表示名称成分詳細
メチコン
成分番号(JP number): 552426
- INCI
- METHICONE
- 定義(Description)
- 本品は、直鎖状のモノメチルポリシロキサンであり、次の化学式で表される。Poly[oxy(methylsilylene)]
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 聚甲基硅氧烷
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): (none), Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 22.678
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 메티콘
- CAS No.
- 9004-73-3
- EC No.
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
原料情報
メチコン / METHICONE
メチコンとは
メチコンはジメチルポリシロキサン構造の末端をトリメチルシロキシ基で封鎖した直鎖状重合物であるジメチコンのメチル基の一部をさらに水素原子に置換した直鎖状重合物であり、シリコーン油の仲間です。ハイドロゲンジメチコンという似たシリコーン油脂もありますが、メチコンの方が、化学構造的にメチル基の水素原子への置換数がメチコンのほうが多くあります。
シリコーン油脂は25~30年前から化粧品原料の粉体の表面処理に用いられています。シリコーン油脂による表面処理によって、化粧品やその原料は撥水性及び揮発性を付与されます。
加えて安全性にも問題がない化合物のため、シリコーン油脂は現在、多くの化粧品に利用されています。乳液やクリームなどの油剤や活性剤、ファンデーションやアイシャドウなどの粉体の処理剤、口紅製造時の離型剤、粉体の液状油への分散剤、リンスのコンディショニング剤などその利用範囲は非常に広いといえます。
撥水性
化粧品の原料として使用される顔料をはじめとする粉体は表面にシリコーン油脂が修飾されることで撥水性をもつようになります。
この撥水処理技術によってこの粉体のはっ水処理技術の成功により水乾どちらでも使用できる2ウェイファンデーションの製造が可能となりました。
また、汗や水に強い化粧料が開発され、化粧品をつけたままスポーツなどを楽しむことができるようになりました。
揮発性
シリコーン油脂のなかには修飾した粉体に揮発性を付与するものがあります。
揮発性の低い油脂を用いた化粧料を肌に塗布すると肌上に油分が多く残ってしまい、塗布後、いつまでもべとつき感が残って、使用感があまりよくありません。
そこでシリコーン油脂を用いて揮発性を向上させることによって、塗布しているときは軽い油として働き、次第に揮発し、化粧がピタッとおさまって最終的に持ちのいい化粧品を製造できるようにシリコーン油脂が利用されています。
安全性
メチコンをはじめとするシリコーン油脂は生理的に不活性で非常に安定した化合物です。
また、メチコンは化粧品や医薬品の原料として用いられるにあたり、コンジョウは『医薬部外品原料規格2021』に掲載されています。
- 『医薬部外品原料規格2021』(3)
一般的に日本の医薬品・化粧品メーカーは医薬部外品原料規格2021』に基づいて品質試験を行い、合格したものを製品に用いております。
これまで、メチコンは化粧品の原料として10年以上使用されている実績があます。
現在、メチコンは安全で有用な化粧品・医薬品の原料として用いられているといえます。
参考文献
- 肌を彩る ―化粧品に配合される色材― | 日本化粧品工業連合会 日本化粧品技術者会 SCCJ (sccj-ifscc.com)
- 厚生労働省『医薬部外品原料規格 2021』000240227.pdf (pmda.go.jp)
- 小西さやか『日本化粧品検定 1級対策テキスト コスメの教科書』(主婦の友社)
- 信越シリコーンホームページ 信越シリコーン|Q. 化粧品用シリコーンについて (silicone.jp)
メチコンの配合目的
- 表面処理
メチコンの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/TR807rrr.pdf
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS307.pdf
日本語論文
特定の無機紫外線散乱剤と分散剤を用いた易洗浄性を有するサンスクリーン製剤の開発
高橋 功 , 根村 和宏 , 佐々木 泉 日本化粧品技術者会誌 52(1), 24-30, 2018 J-STAGE
界面制御機能を有する新規両親媒性高分子の特性と応用(第2報)
上利 佳輝 , 松井 康子 , 伊賀 由美子 [他] , 小柳 綾子 , 吉岡 正人 日本化粧品技術者会誌 48(4), 287-295, 2014 J-STAGE
馬場 優 , 川向 裕志 , 松井 芳明 , 五十嵐 正 , 中村 文彦 , 柴田 雅史 日本化粧品技術者会誌 42(3), 226-230, 2008 J-STAGE
英語論文
Nair B, et al. Int J Toxicol. 2003.PMID: 14555417 Review.