamazaki K, Komiya A, Aoki M, Kasamatsu S, Murata T, Sayo T, Cilek MZ, Okada Y, Takahashi Y.Int J Cosmet Sci. 2019 Feb;41(1):12-20. doi: 10.1111/ics.12505. Epub 2019 Jan 9.PMID: 30485450 Clinical Trial.
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Hachiya A, Kobayashi A, Ohuchi A, Kitahara T, Takema Y.Biol Pharm Bull. 2001 Jun;24(6):688-92. doi: 10.1248/bpb.24.688.PMID: 11411560 Free article.
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Active-oxygen scavenging activity of plant extracts.
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