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表示名称成分詳細

ヤシ脂肪酸スクロース

成分番号(JP number): 552468

INCI
SUCROSE COCOATE
定義(Description)
本品は、ヤシ脂肪酸(*)とスクロース(*)のモノエステルである。Fatty acids, coco, esters with sucrose
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
蔗糖椰油酸酯
中国の規制情報(Chinese regulation information)
【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 5, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 5
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
수크로오스코코에이트
CAS No.
91031-88-8
EC No.
292-993-4
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

ヤシ脂肪酸スクロース / SUCROSE COCOATE

ヤシ脂肪酸スクロースとは

ヤシ脂肪酸スクロースは、界面活性剤の一種です。

化粧品に配合される場合は、ヤシ脂肪酸スクロースと表示されますが、医薬部外品に配合される場合はヤシ油脂肪酸ショ糖エステルと表示されます。界面活性剤は、本来であれば混ざり合わない水と油を混ざり合わせる効果を持ちます。

その中でも、多価アルコールエステル型のショ糖脂肪酸エステルに分類される分子量524.6の非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)です。

乳化

乳化とは、1つの液体にそれと溶けあわない別の液体を均一に分散させることを言います(3)。

ポリソルベート20にはこの作用があり、O/W型乳化を引き起こします。

水を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に油が微細粒子状に分散する形で行われる乳化をO/W型乳化と呼びます。

逆にW/O型乳化とは、油を外部層(界面活性剤の外側)とし、中に水が微細粒子状に分散する形で行われる乳化です。

界面活性剤は分子中に親水基と親油基をもっているので両者のバランスが重要になります。親水基と親油基の強さを評価する手段として一般的にHLB値が用いられています。

HLB値は、0~20の値を取り、0に近いほど親油性、20に近いほど親水性が高くなります。界面活性剤が水中に分散するためには3以上、溶解するためには10以上が必要で、HLB値は理論的なものではありませんが、HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定されます(4)。

ヤシ脂肪酸スクロースのHLB値は15で、O/W型乳化剤(親水性界面活性剤)です。

この特徴から、(成分名)は主に乳化系スキンケア化粧品、リップ系メイクアップ化粧品、メイクアップ化粧品などに使用されます。

液晶乳化

ヤシ脂肪酸スクロースは、ステアリン酸ソルビタンの混合物として化粧品に配合される場合があります。

この二つの物質が混合されると、ラメラ液晶構造を形成します。

皮膚の角質層は、細胞間脂質と角質で構成されていますが、細胞間脂質はセラミドを主成分とし、ラメラ液晶構造を形成しています。

そのため、ヤシ脂肪酸スクロースとステアリン酸ソルビタンの混合物は皮膚親和性が高く、保湿の働きが考えられます。

参考文献

  1. https://jp-surfactant.jp/surfactant/nature/index.html
  2. 田村 健夫, 他(1990)「乳化作用」香粧品科学 理論と実際 第4版,270-273.
  3. 野々村 美宗(2015)「親水性・親油性バランス」化粧品 医薬部外品 医薬品のための界面化学,35-39.

ヤシ脂肪酸スクロースの配合目的

  • 乳化
  • 液晶乳化

ヤシ脂肪酸スクロースの安全性情報

https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS721.pdf

日本語論文

なし

英語論文