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表示名称成分詳細

ラウロアンホ酢酸Na

成分番号(JP number): 552620

INCI
SODIUM LAUROAMPHOACETATE
定義(Description)
本品は、次の化学式で表される両性化合物(分子内塩)である。Glycine, N-(2-hydroxyethyl)-N-[2-(1-oxododecylamino)ethyl]-, monosodium salt
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
月桂酰两性基乙酸钠
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 16.5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 0.9
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
소듐라우로암포아세테이트
CAS No.
66161-62-4
EC No.
266-197-2
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

ラウロアンホ酢酸Na / SODIUM LAUROAMPHOACETATE

ラウロアンホ酢酸Naとは

ラウロアンホ酢酸Naは炭素数12の高級脂肪酸であるラウリン酸とアミノエチルエタノールアミンからアルキルイミダゾリンを合成しカルボキシメチル化して得られる、アミノ酸型のグリシン型に分類される両性界面活性剤です(1)。

医薬部外品においては「N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム液」と表示されます。

アミノ酸型のグリシン型両性界面活性剤であるララウロアンホ酢酸Naの性質は、酸性領域(等電点以下)では陽イオン界面活性剤、塩基性領域(等電点以上)では陰イオン界面活性剤、中性領域(等電点付近)では両面界面活性剤の性質を示します(2)。

ラウロアンホ酢酸Naは、コカミドプロピルベタイン(ヤシ油から得られる脂肪酸とジメチルプロピレンジアミンから脂肪酸アミドアミンを合成し、ベタイン化して得られるヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)と同程度の洗浄性と起泡性、耐硬水性を持ち合わせています。

しかし、一般的にはその他の陰イオン界面活性剤と併用する形で使われることが普通です。組み合わせることで表面張力低下能、湿潤、浸透力および起泡力が増大することが知られています。

ラウロアンホ酢酸Naは非イオン界面活性剤の可溶化にも使われます。非イオン界面活性剤との相互作用によって強アルカリ中に非イオン界面活性剤を透明に可溶化させる効果が高いことが知られており(2)、非イオン界面活性剤と併用して使用されます。

また、皮膚のpHに近い領域(弱酸性領域)でpH緩衝効果を持つことから刺激緩和作用があり、アルカリまたは酸性物質の刺激から皮膚を保護する機能が知られています。

陰イオン界面活性剤の刺激を緩和する効果に優れていることから陰イオン界面活性剤と共に配合されます(2)。

ラウロアンホ酢酸Naは両面界面活性剤として、コアセルベート形成によるヘアコンディショニング効果にも寄与します。

コアセルベートとは、以下のように形成され、ヘアコンディショニング効果を発現させます。

1.主剤である陰イオン界面活性剤と両性界面活性剤およびカチオン化高分子との相互作用により、コアセルベーションと呼ばれる現象が起こります。

これは、シャンプー希釈時にある濃度領域において溶質が均一に分散した状態から部分的に溶質が集合し溶質の多い領域と極めて少ない領域に分離する現象です(3)。

2.コアセルベーションによって分離した溶質の多い領域は、洗浄機能とコンディショニング機能をもつ複合体でコアセルベートと呼ばれます。

3.コアセルベートはシリコーンや油性成分を取り込み、それらが毛髪表面に吸着することで、すすぎ時に毛髪へ滑らかさを付与し、ヘアコンディショニング効果を発現することが報告されています(3)(4)。

ラウロアンホ酢酸Naは両面界面活性剤としてコアセルベート形成に関与しています。

参考文献

(1) “Pubchem”(2019)「Sodium lauroamphoacetate」, https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Sodium-lauroamphoacetate 2019年9月17日アクセス.

(2) 日光ケミカルズ(2006)「両性界面活性剤」新化粧品原料ハンドブックⅠ,207-215.

(3) 日油株式会社(2015)「毛髪洗浄剤組成物」特開2015-205834.

(4) 樋渡 佳子, 他(2004)「カチオン性高分子と界面活性剤のコアセルベートに関する研究」日本化粧品技術者会誌(38)(3),211-219.

ラウロアンホ酢酸Naの配合目的

  • 陰イオン界面活性剤との併用による起泡・洗浄
  • 非イオン界面活性剤の可溶化
  • 刺激緩和作用
  • コアセルベート生成によるヘアコンディショニング作用

ラウロアンホ酢酸Naの安全性情報

なし

日本語論文

なし

英語論文

なし